のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.751

2016-03-31 00:00:28 | 新しい子猫たち 

紡績の中央研究所は、世界でも有数の化学の研究所として知られていてその知財、特許やノウハウは世界で注目されていた。





幾つかの基本特許を持っていて、この特許からのロイヤリティーだけでも莫大な収入があった。





ただ紡績は難儀な会社で、新しい特許を独占的に使用する時は、世のため 人のためにならないと莫大なロイヤリティーを請求すると知られていた。単にゼニが儲かるだけでは駄目だった。





紡績は基本ビジネスとしてはそんなには伸びないが、固い商売をしていて、洋太郎が社長時代から始めた事務服、体操着そしてユニホームなどでは圧倒的なシェアがあって、伸びないものの商売は堅い。社内の人件費とか経費は、冗談のような労務対策、福利対策をしているのに、十分捻出できた。





中央研究所の経費は、既存のロイヤリティーでおつりがきた。





紡績の運用本部は債券運用で知られ、コレマタ大きな収入があった。洋太郎の父の洋之助が貯めた資産は莫大でそれを大きくしていた。最近では神之助グループとも協力して、利益は増えていた。





世のため、人のために研究しているのに、単なるゼニ儲けの道具として使われるのはアカンと云う社内のコンセンサスがあった。



根源は 御大といわれた洋太郎の強い意見があったのだが、今はそれが根付いて洋太郎はもとより、社長の清太郎までもいかず、あっさりと高額のロイヤリティーの申し込みを事務レベルの段階で断る会社だった。清太郎に直訴しても、世の為、人の為の事業が紡績の基本理念ですから、私が曲げる事は出来ませんと言われた。





ジブ総研の丹羽は、洋太郎にその精神を評価され、紡績の特許についても比較的使える立場だったが、紡績の精神を持っていた丹羽は、中小企業の振興のためには寛容だったが、大手企業相手には、紡績の精神論が表に出た。





ところがコイツは、紡績の精神論は出さないのに、紡績の特許を使って、合弁会社で成功していた。人を陥れたり、騙したり、世の中に波紋起こすような特許の使い方はしていないものの、ナンデあいつだけは紡績の特許を使えるのだろうと不思議がられていた。





実はブラジルとイギリスの息子たちが考えている間に、話は広がり、神子の側近と神太朗の側近、リトルチャの側近たちでもこの会社に出資していきたいとかの話が起こり、紡績や化学まで巻き込んで会社の規模は拡大して、協力会社は増えていくのであった。





この時に、新しい会社について、広く検討したのは結果としては大成功だった。










新しい子猫たち No.750

2016-03-30 00:00:30 | 新しい子猫たち 

一方 この役員は 取引先の会社 と云っても 役員の会社の走り使い、法律問題の整理、法律事務所との交渉などをサポートする会社だった。この会社は社長の個人資産会社と云ってもよかった側面があったが、そんな事に拘っていては会社の役員は務まらない、この役員も社長の引き立てがあって常務になれた。









緊急ミーティングは、この取引先の会社と常務の側近を呼んで、ブラジルのジイサンの所の会社をどう食い物にするか、いや 魅力的な提案を出して、両方とも儲かる提案をするための準備だった









あのジイサンが用意してくれたマンションは豪華マンションで、客用の部屋もあったし、家具やベッドもあった。いわば身一つできてもいい位であった。









ただ結果としてはこの緊急ミーティングは無駄に終わった









翌日 ブラジルのジイサンとイギリスのジイサンが共同で作っていた運用会社の総務、と云っても二人の息子の日本現地事務所の人たちと交渉したが、急転直下違うスキームが提案された









まずは、この役員が奥さんと娘さんと会社を作り、その会社と二人のジイサンの運用会社との間で新しい会社を又作り、その出資比率は二人のジイサンの運用会社が51%とするが、この会社で利益が出れば、ある限度の超えた利益は、二人の運用会社が自由に処理できる。いわばティのいい、税金逃れの資産管理会社だった。









この会社はマンションの部屋を今は二人の運用会社名義になっているのを購入する。もっともこの役員の出資分は、全額二人のジイサンの運用会社からの借金となっていて、利益の付け替えをして、その借金分は出資に対する配当として渡す分から回収する。









ただ最も大きな変更点は、この会社と二人のジイサンの日本現地法人との間で、別の新しい会社を作るのであるが、ここの出資比率はまだ未定だった。その上新しい会社の出資もあるかもしれない、この調整は少し時間が欲しい、この役員の所属している中堅企業と取引先の会社も出資できると云う点は変らないが、全体として調整して、今後の問題としたいとの事だった。









二人のジイサンの現地日本法人の奴らが言うのには、









アンタが紡績との合弁会社で成功した事は、二人のジイサンの息子たちは知ってますよ、そして高く評価しています。紡績の持つ知財は世界では有名です。それを上手く使えた事を高く評価しています。紡績の御大とも話ができる人として世間ではちゃんと知る人は知ってます。ナンカ問題があるのではないです、どういう会社にしていくか暫く考えさせてくださいというだけです。



新しい子猫たち No.749

2016-03-29 00:00:47 | 新しい子猫たち 

ナベのソフトが組み込まれた高機能パソコンが家に届いたのは、紡績が主催していた棋戦のタイトル戦の二日目だった。早速 このソフトを使いながら 観戦してみた。ナベのソフトは対局者を指定するとその指し手はほとんどピタリと当るし、今いい手だったか悪い手が評価関数的に計算されるのだった。ナベのソフトには今までの棋譜検索と公式戦の棋譜中継を見れるソフトも同時に組み込まれていた







娘さんもあまりの出来に感動していた。







将棋を堪能して、終わったら、もう夜だった







小腹もすいたし、ナニか食べるものがあるかと冷蔵庫を覗いたら、香奈の隣のレストランのケーキが入っていた。



変な趣味の奥さんはご主人様の顔が見られず、不安で寝付かれず起きてきた







娘さん







ここのケーキはなかなか食べれないのよ。市販しているのは旧猫殺してもいい市のコンビニが一箇所、それも直ぐに売り切れになるのよ、安いよのケーキは美味しいけど廉価版だしね。その日に食べないと美味しさも落ちるわよ。本格的なコーヒーもついているし、食べましょう。







変な趣味の奥さん







それはご主人様のものだから、駄目







娘さん







お父さんはケーキの趣味はないし、第一忘れているよ。今日は泊まりになったのでしょう



明日 このコンビニに買いにいけばいいのよ、安いよの廉価版よりは高級なタイプも売っているらしい。



お父さんには より美味しいものを出すとか云う理由もつくわ







変な趣味の奥さん







それもそうね、頂きましょう







コーヒーも お湯を入れたら、本格的なコーヒーになる パックもついていた。二人で美味しいねとか云いながら食べた










新しい子猫たち No.748

2016-03-28 00:00:45 | 新しい子猫たち 




この役員は、娘さんに ナベのソフト入りの高機能パソコンの導入を頼んだのはワケがあった。


娘さんは子供大会で圧倒していて、青の帽子をいつもして、青の帽子の女の子として有名になっていた





青の帽子していると、変な趣味の奥さんが見つけやすいと云う理由だった





奨励会に入りたいと思っていたが、この役員には俺に勝ってからの話と言われていた





折に触れて、勝負を挑むが この役員の圧勝だった。この役員の攻めは容赦なかったし、至る所に爆弾を仕掛けているような将棋だった。





女の子の若い時は一瞬だった、娘さんも大学生になってしまった。この役員も若い時はそこそこ頭も良かった、変な趣味の奥さんも 勉強はしないのに、そこそこの女子大に簡単に入っていた。娘さんはそこそこと云うか かなり有名な大学の学生になっていた





この役員は、噂で聞く ナベのソフト の凄さを 娘さんに評価させ、娘さんが自分で自分自身を評価できるようにしたかった









新しい子猫たち No.747

2016-03-27 00:00:56 | 新しい子猫たち 





この役員はテレビの将棋番組、将棋の対局などを見るようになった







ネットでは簡単に棋譜が見れる時代になっていた







初めは ボーと見ていたが、 自分ならどうする と考えるようになってきた。当る時も当らない時もあったが、あの手ではどうなったのであろうと思う事もあった







ナベの作ったソフトでは こんな事も出来るらしいと聞いた







紡績将棋クラブに入会するには、紡績製品か冶部洋服関係のお店で 入会補助券を貯めないといけない。ネットではこの補助券の効率的な集め方とか云うブログもあった







この役員は、元々冶部洋服で 紡績の生地で定期的にスーツを新調していた。去年作ったばっかだったが、早速オーダーしてみた。一発で入会補助券は規定の枚数になった。







この案内の中で、コネコ通信が作った高機能ゲームパソコンを案内していた。これも一緒に注文した。ソフトが入ったこの高機能パソコンが届くようにした。たまたまタイトル戦もしていて、対局者の同じスイーツが当るサービスもあって、スイーツなんかはどちらでもよかったが、参加してみた。







この役員は忙しいので、娘に対応してもらう事にした。変な趣味の奥さんはご主人様の部屋には、掃除しておけといわれない限り、入ってはいけないのだった。