のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.632

2015-11-30 00:00:09 | 新しい子猫たち 


正人は、香奈から言われて、こうした話を組み立てた。彼らが断れない、旨みのあるストーリーを考えた。

正人には正人なりの考えがあった。正人と切人は、香奈のファミリーではあるが、お互いに認め合った間柄でもあった。

そんな甘い、単純な男ではないと、二人とも相手を見ていた。

切人の海外香奈の運営は非常に上手くて、保有する現金も多い、正人からみれば、もう少し、株式保有を増やしてもいいと思ってはいたが、切人は今が旬、高値と思うと直ぐに株式は処分する傾向が強かった。そのためキャッシュはいつも山のように持っているグループであった。

ただマリアのアフリカに対する思いがあって持続して保有しているのはアフリカとの関係の強い会社が圧倒的で、この会社群が伸びていた。

海外香奈の株式は魅力的ではあるが切人がいる限り、手だしはできない。それよりも香奈オーバーシーズの株式の保有割合を増やした方が得と思っていた

チャタロウやリトルチャのグループの株式はもっていても、手出しは元々出来ない。それよりもスイスカナキャットの保有している企業群は社会的にも名前が通っている会社があって、これらの会社をリトルキャット運用会社を経由して、香奈ファイナンシャルに移動させると、海外の資産管理会社が単なるペーパー会社から脱皮するができる。

実体のある会社を子会社としてもつ事が出来た。海外に金を節税しながら貯めたが、これらの会社群を実体のある会社にしておいた方が得と思っていた。

国内香奈といいながら、海外に実体のある幾つかの会社群を整備しておいた方が、単に資産管理会社を持っているよりも、これからは得ではないか、ペーパーカンパニーに金を貯めているとの非難がくる時代がくるかもしれないとの思いもあった。


正人が香奈にハイハイと言って従ったのにも理由はあったのだった。



新しい子猫たち No.631

2015-11-29 00:00:50 | 新しい子猫たち 



香奈は、チャタロウとリトルチャにも話は当然していた。香奈は珍しくチャタロウとリトルチャのオフィスに行って、協力を呼びかけた。チャタロウは加代子教の事は、リトルキャット九州の社長からもよく聞いていた、あんな事がアメリカでもできればいいですよね。我々が出来る余地は少ないかもしれませんが、できる限りの協力は、します。チャタロウは、元々いい奴、いやいい猫だったので簡単に済んだ



リトルチャの部屋にいって、同様の協力を要望した。リトルチャもチャタロウと同じように、直ぐに協力を快諾した。リトルチャのグループにはリトルチャ財団があって、自立支援事業は既にしていた。この事業を利用して更に拡大させた協力を、チャタロウと共に、協力していきますよとまで言った。



こうして、エンジェルポープネオ財団がアメリカでの支援事業を行うのに、全てのジブ関係企業、財団からの支援が得られる事になった。



この話にも、種も仕掛けも実はあった。



チャタロウやリトルチャのグループも実は、資本的にはリトルキャット運用会社の子会社だった。今ではリトルキャット運用会社より、両方のグループは大きくなってはいたが、資本的には完全子会社といえた。



リトルキャット運用会社は、国内香奈の香奈特別会計に属する、子会社であった。今では収益の一割をこのリトルキャット運用会社に支払い、完全な自主運営をする事で、リトルチャと正人は合意していた。



実はこの時に、正人からリトルチャとチャタロウの幹部、はっきりといえばお宝銀行の頭取とリトルキャット九州の社長に話があった。この二つのグループの根本の会社の株式の約半分を、スイスカナキャットに譲る、スイスカナキャットの保有している各種の会社の株式と交換したいと云う話があった。



スイスカナキャットは、広範囲な企業に、スイスカナコインと共同出資していた、スイスカナコイン医学研究所は今では先進的な製薬企業となっていた。しかもこの時の交換する株式からは除外されていた。交換する企業の株式は、どちらかといえば、ぱっとしない企業、図体はでかいが利益は上がらん会社、ただ支店数、支社数、関係子会社はなぜか多い会社、利益の割りに、株式の評価額としては高い会社だった、つまり値は張るが、利益は少ない会社だった。リトルチャとチャタロウグループの根幹の会社の資本金は案外すくなく、ここでの資産評価額も少なかった。つまりたいした会社の株式しか渡さず、重要な会社の株式との交換だった。



しかも配当は利益の10%の約束も、自由に配当を決めてもいい事になった。



スイスカナキャットを支配している、リトルチャとチャタロウの親の、チャにも快諾してもらっていると言っていた。



話としては巧すぎる話であった。



スイスカナキャットの株主は、香奈といっても香奈の独自の資産管理会社であって、香奈直系しか株主にはならない会社、そして香奈オフィス、特別に香奈の孫の奈津実であった。



香奈の資産会社といっても香奈の言い分が絶対的であって、香奈はこの会社は、猫たちの資産である事をこの資産会社の定款にもいれている程の資産会社、香奈オフィスとは株式の相互持合いまでしている会社であった。奈津実も独自の資産管理会社にこのスイスカナキャットの株式を移行させて、定款にも猫たちの会社である事を明記していた。



まさしく猫たちの会社がスイスカナキャットであって、貴重な財産といえた、スイスカナコイン医学研究所の株式は、この交換からは省いていた。



あまりの話に、お宝銀行の頭取は、悪徳弁護士を呼び、悪徳弁護士も頭の切れて商法に強い奴らを呼んで、どこかに落とし穴があるか調べていた。お宝銀行の頭取は一応、こういう話があったとリトルチャには伝えていた。



リトルキャット九州の社長は、うますぎる話に吃驚して清香の法律事務所に、分析を頼った。具体的な内容が自分自身で把握できず、チャタロウにも報告できていなかった。



リトルチャが香奈からの話を聞いた時に直ぐに香奈の真意がわかった。香奈は本気なのだ。だからこんなお駄賃をくれるのだ。それに香奈としては何の損もない話で、元々香奈は猫たちの会社の実権を握り、叩き売ろうとも思ってはいない、ただこうする事でリトルチャやチャタロウも安心できるだろうという気持ちだった。






新しい子猫たち No.630

2015-11-28 00:01:48 | 新しい子猫たち 



ただ切人系の運用会社が作った、財団のアフリカ系移民への支援は形だけと云ってもよかった。



こうした財団の別財布としての価値を切人は当然判り、名目としてアフリカ系移民の支援とかにした。



アフリカ系移民を組織した団体はいくつかあってその団体に支援と称して、金を渡しているのにすぎなかった。とてもマリアにアフリカ系移民に支援しているともいえないので、切人は黙っていた。



話によれば、神帥がこの協力体制を構築するらしい。神帥の所は、口だけ達者の奴ばかりだけど、少なくとも社会支援の方法はよく判っているだろう。香奈の気持ちは今度は本気だから、何かしないと収まらない。形作りは、神帥の得意技だから、なんとかするだろうと切人は思っていた



ただマリアは切人系の組織のシンボルで、欧州にもアメリカの会社にも当然会長となっていた。



マリアはアメリカの切人系の運用会社での自分の名目的な地位に対してもらう報酬の3割をこの社会保障財団に寄付したいと言い出した。



マリアにも弁護士、税理士などのチームがいて、マリアは過去の経緯で、香奈の抱えるこうしたチームに処理を依頼していた。



切人は個人としても会社としても独立したこうしたチームを持っていて、このチームに任せてとマリアに頼んでいたが、今までずっと面倒みてくれた人たちに不義理する訳にはいかないと、マリアは頑固だった。



マリアのチームと云っても、こいつらは香奈の顧問団と云うか、香奈のチームなので、財団の収支報告、活動報告はこいつらも見る。香奈にも報告される可能性がある。



香奈の情報収集能力は、非常に高い。切人がアフリカ系の移民に対する支援をするための社会保障財団を作ったのも知っていた。香奈対策のためにナニをしたらいいのだろうと、この時、切人は、思っていた。






新しい子猫たち No.629

2015-11-27 00:00:27 | 新しい子猫たち 

切人は遺産目当てで動く奴ではなかった。それに香奈の遺産は、切人では遠縁すぎた。







でも切人は香奈から言われると即座に、我々の所ではアメリカでのアフリカ系の移民に対する支援をしているので、それを拡充していきます、ジブアメリカとも連絡を密にしますと返答した。







香奈はマリアに先に言った。マリアは素直に感動して、アメリカでのアフリカ系の移民への支援事業を、アメリカの切人系の運用会社が作った財団でしているとは私はよく知らなかった。切人もする事はしているのだと感心しました。切人にもよく言っておきますとマリアは返答していた







切人はアフリカに対するマリアの思いを大切にしてマリア財団への寄付は続けて、拡充してきた男だった。マリアからの話を受けて、承諾していた、単にゼニ金だけの男ではないといいたい所だったが、少し種も仕掛けもあった。







元々マリアは、香奈から支援を受けて、海外香奈を作った。はっきりといえば、国内香奈の子会社に近いのが、海外香奈だった。







それを切人が儲けて、海外香奈は金が一杯貯まっていた。あまりに金が貯まっていたので、もう一つの大きな銀行を香奈ファイナンシャルが買収する時に、香奈オーバーシーズを作り、ここが、もう一つの大きな銀行を支援して、株式も二束三文の金で買った。支援と称した融資は銀行が立ち直ると返済された。つまり香奈オーバーシーズには金が溢れた。正人はその金をもう一つの銀行との協調融資に行うなどをして、更に金は増えた。







香奈オーバーシーズの株式は、国内香奈と海外香奈とが対等で出していた。







ただ正人と切人が話し合って、国内香奈が保有している海外香奈の株式と海外香奈が保有している香奈オーバーシーズの株式とを相互に交換する事にしていた。ただそれでも海外香奈の株式は、まだ相当程度国内香奈が持っていたが、海外に別の国内香奈の子会社を作り、その会社の運営を切人に任せた、この会社には国内香奈が保有している、海外香奈の株式を移行させていた。







香奈は海外香奈の運営を切人に任せていた。ただ任せていても、この会社は国内香奈の子会社である事には違いなかった。







この時に、正人は、海外香奈が保有していて、まだ残っている香奈オーバーシーズの株式この海外香奈の株式を保有している子会社の株式とを交換していく事を、正人は切人に提案していた。







実際には、海外香奈は切人がしたいように運営していたが、この株式を保有する、国内香奈の小会社の保有している、海外香奈の株式は相当程度あった。切人が名目ともに独立していくには、この株式が欲しかった、香奈オーバーシーズは金がある会社ではあるが、正人が実権を握っていて、しかも今は海外香奈は少数比率。こんな株式よりも海外香奈の株式を保有する会社の株式が欲しいに決まっていた。







見た目には普通の株式交換ではあるが、正人にとっては、既に実権を握り、今では少数比率の香奈オーバーシーズの海外香奈の株式の価値と、莫大な資産を持っていて配当も高い、海外香奈の株式を保有している子会社の株式を比較すれば、子会社の株式が貴重であるのは判りきった話なのに、正人がなぜこんな提案をするのか、切人は疑問に思っていた。







香奈の話があった時に、正人がなぜこんな株式交換を提案したのか、ワカラン男では切人はなかった。







香奈の指図なのだ、今度の話を受けて協力するお駄賃が、この株式交換だと切人は思った。










新しい子猫たち No.628

2015-11-25 00:00:32 | 新しい子猫たち 





この神帥の所は、頭が切れて、口も達者、弁護士も経理士、税理士たちも揃っていた。神帥は、頭が切れたので、別財布のような社会保障財団は複数もっていた。節税にはなるし、神帥は複数の実業会社の大株主であった。いくつかの株をこうした財団名義にすると、税金は安くなるし、万一の時の相続税も助かる、株の分散もしないのだった。







ただ直接的な社会保障には手を出さず、社会保障事業、社会保障そのものの研究とかをさせて、複数の社会保障団体を選んで、補助費を渡すという方法を取った。ゼニは限定的ですんだ。社会保障事業には詳しく、口だけ達者と云う連中が揃っていた。







神帥は神之助から、ジブグループのアメリカで補助している社会保障関係財団をまとめ、加代子の所の、エンジェルホープネオ財団が、日本の加代子教のような事業を成功するのを補助しろと云う命令には、素直に従った。







出来ない、そんな事がアメリカでできるか とは思ったが、実験的な試みが成功するように調整しますと、言葉には出た。







敷地内、いや冶部一族の資産家としては、香奈、神之助そして加代子が有名だった。香奈の資産は本人も、顧問弁護士、経理士も把握できていない程の資産があるが、神之助も同様に把握できない程の資産を持っていた。







神之助には、息子は二人、娘は一人いた。神之助が娘の神香を可愛がっているのは有名だった。神帥はどちらかと云うと、よく思われていないと自覚していた。







神之助の資産は膨大で、資産管理会社も多い、その資産管理会社が新規に発行する株式、金あまっている会社がなぜか増資と称する新規株を発行する時に、株を買ってもいいよというのが、資産相続の一つの形だった。元々金あまっているので、何かの口実がないと出来ない。口実見つけて発行していた。







神香が多いのは仕方ない。しかし、最近、明らかに神帥が負担する新規発行の株式は少ない。神元よりも少ない気がした。







敷地内では、人は簡単には死なないが、人間は不死身でもない。突然と神之助が亡くなった時の対応は、妻の舞子が弁護士たちと相談して行う事に、神帥も同意させられていた。







資産継承の一つである、資産管理会社群への増資分が少ないと明らかに不利と判らん、神帥ではなかった。ここは神之助にアピールしておく時期だと判断した。







神子も三人程ではないが、敷地内では有数の資産家、しかも神子は息子の陽太を可愛がっていた。神代も頭が切れた、ここで逆らうようなバカではなかった。元々社会福祉や慈善事業を行う財団は持っていた、例の税金免除で社会保障関係財団に寄付する時にもごっそりと寄付した事になっていた。神代も神子から言われた時には、私の所もできる限りの協力はしますと言葉では出た。