のら猫の三文小説

のら猫が書いている、小説です。
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新しい子猫たち No.2126

2022-02-28 00:01:43 | 新しい子猫たち 
ただエンゼルホープ病院の財政基盤は安定していて地域医療は依然として赤字だったがそれは財政問題としては大きくは響かない。商会を始めとして色々に団体からの寄付もある。エンゼルホープ病院だけの理由でどうにも出来ない。グチグチと 寄付が集まりにくい、地域医療に関わらないで、金持ちの主治医みたいな存在で納得してもらえば もっと金は残ると云っても始まらない。緊急医療にも関わる事で医療の最先端を維持しつづける事が出来たし 地域医療に関与する事でエンゼルホープ病院としても全体として医療の質は上がった事は否定できない


タックスヘイブンの資産だけでなくカヨコファイナンシャルとしても財政的に安定していけるのは、こうして医療体制が充実している、お陰と言われると反論も出来なかった


加代子のアメリカの会社の責任者からは、こうした事業が運営できているのは、君たちがよくやっているからだと十分知っているが、元々金儲けで医療ビジネスをしているのではないので、金になるとかナランとかで グチグチと云うのは止めてもらいたいとまで言われる始末


それにカヨコファイナンシャル自体 ジブシティーに集まってきた資産家たちの金の守り役としての働き方もしていた。たいした儲けではないが、それはそれなりに面白い、加代子の日本における資産の運用だけをしていた時よりも面白い。


結局まさかの為にタックスヘイブンに置いていた資産管理会社の金は減らず返って増え続け、地域医療関係で大きな出費が出た時に動かす予定なのだったが カヨコファイナンシャル自体 少しとは云え他の顧客の管理で利益が出て、その上 神之助とか神子のグループへの運用委託は もう大きくは儲けられないのであるが儲けはあった。要するにカヨコファイナンシャルとしては黒字が安定しているのであった


地域医療関係で多少赤字となっても全体には響かないし、加代子に言っても加代子のアメリカの責任者に言っても(* ̄- ̄)ふ~んで終わってしまうのであった。連中にとっても特定の病院、エンゼルホープ病院だげでは簡単と云うには語弊があるがナントカ出来た寄付による運営体制が 地域医療になると寄付だけによる医療の運営には限界はあると判った。

新しい子猫たち No.2125

2022-02-27 00:01:43 | 新しい子猫たち 
神之助グループの投資銀行 の古くからの顧客は いわば神之助の魔法のような運用を見てきた。日本のエンゼルホープ病院が出来つあった時代は面白いように 神之助は儲けた。エンゼルホープ病院の初期はこの運用による収益で支えたと云っても過言ではなかった。もっとも神之助グループが世界でも有数の運用グループとして知られていき この顧客も神之助グループの投資銀行の顧客になった時でもあった。ウハウハとしている時代でもあった。


ただ 古くからの顧客は知った。エンゼルホープ病院の財政基盤が固まりだすにつれ、神之助グループの魔法も落ちてきた。昔ほど儲からなくなった


ただその後も収益は変動し 儲かっている時は エンゼルホープ病院の財政にやや問題がある時なのだ。


そしてこの顧客は判ってきた。自己の利益だけを求めている時はたいして儲からない。神之助グループが儲ける時は 儲けた金の一部が社会にとって有用に使われる時なのだった


疑心暗鬼ではあったが この顧客も寄付してみた。その寄付の額よりは儲けられた。


自分の利益だけを求める時はそれ程儲けられない。儲けが社会に有用に使われる時に儲けられる。


ただこうした古い顧客たちは ジブシティーに移住したり、家族が亡くなっていき、その人も亡くなってしまった。それでもこの風習は 誰が言ったのか判らないが 良く知られるようになり いつしか定着した。


神之助グループの投資銀行の古くからの顧客はいつしか社会福祉事業に寄付する人が多く、勿論寄付しない人もいたが ドーンと損して運用の世界から消えていくのであった。今の有力な顧客はほとんどが寄付するようになった


神之助は投資と云うか投機の神様のように言われるが、運用に必要なゼニを出してきた顧客たちは知っていた。神之助のマジックは社会に有用な金を提供していたから起きた魔法なのかも知れない。


神之助も自己資金だけで十分なのに こうした投資銀行の顧客から運用を請け負う事を止めないのも広く社会に必要な金を提供し続けるためかもしれない。神之助だけの考えだけでなく顧客その人が考えて提供していけるためかもしれない。

新しい子猫たち No.2124

2022-02-26 00:59:09 | 新しい子猫たち 
商会の役員会ではあっさりと通った


ナント アイツが社長と経理担当重役に直接電話していた。綺麗すぎる話とは思ったが アイツに反対しても何の得にもならない。

そしてこの話が世に出た時には 洋太郎から直接 お褒めの言葉があった。社長も洋太郎からこんな お褒めの言葉を受けた経験がなかった


むしろ カヨコファイナンシャルの奴らは渋った、折角地域医療そのものの赤字は小さくなって安定してきた所、更なる出費は痛手となる。ただ幼児がこうした事で亡くなっては 神三郎は この提案に乗るのは確実、神三郎が賛成するのに反対しては加代子に睨まれる


そして結局 カヨコファイナンシャルにとっては大きな持ち出しとなった。ただ一時急増した赤字もそれなりに落ちてきた。エンゼルホープ病院単体、と云うか 本院 大阪 そして九州分院 は今や 大きな黒字なのだった。 世界中の金持ちがこれらの病院をアテにしていて、寄付は伸びていた


今回この事業を始まるのに 神之助と相談して タックスヘイブンの資産管理会社から神之助グループに新しい運用委託も始めた。赤字が急増した時の準備の積りだったが。神之助グループは世界の投資銀行とも協力して運用して、思いがけなく利益が出た。儲けが出た顧客は古くからの顧客、エンゼルホープ病院系の寄付も忘れなかった。まわりまわって アメリカのエンゼルホープ病院の寄付が増えた

新しい子猫たち No.2123

2022-02-25 00:56:37 | 新しい子猫たち 
アイツが変わってきているのは 商会時代の部下たちには判っていた。アイツの怖さも当然知っていた。綺麗なバラには刺がある。昔はそんなに綺麗ごとは言わないが人智を超えた権謀術策の凄さは知っていた。


アイツの部下系列の新規事業で思わず 儲かった。当初 そんなに巧くいくとは考えないで利益率を高く想定していたが、それが上手く行きすぎた。ポッタクリとの非難が出てくるのは容易に想像できた


たまたま 子供と云うか乳児が体調悪いのに金がないと病院に連れて行けず、亡くなる事件が起きた。アイツの部下系列は考えた。ポッタクリの非難が出る前に価格を下げるのは常道だが。今回はアイツの部下はアイツと相談して 各種の社会福祉団体 それもジブ系列 加代子教 とか恵の財団系列と話をつけて 商会からの寄付の財団を作り それと話し合った。


価格を下がる時の説明として 当初の見込みよりも 多くの皆さんに評価して貰った。利益の中の三割をベースに 社会に役立てる財団を作る事にした。恵の財団を始めとして多くの社会福祉法人の協力も頂けた。


体調が悪くなったら 金の心配よりも まず病院と相談して欲しい。金の工面はこの財団がする。エンゼルホープ病院は元々 金関係なしに診察する 系列病院も全国で増えてきました。そこを利用してください。

新しい子猫たち No.2122

2022-02-24 00:54:36 | 新しい子猫たち 
アイツは人を教える なんて事は本来は好きではない。自分の力で つかみ取ってこその財産 だいたい上からの教えで役に立つ事なぞないとすら思っていた。ただ今度は娘の婿に対する アイツなりの助言で 真に迫っていた、アイツなりに自分の半生についての反省もあった。


目先の利益は目先の利益 結局活きるのは 相手にも役に立つ事でしかない、付き合って不利益になるのが判って 付き合う馬鹿はいない、権力はコロコロと変わる 反対しろとは言わないが いつも権力迎合していると ソイツが没落するとえらい目にあう


紡績とか化学 に流れる愛の精神は表向きだけの理由ではない。純子さんは そんな単純な人ではなく 明治の偉人、葛藤の末 結局行きついたのが純子さんの 愛の精神なのだ


娘婿は アホではなく それが判り 周りの連中も判ってきた。元々素直で優秀でないと紡績とか化学の社員にはなれない。その中で実力に自信のある連中なので 真意が判りだすと早かった


アイツは洋治には言っていた。紡績とか化学の社員は元々素直で優秀、気がつくのが早いのです。私の教育の成果ではないです。単に彼らが気が付くように仕向けただけです。


洋治はそれが大切なんだよ、君としての反省も入っているようだし、君がこんな教育に向いているとは私としても想定外だよ。多少は期待していたのは事実だけど こんなに上手くいくとはね