のら猫の三文小説

のら猫が書いている、小説です。
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新しい子猫たち No.2101

2022-01-31 00:31:01 | 新しい子猫たち 
アイツと 有希の娘 との仲は 一時 ギクシャクしたが そこは男女の仲でもあり アイツには子分はいても友達はいない、政則は双子の兄弟なのに 仲は良くないと云うか 満足に話もしない。ドッチもアイツは根性が悪いと思っていた。結局 有希の娘 程度しか話が出来ないのだ。


ナンダカンダとあって 又 子供が出来た。子供は二人とも女の子


アイツは 子供は可愛がった


そして 商会の闇に潜む 悪魔 とまで言われた アイツが少しずつ 変わっていったのは

青不動さんの御威光 よりも子供の成長と共に変わっていった。


まあ それが本当の青不動さんの御威光なんだったが。

新しい子猫たち No.2100

2022-01-30 00:28:44 | 新しい子猫たち 
洋治は リトルキャット勢を高く評価し これを化学の助けにならないかと思って出資したのであった。チャタロウも 化学グループを利用しようと考えた。リトルチャはもっと深く考えた。ただ表面的には 治部一族の代表とも云える紡績との関係を暗に上げて 香奈に説得した。香奈もリトルチャとかチャタロウの真意も判り 納得していた。それに猫たちと敷地内の治部一族の有力な家系と仲良くする事は好ましいと香奈が考えたのは無理はない。


化学は実に多岐に判る子会社群を持っている、紡績の子会社対策を知って色々と考えた、紡績はあまりの社員福祉をしているために、その負担のない子会社群を作らないと始まらないし、気概のある若手に 起業と云うか独立と云うか子会社になってみないかの道を提示していた。資本も出してもらえて中心とした技術を使えようにした。そしてそれは成功していった。そのために紡績の中央研究所は基礎となる技術を貸し出した。中央研究所は世界で有数の化学系研究所となったが 初めは知財対策で充実しようとしたものでもなく 単純に紡績クループの技術的な柱になろうとしたものだった。


そして 幾つかの研究ベンチャー企業と手を結び 益々大きくなっていった。当然そういう人材も会長室で抱えている。紡績の会長室は 洋太郎の秘書では毛頭ない


洋治を介して 紡績グループとも猫資本は協力関係を結んだ。洋治も仲介していった。洋治は色々と多様な業界についての知識は深かった。化学の会長は折に触れて 洋治と連絡を取り 相談したが 挨拶なんかではなかったのだ。


猫資本と 化学との協力関係も 当然 こっそりと進んだ。リトルチャグループは業務は多岐に渡るが金融資本としても実は大手なのだ。そしてリトルチャは神之助とも親しく、神之助グループは海外の銀行グループを持っているがそれほとんどは 投資銀行。金持ちたちの資産運用を助けている銀行なのだ。海外進出の時に大変役に立つのだった。


有希エンタープライズを実質的に預かった アイツは当然 これらの関係を利用していった。直接的な販売網を持つ チャタロウグループとの協力関係は深く、有希エンタープライズの社員福祉は知らない間にチャタロウグループと近似していった。アイツもそれは初め 渋々認めたが その有効性に気が付いて チャタロウグループでは考えていない業務としても役に立つように工夫していった。


ただアイツは自分の悪名を むしろ利用したいタイプだったので それはこっそりとしていた。大体 有力ブランドの実質的なオーナーはどこかなんか人は気にしない。そして会社として宣伝もしないし、社員たちも外部にたいして話す事は少ないのだ。もっとも 有希でさえ 有希エンタープライズの社員福祉が そんなに進んでいるとは思っていなかった。

新しい子猫たち No.2099

2022-01-29 00:24:24 | 新しい子猫たち 
洋治は 洋之助家系の人たちが保有していた上場企業の株式を預かり つまりその株式を出資してもらって 運用している会社を担当している。株式の分散と相続税対策も兼ねている。それぞれに歴史的な経緯があって保有しているので、上がったら売るとかは本質的にしない。会社と云っても専任の社員もまあいない。有希エンタープライズの管理の兼任としている。何もしない時の方が多い。非上場の紡績は洋太郎が運営している資産管理会社が担当しているが実際には紡績の会長室の人が兼任している。基本的に非上場の株式は ほとんどは紡績の株式でもあったが 安いよの株式の価値は増大してきていた。


ただ配当等はここの会社に一時入り、それを元々の保有している人たちに分配する。そこそこの資産もこの会社が持っている。この会社は上場企業専門の筈がリトルチャとかチャタロウグループの会社に 少額だけど出資もしている。リトルチャたちの猫 資本は 香奈の猫専門の資産管理会社の出資がほとんどだけど、香奈がナニかあった時の対応として 株式は多少分散させている。香奈もリトルチャとチャタロウからの意見を聞き納得していた。ココもチャも その考えの深さを知って唖然とした。しかも譲渡には特殊な制限もあるし 知る人ぞ知る事実。


洋治は猫たちと親しくなっていた。洋治は特に大手のどこどこの会社の役員ではないが 料理得意な ニートのジイサンではない。

新しい子猫たち No.2098

2022-01-28 00:21:28 | 新しい子猫たち 
商会は治部一族と歴史的な関係は深いのに こうして洋太郎の家系と云うか 広く洋之助一門まで広げても 役員会には もはや治部一族はいなくなった。もっとも名前だけアイツはまだ 非常勤の役員だったが 決して役員会には出ない役員。アイツと商会との手打ちの結果でそういう事になった。有希も歳で出れなくなったし、形としても辞めていた


今は各家系として誰も役員にはなろうと思う人はいない


一方 鉄鋼は、純子の長男が統合したような会社だったが 恵の旦那たちが役員をしていた事もあって 恵の家系が良好な関係を築いているのだが 今の恵の家系ではこうしたビジネス感覚のある若手がそもそも少ない。

医者とか先生が多く、尚かつ 家系の資産管理会社でもある 治部ビルでさえ 恵は盛んに小夜の尻を叩くが 恵に誰か育ててよ と言うが、小夜ははっきりと言っていた。今の治部ビルのレベルは高く、そのレベルの高い 役員 幹部が務まる奴は見当たらない、いないものはいない。元々小夜が日本の商業用ビル業界の女帝と云われたようになったのも偶然と時代背景もあるが小夜の努力もある。そんなガッツがそもそも みんなにない。多少の事は目を瞑る 治部ビルでさえ 頑張ろうと云う奴が少ないのに 競争の激しい鉄鋼に行くと云う選択すら みんな しない。


治部一族が絡んだ会社として特殊鋼を作る会社があって、それと合併したので その分野では治部一族はいる、同じ社名でも 別の会社と等しい。それに一般鋼ではアフリカカミカミの鉄鋼は 良質で安価に徹していて 利益は薄いが他の会社では対抗しようとも思わなくなっていた。実質的には治部一族からは離れられなくても 個々の個人としての治部一族との関係は薄れた


歴史的関係から 名前としての役員は鉄鋼にいても 実際の役員はいない有様。他の家系は寄ってもこない。


治部一族と歴史的関係があって 株式をそこそこまだ保有していても それぞれの家系にとって重要な資産管理会社も兼ねている ような会社に 一族の中で数少ないビジネス感覚のある奴は集約していく傾向があった


たいていジブトラストも株式を持っていて ジブトラストとしての役員派遣とか ジブ総研に会社の状況を検討させるように変わっていた

新しい子猫たち No.2097

2022-01-27 00:18:10 | 新しい子猫たち 
治部一族にとっては 鉄鋼と商会は いわば特別な思いがある会社


純子は 日本の経済の為に 貿易を担当できる会社 単なる仲介を超える会社として商会を作った。そして広く財界全体に開放して一緒に日本の経済を発展させようとしたのだった。治部一族の会社とはしなかった。人事も治部一族のための人事はしなかった


ただそれだけに かえって 洋之助は治部一族の会社にしたかった。洋之助は影の天皇みたいに商会に君臨したが 紡績の代表から離れられない洋之助には 商会の社長は出来ない。そして こっそりと期待していた洋太郎は 紡績の精神みたいになってしまった。紡績は純子ですら 大切にしていたと云うか 愛を持っていた会社なので それはそれで仕方なかった


洋太郎もその思いが遺伝していて 息子の太郎に期待していたのだ。ただ オカシナ下ネタ話で失脚してしまった。本質的に権謀術策の人であった洋太郎は 黒幕は アイツが怪しいと思った。ただ養子とは云え アイツも一応治部一族 弟の洋治の義理の息子とさえ言える。事を荒立てる事にはしなかった。アイツも ワシが黒幕ちゃいまっせ と太郎失脚を主導した奴らを人事的に惨殺していった。あまりの無慈悲なやり方に 洋太郎が救いに入る事になった。アイツを刺激すると被害者が出るとさえ思ったのだ


ただ太郎は 奥さんの正子と話し合って アフリカに アフリカカミカミのグループを作った。洋太郎が見ていると アフリカカミカミはアフリカにおける 紡績とも云えた 業種は違うが 紡績の精神 太郎が紡績について感じた、紡績の精神を引き継いでいた。商会はいわばゼニ儲けの会社 紡績の精神では出来ないし、ポッタクリみたいな事もする 商売人には紡績の精神を守れとは言えない。太郎にとって慣れない商売で商会の社長を務めるよりは 紡績の精神を引き継いだアフリカカミカミを支えた事は 太郎にとっても よかったのかもしれないと思いなおすようになった


ただアイツと洋太郎の思いが微妙に交差して 地域医療に貢献する財団に 商会が寄付を増やす事になった。洋太郎は苦笑いして、この一件はもう 忘れる事にした。太郎も敏感に感じ取り、この財団にたいして 正子のカミカミから寄付をしてもらった。

洋太郎とアイツ そして太郎との間のいわば手打ちだった。


ただ商会の幹部たちにとっては怖くてこの問題に立ち入れない。この寄付を減らすと洋太郎から冷たく見られる。商会の影の悪魔と云われたアイツも刺激する。いつしか 商会は 日本の地域医療に貢献する会社になってしまった。商会の幹部と云うか普通の社員ですら 助けられた人から感謝の気持ちを伝えられるようになって、今までの背景とは別に とても削減できなくなった。


そして 洋太郎はこれで良かったのかもしれない と思うようになった。純子さんの思いは治部一族が商会を牛耳る事ではなく、商会が日本に貢献できるように作った。治部一族の会社にしたくて作ったワケではなかった。思惑のすれ違いからとは云え、この商会が 日本の地域医療に少しでも貢献できる結果になった。正しく 純子さんの精神を引き継いだ結果になった と洋太郎は思っていた。そして誰か商会に送り込むと云う考えは捨てた。自分の家系では紡績を守るだけで精一杯だったし、商会がそういう選択肢を取っている限り 特に云う事はない。