のら猫の三文小説

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香奈とコシロの子供たち No.32

2013-06-30 00:00:29 | 香奈とコシロの子供たち

聖子と有希の利益競争激化




聖子の安いよ、快適グループは、聖子の貢ぎ病が治ったものの、治部洋服グループとの競争になってきた。治部洋服グループは、海外の有名ブランドを手に入れだして利益率が上がっていた。有希は、商会の情報も入れ、孫の尚子や尚子の夫の柿崎孝も使い、洋服以外でもバックや財布などの皮革製品も売り出し、和服も売り、利益を上げだしていた。


お酒の名前みたいなグループとブランド品の世界市場でも争っていた。快適洋服は売り上げ規模は大きく、アメリカ、ヨーロッパはもとより、アジアや南米、インド、アフリカにも進出していた。しかし玩具や生活雑貨などを含めて低価格品が多く、利益率は低かった。機能性を特徴に利益率の高い製品も出して競争していた。何でも手を出す聖子の性格もあり、農園や養殖場まで手を広げ、いくつかの鉱山や偶然出た油田も香奈オフィスと共同出資し、貿易の窓口や工場建設などを受け持つ快適交易まで傘下に持っていた。聖子は、貢ぎ病の時にかすり採っていた利益の5パーセントを本体指導料と云う名前にして聖子ファイナンシャルに集め、資源関係の利益も加え、全体的な資金の流れも管理していた。




只、聖子は、資金回収は、急がず、配当も出資金の10パーセントにほぼ固定し、利益は現地に再投資していた。企業を新しく出す時は、快適とジブトラストだけの出資とせずに、現地資本も加えていた。その方が現地の事情にも詳しく、現地でも売りやすいし、運営にも参加してもらえた。


聖子はどこで儲けてもそれでよかった。そうした会社群は、大きくなる毎にその成長は加速していた。各地の思惑もあり、もはや自動的に大きくなる体質ではあった。だ利益率が低いだけに、利益コントロールが重要であった。娘婿の幸夫を各地の快適グループの視察に派遣し、管理も少し行き届いて、利益も上がってきた。


有希は、利益比例の給料の給料ではあったが、比例率は低く、会社の保留金も重視し、配当も重視し、会社内部保留、配当、社員還元の三分配をぽぼ維持していた。ジブトラストからの出資もほとんどなかった。聖子は、社員還元は程々にしたものの、配当率は悪く、配当はどんなに利益が出ても、ジブトラストの求める最低ラインの出資金の1割に固定して、内部留保を重視する姿勢は変わらなかった。


聖子は社員割引と言う制度を作り、社員に売れる製品を作るように言っていた。社員も客であるとして、社員に売れるような製品を製造していった。生産地周辺で消費できる製品を求めてきた。ジブトラストからの出資も多かったし、現地資本も積極的に導入した。多くの人と資金を集め、成長しようとしていた。




有希と聖子は、会社としても個人としても服飾関係の利益は競っていたが、その内容には差があった。治部洋服グループの配当は高く、有希の収入は、配当にも依存していたが、聖子は利益比例の収入、つまり、聖子指導料として、かすりを取っている収入に多く依存していた。


有希は治部洋服グループの会長で、聖子が役員と云う関係も続いた。有村の息子も安いよ、快適洋服グループに入り、ジブトラストにも入り、ジブの管理も兼任していた。有希も聖子も現金主義ではあったが、もはや札束を家に運ぶ事はせず、ジブトラストに保管させていた。


ジブトラストは、香奈や正子のお金だけでなく、有希や聖子のお金も預かっていた。ジブトラスト本体内に有村親子が管理する聖子ファイナンシャルの事務所が間借りする形となっており、有村親子によって、聖子のお金は、定期的に、聖子ファイナンシャルへ出資する手続きを取っていた。正子のお金も、多くはカミカミファイナンシャルに出資していた。有希のお金は、有希の個人会社ユキエンタープライズに出資され、治部洋服グループに直接出資したり、共同出資して、有名ブランドを買うお金に回っていた。そして香奈のお金は香奈ファイナンシャルに出資されていった。ジブトラストの管理は、色々な仕事を代行していた。



香奈は、父の恭助が遺産として受け継いだ長府や各地の土地や和子の諏訪の土地のように遺産として貰っていた不動産は、勝と小百合と一緒に出資した毛利不動産にまとめていた。菊子も少し持っていた土地を出資した。長府や諏訪以外にも、母の和子が祖母の静香や曾祖母の珠代からの受け継いだ土地もあった。土地だけでは有効利用が出来ないので、毛利不動産は、香奈ファイナンシャルからのお金を追加して、株式会社毛利ビルを作った、建ててしまったビルは、ジブトラストのビル管理業務に管理を委託していたが、土地の有効利用を考える専任のスタッフを持つようになった。その毛利ビルが、毛利不動産の土地の有効利用を進めていた。中には、ニコニコホテルを入れたビルも作った。



治部一族の不動産関係は、ビルの管理は、ジブトラストが主体であるが、昔からの商会の不動産を保有し、管理するスリースター不動産、名古屋の複合ビルを管理するスリスター中部不動産、名古屋のホテルの土地を管理する、恵たちの系統のマチコジブ記念不動産などもあり、ジブタウンを中心とする各地の商業ビルを運営する冶部ビル会社とその子会社たちや香奈ファイナンシャルが出資する毛利ビルそして赤ちゃんスキ不動産など、複雑な会社群だった。


実際の不動産の売買は、主にしていたのは、洋之助が作っていた治部東京、治部大阪そして治部西日本であったが、ほぼ地域毎に担当していた。そして敷地内の土地や家を中心として、治部ホーム不動産があった。赤ちゃんスキ不動産は乳幼児施設や財団のサポートのための賃貸住宅ビルなども保有していた。 冶部ビルは不動産の管理と
云うよりは、商業ビルを運営して、直営店も持ち、ビルとしての不動産価値を高める工夫をしていた。



貿易関係も商会がメインではあるが、食品や農作物の貿易実務を行う岡崎交易と北米中心の衣料やグッズ中心のジブトレーディングそして聖子の快適関係の交易を管理する快適交易などがあった。資源やエネルギーは資源開発や香奈オフィスまで関係していた。そして安倍海運グループが実際の海運業務を担当していた。



香奈とコシロの子供たち No.31

2013-06-29 00:05:36 | 香奈とコシロの子供たち

ここで、ジブトラストは、本格的に為替を業務とする事になった。




香奈は外国為替もやり始めたものの、ジブトラストとしては、神之助に任せてしまった。神之助は、香奈がやりだして、外部任せよりずっと利回りが高い事に気付いた。神之助はかなり儲けた。やっぱりチャより儲けた。香奈も流石に神之助には、それは言わなかった。家でチャに言ったら、悔しそうな顔をしていた。チャはまだ勉強中だった。


本体でも取引をして、世界各地で、見通しを立てて、直接的な形でも、本格的に取引を始めていた。各地での資産も増え、複数通貨を保有していた。香奈オフィスはシンガホールに、金融関係のオフィスを持っていたが、初めはそれを利用していた。


瑠璃が香奈オフィスのシンガポールオフィスを引き継いだので、やがて、シンガポールにはアジアからの配当を元にジブトラストだけの金融オフィスを持ち、ヨーロッパには、リヒテンシュタインに、アメリカには、ニューヨークに、そしてサンパウロにも置いた。ブラジル資源開発が大きくなって、ブラジルにもおいたのだ。



その金融センターは、今までの外部にあった資産管理会社とジブトラストが合同出資して設立して、その金融センターからも各地のジブトラストの子会社に運用委託する形にもした。そうすれば各地の子会社や孫会社の利益を分散し、金融センターに資金をストックする事が出来た。


ジブトラストは、海外子会社からのジブトラストの配当の送金業務も委託する事にした。送金と言っても。海外の子会社からの配当を、金融センターに預けて、金融センターが為替の運用をして、必要な時に本体に送金するのが役割だった。金融センターは、各地の海外子会社の利益を分散させる事が本来の目的であったが、ジブトラストとしても資金がそんなに必要ではなく、為替運用をする機関ともなっていった。


この金融センターでは少人数の人が神之助の指示でジブ上海銀行の各支店や為替専門会社も使い、為替取引をしていった。この人たちは、金融センターとしての利益の5%が付加給になった。元々各地域からの子会社からの配当を保管し、必要な時にジブトラストに送金するための組織であったので、基本給が決められていたが、神之助がジブ上海や各地の為替専門業者を選択して、為替を行うようになり、利益が出て、働いている人に分配するようになった。


長期予測や中期予測も研究センターにも予測を出させた。神子はそれに基づいて、短期的な予測を出した。これに基づいて、世界各地で取引し、結果に基づき、修正していった。本体にお金が貯まり、送金する必要がほとんどなくなり、金融センターのお金が貯まりだし、神之助の仕事は増えた。商品相場関係の孫会社は少なかったが、商品相場も担当していたので、神之助も結構忙しかった。




香奈とコシロの子供たち No.30

2013-06-28 00:03:09 | 香奈とコシロの子供たち


香奈は、のんびりと中期的に
為替を運用した。




「香奈さん、もう歳なんだから、儲けるのは、神太朗君たちに任せたらどうなの。ゆっくりしないと、寿クラブでも行ったら。徹さんは来ているよ。」

香奈「無理しない程度にやっているだけなのよ。正子さんは二千億の枠の中でやってねと言ってくれたよ。」
「無理しないで、暇つぶし程度でやってね。香奈さんは、今頃儲けても仕方ないからね。」

香奈「そうしているわよ。成績もまあまあだよ。神之助君たちも直接でもやってみようとか言って、色々な所に資金も置いているし、便利だっていってたよ。」





そして香奈は、本当にのんびりやった。ただ単位は少し間違える事があった。正子は時々みて、こっそり資金を追加してくれる事もあった。新たに三千億も追加した事があった。香奈は海外ビジネスの経験は豊富で、大局観としては間違っていなかった。それにスイスカナコインからの情報も入った。


チャも好きなようだった。香奈に色々なチャートを印刷させて、ボールの水でチャートの延長線を書いた事もあった。香奈は為替用として新しくスイスコインに10億入れて貰い、オタスケーに処理を頼んだ。香奈はそれも参考にしたが、それは、スイスカナコインで取引させた。まさか猫のいいなりに取引しているとは云えなかった。


ココは株式が好きだった。チャは為替のチャート遊びでも印を付けだしたので、為替もオタスケーに面倒もみて貰った。ココもチャに影響され、国内先物のチャートでも印をつける事があった。香奈は香奈ファイナンシャルにココ用の先物口座に10億を入れ、口座残高の五分の一だけを運用する事にした。しかし先物はそんなに取引をしなかった。ココは少しだけ中期的に予想しているようだった。日本の株に関するメールが来たら、ココは反応した。日本の株は大抵とんでもない会社の株だった。香奈は、結構儲けていた。


しかしもう香奈は、あまりそんなに利益に拘らなくなった。ジブトラストからの報酬も高く、配当も寄付以外には、生活費とお不動さんの絵以外しか使わなかったので、残りは、ほとんど国内の香奈ファイナンシャルに出資するようになっていた。時々、相場をやっているのも忘れ、美術商の人を呼んで、お不動さんの絵について話をして、真理もお地蔵さんの絵の事を聞き、話の中に入り、話に夢中になり、そのまま家に帰ってしまう事もあった。



「香奈さん、何見てるのよ、相場やってるのでしょう、お不動さんのオークションなんか見てて、大丈夫なの。」
香奈「そんなに、一々見てたら疲れるよ。指し値はちゃんと入れているよ。それよりこのお不動さんの絵、いいでしょう。本物かしらね。美術商にも聞いてみよう。」

「本当にのんびりやっているのね。それならば安心よね。」



香奈は、ほとんどお不動さんの絵とか掛け軸をゆっくり見ていた。1日何時間か、中期的なスタンスでやって、後は自分のコレクションについて、美術商に連絡したり、真理のお地蔵さんコレクションのついての情報を真理に言ったりしていた。実は真理も同じように1日の数時間だけ仕事をして、後は自分のコレクションについて、調べたり、オークション情報を見ていた。ネットオークションなんかも見ていた。



時間がくれば、真理と一緒に帰った。食事は、子供たちと普通の大人そして高齢者用の三種類があった。たまには別のメニューを注文したり、各家で作ったりしていた。香奈たちは、普通は高齢者用の食事も注文したが、大人用にしたり、好きなメニューにしたり、作って貰ったりしていた。やっぱり香奈も真理たちも肉は好きだった。時々、いいお肉があれば料理屋さんから、コックも呼んで焼いてもらった。チャとココはお肉が嫌いだったので、お刺身も頼んだ。



恵の家も神太朗たちのお告げでは新しい建物を横に建てた方がいいと言われた。そして今までの家も少し改築して、新しい建物を造った。子供部屋も広く、一人一部屋になった。

恵たちのビルの総合管理室などを作った。恵たちも少しは仕事ができた。財団や施設の連絡事務所も作った。



香奈、折角始めた為替を神之助に任せる



「香奈さんもそんなに相場も熱心にしないのね。香奈オフィスの事務所にいる事も多いね。いつもよりずっと多く財団に寄付してくれてありがとう。財団も喜んでいたわよ。

香奈「やっぱり、香奈オフィスの仕事にしていた方がいいのよ。瑠璃は迷惑そうだけどね。結構儲かっていたけどね。神之助君たちは凄いのよ。私の倍ほど儲けるのよ。馬鹿らしくなって神之助君たちにして貰う事にしたの、それにジブトラストでも、現地子会社の人や保有している会社の人もよく来るのよ。私も最近行かないし、みんなも海外にあまり行かないから、向こうから来るのよ。そんなに暇でもないの。寄付なんて特別に増やしたかしら。そうだ、運用手数料をどうするとか云われた時のものかもしれないね。

「何なの。運用手数料とか云うのは。」

香奈「投信なんかでも一緒なんだけど、利益のある程度は運用している人に入るのよ。役割によって、比率は違うのよ、ジブトラストは、会社としての投資だし、運用手数料は低いのよ。海外の人が入った時に少し上げて、利益の10パーセント程度なのよ。正子さんや三人の子供たちそしてマリアさんには、最初に特別な無償出資枠をつけたから、出資はもう増やさないの。それぞれの役割によって手数料とか報酬として払うのよ。いらないと言ったけど、みんなにも渡しているからと言って、私の税理士と相談して、財団に寄付するとか言っていた分かもしれないわね。

「だったから、正子さんたちは多いでしょうね。だから寄付も多いんだ。最近マリアさんもくれるよ。」
香奈「ここまでジブトラストが大きくなったのは、正子さんたちの神懸かりの運用のお陰だよ。悦子ちゃんのエコノミーホテルや聖子ちゃんの会社にも正子さんがお金だしていたのよ。


それに優秀な取引の人たちの給料は多くしないといけないの。だから正子さんたちにも多いのよ。でも色々な事をやってるから、計算も複雑でね。社員全部にも少しは、手数料は分散されていく事にしているの。取引チームの中には、普通の運用会社に移る人もいるのよ。運用手数料の比率はもっとずっと高いからね。しかし、神子ちゃんたちの予測とか取引指針もないし、運用金額も少ないし、コンスタントに儲けられないの。私の手数料は、私一人だけがやった事にしておまけしてくれたのよ。私も変わらず出来るだけジブトラストに行くのよ。来客もあるし、打ち合わせもあるのよ。散歩にもなるし、元気にもなるわよ。」

「財団ではね、この頃寄付も多く貯まるようになって、難病の子供を援助する人たちとも協力するようになったの。遺伝子研究センターと製薬もやってくれると言っていたよ。製薬の作った薬では効かないらしい。センターは遺伝子や細胞レベルでも調査すると云っていたらしいよ。友恵さんは、今までは、患者の人数が少ないので、投資しても儲からないから、しなかったのだろうと言っていたよ。製薬にも利益を無視して開発進めるのは、無謀だと言う人もいるらしい。」

香奈「製薬には、利益重視派と薬の使命重視派がいるらしいわ。紡績にも、愛とか教育とかを重視する人たちと利益確保を重視する人たちがいるらしいよ。」

「どっちも必要なんだろうね。でも財団も色々やるから、又寄付がいるね。遺伝子研究センターも、まだまだ必要だね。

香奈分、経費使っているよ。まだ人の遺伝子の働き方は、すべてわかっているのではないとか云って、凄い高く経費を要求したりするのよ。色々な技術指導料とか特許のお金なんかは入ってくるけど、大分持ち出しだよ。でもジブトラストでは、問題にしないよ。これからも、いつまでも続くだろうね。神子ちゃんも言ってたよ。これでもう十分とは、なかなかならない。」

「そうかもしれない。香奈さんはなかなか死ねないね。」

香奈「私はもう十分やったつもりだけど、まだやりなさいと言われているだろうね。神子ちゃんも、おばさんはまだまだ必要とか言って脅すんだよ。」








香奈とコシロの子供たち No.29

2013-06-27 00:04:42 | 香奈とコシロの子供たち


香奈の家、建てなおす




香奈たちの新しい家も建った。チャもココも香奈と一緒にゲストハウスに当然のように行き、新しい家でも当然のように一部屋貰った。真理のお地蔵さんのコレクションの部屋と香奈のお不動さんのコレクションの部屋も出来た。香奈は3つの部屋を持っていた。香奈の部屋とお不動さんの部屋そして猫の部屋であった。猫の部屋と香奈の部屋には出入り口が開いており、猫は勝手に行ったり、自分たちの部屋でお不動さんの絵の裏で休んでいた。


コシロの骨もお不動さんの石像の近くに埋めた。チャもココも判るのか、時々庭に出て、お不動さんの石像の前で黙祷していた。マリアは、小さい庭が見える、小さい自分だけの部屋で静かにしている事が好きだった。真理も香奈も満足していた。お不動さんの石仏像も買っていた。庭にはお地蔵さんとお不動さんの石仏像が置いていた。



「やっばり新しい家はいいわね。ここはお不動さんの間なのね。ここの部屋からは庭のお不動さんも見えるのね。」

香奈「いいでしょう。真理のお地蔵さんの間からは庭のお地蔵さんが見えるのよ。ここにくると気か休まるのね。マリアさんは、小さい庭を作っているけど何も置かないの。」

「私たちも新しい家を考えよう、孫達も結婚したし、真美さんや由香さんたちとも相談しよう。俊子さんの所は離れに大きな建物を造ったわね。」

香奈「俊子さんの所は神太朗君が、離れに大きな建物を建てた方がいいと言ったの。今までの神太朗くんの家の後には、改築して紡績と洋服事業と商会とかの連絡事務所が出来たのよ。ごきげんソフトが回線を増強しているから、回線も早くなって、会議も出来るのよ。恵も、神太朗君たちにも聞いてみたら。引っ越しの手間もないよ。私も、ここにも機械、資源開発、香奈オフィスの連絡事務所も置くようにしたのよ。徹さんたちも一応相談役だし、暇そうだからね。」




チャ、母猫の遺骨を庭のコシロの墓に埋める!




ある日、香奈はスイスへの連絡もなく、チャとココと遊んで、幾つかの経済サイトなども覗き、猫たちに印刷して、比較的早く休んだ。チャとココは二匹で相談していた。



チャ「僕が、お母さんの骨を取ってくるよ。お不動さんはあの部室の裏に埋められていると言っていた。もう一人の子供と一緒にスイスにも持っていったらしいけど、多くの骨はあると思うよ。お父さんと一緒に埋めておこうよ。」

ココ「でも遠いわよ。大丈夫なの。」

チャ「あの時の道は心に刻んでいるから、大丈夫だよ。朝までに帰ってくるからね。骨をくわえて帰ってくるよ。」、
ココ「私も一緒に行こうか?」

チャ「僕一人の方が便利だよ。」

ココ「気をつけてね。」



チャはこっそり庭を抜け出した。猫はドアは開けられるのだ。チャは心に刻んだ夜の道を足早に歩き、大学の部室の裏に行き、茶色の猫が埋められると聞いた場所を見つけ、簡単に掘り出す事が出来た。一欠片の骨だったが、口にくわえて、もう明け方付近に敷地内に戻ってきた。コシロが埋められた所に、一緒に埋めた。チャありがとうと言うお母さんの声が聞こえたような気がした。雑巾で足を拭い、お不動さんの裏で寝ていたココに帰ってきたよと言った。



大きなお不動さんチャ、お母さんも喜んでいるよ。二人がお前たちの事を見守ってくれているよ。

チャ「思っていた程遠くなかったよ。」

大きなお不動さん「後はゆっくり休め、お前も為替をやってみるか、教えてやるから、勉強しろよ。」、
チャ「お願いします。」




お手伝いさんは翌朝、猫の部屋から庭に出るドアーが少し開いている事に気付き、慌ててドアーを閉めた。猫たちは疲れて寝ていた。ココも心配してゆっくり寝ていなかった。





香奈とコシロの子供たち No.28

2013-06-26 00:06:45 | 香奈とコシロの子供たち

香奈再び、相場取引に復帰




香奈も90才になると海外への出張を止めた。海外に行っても一通りの報告を聞くだけだった。香奈が知っている人たちも、引退したり、死んだりしていた。子会社での問題も少なくなり、香奈も高齢になって、海外へ行くのが段々面倒になり、香奈の海外出張も止める事にした。最後にスイスに行ってコッソリートと会い、スイスカナコインにも寄ったが、小さい古いビルで、流行らないコイン屋の金庫に金が貯まり、二階で年寄り運用チームがのんびり運用していた。スイスカナコインはジブトラストに比べると格段に小さい運用だった。



ジブトラストも、香奈オフィスも大きくなり、香奈自身が直接指導する事は少なくなった。総括や方針は香奈がまだ決めていたが、普通の日は、ジブトラストでは暇だった。香奈ファイナンシャルとしての取引はジブの社内ではせず、香奈は、香奈オフィスからの報告は家で受ける事にしていた習慣が身に付いていたので、家に早く帰り、自分の部屋でスイスなどに連絡していた。そこで香奈自身が再び、ジブトラストとして相場に復帰した。ジブトラストとしても、二千億程度、香奈のために用意した。



香奈「この間あんまり暇だから、私も久しぶりに香奈プログラムをやったの。神之助君に少し修正して貰ったけど、儲かったわよ。最初は少なくしたつもりが桁を間違えて、多くやりすぎたみたい。管理の人が飛んで来たわ。なんとか保有報告書を出さないといけない所がやたら多いのよ。まあなんとかしてくれたよ。管理の人も暇みたいだから、喜んでいたわよ。」

「元気だね。相場は好きだね。」



香奈はあんまり、暇だから、相場をやりだしたが、香奈は元々多量に、一気に買う人だった。株の取引も、買えばジブの買いとか言われて上がり、時期を逃さず売り抜けし、儲かった。ジブトラストは、長期保有が基本であったのに、香奈は、気が短くなっており、短期的な売買を行い、直ぐに手じまいを始めていった。管理の人も、多くの関係会社の保有状況も調べる必要もあった。


雲の上の人なので、初めは何にも言わなかったが、ついには嫌な顔をした。それに子会社の人が役員になっている会社もあったり、相談を受けている会社もあり、制約も大きかった。香奈はごきげんソフトに依頼して、制約のある企業には警告と取引出来ないようにする取引ツールを作った。


ごきげんソフトは、ジブトラスト関連用に、取引用の回線と取引ツールを独自に作り、支援や相談そして各企業からの報告、研究センターの報告などをデータベースに作り、それを更新する処理を請け負っていた。単なるコンピューターソフトの会社ではなく、ジブトラストのシステム運用部と云う感じになっていた。


今ではジブトラストのコンピューターを介して文書を作成したり、取引するだけですべてのデータが見られるようになっていた。そうするとなんとか報告書の作成も容易だったし、取引できない会社も直ぐに判った。


香奈が面白いと思う会社には、既に子会社が投資していたり、役員を派遣していたりした。もはや小さい運用会社ではなかった。香奈も漸く判り、株よりは商品や為替などに変更した。原油や金は過去にも経験があり、外国為替にも経験があり、この3つを選んだ。香奈は桁数をよく間違えていた。真理は金相場が揺れるのは迷惑そうな顔をした。原油は瑠璃が本職だったので、瑠璃が会社の動向を見ながら、ヘッジして取引していた。お母さんの動きは邪魔なのよとか言われて、結局外国為替をやる事になった。


ジブトラストでも、子会社からの配当を送金してもらう事もあり、少しは海外為替も間接的に行っていたので、神之助と神子が色々とサポートして、資料もくれたり、オーラも送ってくれた。ジブ上海銀行以外にも、いくつかの為替会社や銀行を選び、何カ所で取引をしていた。


香奈は桁数を間違えて、あまり大規模な買をして、たまたま口先介入をしていた時だったので、本当の介入が入ったと思われて、思い切り上がり、やたら儲かった。味をしめた香奈は家でもやろうとしていたら、瑠璃にいい年なんだから、夜は寝るのよとか言われ、晩はゆっくり寝る事になった。結局、会社の中だけで取引する事になった。そのためオーラの強い職場であったジブトラストの中でだけ、取引していたものだから、結構儲かっていた。