のら猫の三文小説

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香奈とコシロの子供たち No.172

2013-11-27 00:00:36 | 香奈とコシロの子供たち






スイスカナコイン

は年寄り運用チームと証券会社からの若者チームとに分かれ、それに猫たちも加わり、ありとあらゆる運用をしていた。香奈は運用枠を一定にして運用している積もりだったが、運用利益の25%づつ運用枠が増えていく設定となり、運用利益の15%が運用手数料となり、運用利益の数%をシステム使用料としてごきげんソフトに支払い、運用利益の25%を運用枠拡大に使用して、税処理して、会社経費そして、寄付、少しの配当などを引いた残りを会社保留に回していた。
















運用部門だけでなく、ビル部門、実業部門も別に保留していた。香奈の猫たちの上げた利益は、最初のオタスケーの時には、年寄り運用チームの運用利益と見なしていたが、年寄り運用チームも個人別の成績がはっきりとして、若い連中も入るようになるにつれて、香奈の猫たちの運用手数料部分は別勘定の変動準備金としておき、必要な時に運用部門以外の部門が貸りる形で使用できる事にした。もう運用枠は利益の25%拡大していったので、猫用の運用枠から借りる事もなくなった。

















証券研究所、微生物研究所も指導料などで利益を貰い、スイスカナコインとしては特に運用費補填もしていなかった。計上利益の10%をスイス財団に寄付し、5%をマリア財団に寄付していたが、それ以外では、従来から金を中心として、貴金属を購入するためと云って、計上利益の一部を貴金属準備金に回していた。元々スイスカナコインは、金、つまりゴールドを保管するための組織である筈だった。香奈の隠し金庫の会社の筈だったので、当然だった。しかし、ゴールドもたまり、いつも格安の値段でもなく、価格の上がり下がりも当然あるので、それを保全するためとか云って、金の先物にも金を使いだしていた。

















この貴金属準備金は、保有する貴金属ヘッジと称して、商品相場チームが貴金属相場もしていた。商品相場チームは、この貴金属準備金も使っていた。本来の商品相場チームの利益から貴金属準備金にも繰り入れたので、準備金が利益を上げる変な準備金だった。

















従来のように全体の利益から貴金属準備金に入れるお金は、段々少なくなっていた。それ以外は、特に使用していなかった。配当は利益の5%程度しか出さず、資本準備金などの準備金も特段に大きな設定をせず、おまけに奈津美がひ孫たちから調整して出資を集め、出資金は増え、保留金は増え、運用枠は増え、色々な会社の株も保有し、売買差益以外の保有株からの配当を運用とはみなす事も止め、こっそりと運用部門で働く人の固定給を支えるように変更して、運用チームの報酬の安定化を図った。


スイスカナコインは香奈の個人資産なので、出資していると、自分たちの取り分が増えるので、みんな競って、出資していた。

















ビルも相当利益を稼いで、その金で色々と不動産投資までして、スイスカナコインのお店まで利益をだし、実業部門は税金や会社経費などを除いて、貯まってくる金を使って、事業を拡張し、その利益はちゃっかり実業部門の保留利益として、更に事業を拡大していた。

















コッソリートたちの年寄りも、株式投資以外にも、証券研究所の兄ちゃんや姉ちゃんと共に株先物やデリバティブに取り組み、証券研究所は実務的な取引の研究に取り組み、運用利益から情報料を貰い、微生物研究所はかなり高い指導料を取り、資源問題も研究して、金を貯めていた。スイスカナコインは、もはや小さいジブトラストになっていた。







各部門も運営していく上で、自然な形でリーダーを選び、自然に部門会議などを行い、運営していた。誰が統一して運営しているか判らない不思議な組織だった。

















もっとも香奈には詳細に報告していたが、香奈は無理せずにやれるなら、いいわよとか言ったので、それが承認と云う事になった。香奈の猫たちも高水準で利益を上げていたが、香奈つまり猫たちの運用手数料は、別個の勘定のままスイスカナコインの利益となり、それが変動準備金になり、各部門の新規事業に貸し出すようになっていた。なんやかやとこの変動準備金は使われ、当然、香奈にも許可を求めていたが、香奈は無理せずにやれるなら、いいわよとか言ったので、それが承認と云う事になった。

















運用部門以外の各部門も好調になって、みんなの報酬も高くなり、社長の香奈が無報酬と云うのも、各部門のチーフ、つまり役員の報酬を上げる事もできないので、一番高い部門のチーフよりも高くように内部で調整して、それを香奈の報酬と考えて、変動準備金に上乗せする事にしていた。このようにすれば、各部門のチーフも利益に応じて、報酬も貰えた。

















香奈は実際には報酬なんぞは貰わなかったが、香奈の報酬や取引での香奈つまり猫たちはいくら稼いでいる筈だと云うのも明確になっていた。これが無言のプレッシャーを与えてはいたが、香奈はなんにも言わなかった。香奈つまり猫たちは盛んに取引していたし、スイスカナコインも詳細に報告していた。当然報告は綿密に読んでいると思っていた。取引はそれを参考にしているものだったし、時には更に改良された方法で取引している時もあった。

















香奈はスイスカナコインの情報は、ざっくり呼んで、参考にしてねと神子に渡しているだけだった。香奈も取引が赤字にもならない限り、真剣に見なかった。それに桁数については読み違う癖は若い時からだった。香奈はスイスカナコインは古い小さいビルで、年寄りたちがのんびり取引しているイメージに基づいて判断していた。




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