のら猫の三文小説

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香奈とコシロの子供たち No.158

2013-11-03 00:00:38 | 香奈とコシロの子供たち



正人の息子の正一は



日銀にやはり入り、正人と違い、化かし合いやはぐらかしの技も未熟だった事もあり、ドサ回りもしていたが、化かし合いやはぐらかしの技も身に付け、元々そこそこ実力もあり、ようやく東京に戻り、偉いさんになり、敷地内に住むようになった。日銀は不思議な組織で代々日銀で働く家系もいた。


政則や正人は今や民間企業で働いており、正一は、日銀の資料は、自分の部屋でこっそり読んだ。小猫たちは遊びにきたが、字が読めて経済に詳しい小猫がいると思う人はそんなにいず、正一もそう思った。子猫たちは、日銀資料も読めた。


正智は、大学で計量経済学の先生をしていたが、ぱっとしない人だった。色ボケ女の知加子の後押しで漸く助教授になれた。しかし本だけはやたらと集める人で、読みもしない学会誌も崩れるほど積んでいた。知加子の代理のようになり、政府の経済関係の審議会の委員にもなっていた。やはりそんな資料は誤解を招かないように自室でしか読まなかった。


正智も子猫が字が読めて経済に詳しいとは思わなかった。子猫たちがにゃーとなくとみせてあげた。子猫たちは正智の資料も読んだ。


この二人の部屋にも子猫たちは度々現れ、本や学会誌なども見るようになった。子猫たちのする事なのでそのままにしておいた。子猫たちはきちんと本を読みたくなり、ある時、勝に、にゃーにゃーと本のページをめくってほしいと鳴いた。


勝は、邪魔くさいので簡単に、猫の手で簡単に押してページをめくる機械を直ぐに作ってあげた。新聞と学会誌用と本用の2台作った。子猫たちはその機械を猫の部屋において貰い、正一や正智から、にゃと鳴いて、読みたい本や学会誌を借りるようになった。正一も正智も気軽に貸してあげた。子猫たちとチャやココは、一緒に暮らしており、話もした。チャやココの見識や情報は幅広くなった。



香奈「この頃、チャも細かい取引をするんだよ。前はそれなりに儲けがある時しかしないのに、大した儲けがなくても印をつけるんだよ。連絡が増えて大変だよ。為替も変に細かいのよ。ココも細かいさやを良く見つけるよ。感心するよ。

「もう大儲けは出来ない事が判っているのかね。」
香奈
「そうかもしれないね。子猫たちもそれを横で見てるよ。」

「まさか教えているなんて事はないよね。」
香奈
そういう気もするね。第一、あの子猫たちは、良く経済の本も読むのよ。コシロも経済学の事は詳しかったけど、やっぱり血筋かね。」


猫は本を読めないよ。
香奈
「勝がページをめくる機械を作って、猫の部屋においたら、子猫たちは、みんなで読んでいるよ。時々みんなで、にゃーにゃーと議論しているらしいよ。そんな時にお手伝いさんが、部屋の掃除やお便所の掃除をしようとするとみんなで睨んで早くしろと言うみたいな顔をするらしいよ。

「生意気な子猫たちね。」





チャは、今まではそれなりの儲けがとれそうな局面で売りとか買いとかという表情をしたり、チャートに印を付けたりして香奈に知らせた。ココも突然上がりそうな株に印をつけ、一点買いが多かった。


コシロは若い頃はパソコンの画面を香奈と見たが、チャもココもパソコンの画面を見るのが嫌いだった。チャートや注文を印刷して貰い、香奈に連絡して貰っていた。それが、小さい利益でも注文するようになった。ココの印も複数に印をつけたりするようになった。