のら猫の三文小説

のら猫が書いている、小説です。
質問があれば
gmailのnaosukikan
まで連絡ください

香奈とコシロの子供たち No.219

2014-01-13 00:00:27 | 香奈とコシロの子供たち


そして未知の領域に



香奈は、自分亡き後のジブトラストの事を考えて、対策をとっていたが、120才になってもまだまだ元気だった。むしろ以前より若くなったような気がしていた。



もうそんなに後の事を考えなくなった。みんな、自分の役割は違うのだ、新しい世代もそれぞれの役割がある。みんなが自分の役割を果たしていけば、いいと思っていた。



香奈は、元気なうちは、頑張るのだと言いきかせていた。それに毎日充実していた。チャやココも、猫にしては超高齢だったが、益々元気だった。性格の悪いリトルチャも孫も出来て、少しずつ角がとれ、リトルホワイトはコシロと違い、遠くから香奈を見ているようだったが、目線は優しかった。



ナターシャはジブシティーに良くいったが、香奈に会うと笑顔で微笑んだり、お辞儀するような猫になった。チビ助はいつも香奈の側にいた。香奈が根を詰めないように、疲れないように気配りしていた。




神太朗の計画




神太郎は香奈の体制変更案に賛同して、ジブ傘下の企業と連絡を取り、アドバイスして、それぞれ企業価値を高めるようにしていた。神太朗は実業部門での協力関係を強め、ジブの実業部門ネットワークを高めて、各会社は更に発展しつつあった。



もはやジブトラストは、切った、張ったの運用会社を脱皮して、保有している企業を発展させる事によって、資産価値の向上を目指す集団にもなるべきだと神太朗は考えていた。



そうなれば神一の一族の銀行やもう一つの大きな銀行とも新しい協力関係も築けるとも考えていた。


なんやかやといいながら、ジブトラストグループには、関係する銀行が3行、証券会社ネットワークも神太朗の証券会社系列とスイスカナコイングループがあった。



為替専門の神帥たちが主力の会社も、神之助チームから独立した会社も取り込み、神之助は勿論、加代子や切人たちからも出資を集め、大きな為替専門会社になっていった。



ヨーロッパでも神之助チームから独立した人の会社を中心とした為替専門会社に神之助、神元そして切人たちが出資する為替専門会社がロンドンに出来、神太朗の証券会社系列になっていた。それ以外にも、スイスを拠点とするスイスカナコイン系列の為替専門会社もスイスカナコインのみならず、ジブスイス、ジブカミスイス、切人たちのスイスの会社、ジブトラストスイス金融センター等を関係する企業からの為替処理を行っていた。



商品関係では、相場関係から、農園から現物の食品原料の動きなどの実需の流れの調整を行う会社までも、アメリカとヨーロッパそしてブラジルを中心とした南米に本拠をおき、貴金属や資源なども香奈オフィスそして毛利貴金属などとも協力関係を築いていた。



もう関連する企業は滅多やたらに、多数存在していた。それに元々からの一族の会社もそれぞれ活発に活動していた。これらの企業が協調していくためにも、統合のシンボルとしての香奈の存在は大きかった。



香奈の判断であれば、ジブトラスト全体が従っていた。スイスカナコイングループは、香奈直轄に近く、香奈の了解があれば、協力してくれていたし、香奈から直接の指示でもあれば、全面的に協力を惜しまなかった。



実際、香奈がいなくなった時には、どうなるかまだ神太郎にはまとめていく自信はなかったが、香奈が健在である間にこの協力関係をより強力なものに進めていこうと考えていた。




一方、神子も香奈の存在がより一層大きく光り、その後が予測しにくい事に驚いていた。神子は20年位の先が読めたのに、まだ濃い靄がかかっていた。




神之助は円高の阻止を頼まれていたが、長期的にはやはり、円高だと思っていた。急激な円高は防いでいたが、やはり円資産を少しずつ増やしていた、神子にもそう言っていた。神子も、一時は子会社の配当率を下げて、海外子会社での保留を上げる事を考えていたが、以前のような配当率を維持して、日本に送金して貰うようにしていた。




香奈は、今日もチビ助をつれて、ジブトラストに通っていた。その後に、多くの子供たちと子猫の子猫や子猫の子猫の子猫たち、子猫の子猫の子猫の子猫たちが、研究所や大学院大学に通うために、ついている事も知っていた。もっと小さい子供たちも外で、元気に遊んでいた。香奈は、若い世代が多様な知識を身に付けて、新しい時代は新しい人たちが切り開く事を信じていた。



青不動さんも大元帥明王さんも今後の事は何も言わなかった。元々無口なお地蔵さんも黙っていた。でもお地蔵さんが地蔵堂で神香と一緒に歌っている「明日はきっといい日になる」や「明日も太陽は輝く」の歌声は、明るかった。




香奈を見守ってくれた猫のコシロは、60年以上生きた。コシロの子供のチャもココも元気で、チャやココにも子猫が出来、そしてこの子猫にも子猫が出来、その子猫にも子猫も出来、その又子猫にも子猫が出来ていた。




分岐状の水やリング状の水などに後押しされて、香奈は、これからもみんなの応援をして、力の限り、頑張ろうと思っていた。香奈は益々元気で忙しかった。



人は、勝手に生きてるのではない、この世でやるべき仕事をするために生まれてきたと言った神太朗の言葉を思いだしながら、今日ものんびり、頑張る香奈であった。


次平の挑戦は、子孫たちに引き継がれ、治部の挑戦は、まだまだ続いていた。


香奈とコシロの子供たち No.218

2014-01-12 00:05:37 | 香奈とコシロの子供たち
意外な展開




スイスカナコインと香奈オフィスとの合弁の資源開発会社では、ヨーロッパでも、このレアメタルの鉱脈をいくつか見つけていた。



牧場の下はともかく、金の廃坑の奥は、金以外にこのレアメタルが大量に取れる事も判った。ただ金を食う、例の細菌の増殖も、ここの廃坑とは、他の廃坑とは違っていた。


そして表面に出来る金の純度が違う事も気になった。スイスの例の金の廃坑では、金を食う細菌の増殖は盛んで、ほとんど純金に近く、層も厚いのに、他の廃坑では表面だけとか純度も低かったりしていた。



精製方法を検討して、香奈オフィスからかなりの技術指導料も貰い、その後の金の採掘にも協力してきた実績もあった。金の採掘もあるだけ掘ってしまうものでもなかった。金の価格は結構変動していた。第一、スイスカナコイン自身が金も保有しているので、そこは慎重だったので、結局ほとんど金は採掘していなかった。



この金の廃坑には、金とあのレアメタルとがあった。あの金を食べる細菌はもう勝手に繁殖していき、廃坑どころか金が高純度で厚い層になっていた。このレアメタルもその下の層に蓄積され、純度も高くなっていた。



何かこのレアメタルそのものと、微生物との関係があると思い、微生物研究所が独自に研究していた。微生物研究所は、このレアメタルは細胞の生育促進因子であると報告した。



細胞は分裂していくが、ある段階から分裂した細胞は劣化していくが、このレアメタルがあれば、その分裂した細胞は劣化ではなく進化し、遺伝子の複製エラー頻度も極端に低下していた。それに病原性微生物の病原性部分は分裂する度に、病原性がなくなって行く事も判った。



微生物以外にも医学的な研究が必要だ、ただしこのレアメタルの機能は、一定の自由水濃度以上になった時に加速すると報告してきた。



一方、スイスカナコインは、以前からジブスイス財団から自前の病院も必要との要望に応えて、市内に病院を建設中だった。香奈には既に病院と付属する研究所の建設許可はとっくに貰っていた。



香奈は日本の財団の事を考えていたので、無理せずに維持できる程度にしなさいよ。維持費もいるしねと言いながら、許可していた。もうすぐ建設は終わるので、医師とか研究員の人選を既に終わっていた。



就任予定の薬理研究者は、微生物研究所の報告を見て、研究計画を練っていた。レアメタルの効果を分子的に検証したいとまだ高価だった可視化分子顕微鏡の最新モデルも購入していた。最新モデルは、今や静的な分子構造を見るだけでなく、反応時の動的分子構造の変化をモニタリングして、再生できる事が可能となっていたのが、魅力だった。薬理研究者は建物が建ったら、直ぐにでも研究したいと考えていた。



スイスカナコインの部門連絡会議もこの報告書を見て、研究所は、単に病院の付属組織ではなく、スイスカナコインの医学研究所として作り、微生物研究所とも協力して、ジブトラストと製薬の合弁の安部製薬フランスとも連絡を取って、新しい新薬の開発研究も進められるとの結論に達し、香奈への申請書類を作成中だった。



安部製薬フランスは、資本的にはジブトラストの方が安部製薬よりずっと多い会社だった。それだけにスイスカナコインには、香奈の関係会社との意識があり、共同して研究しないかの事前の打診をしていた。その結果を踏まえて、香奈に提案したいと考えていたのだった。



安部製薬フランスは、可視化分子顕微鏡の最新モデルは既に購入していた。スイスカナコインの提案を受けて、独自に簡単な所見を加えた。このレアメタルは、本質的には水に溶解なんぞはしないが、それでも極々微量は溶解して、このレアメタルが極々微量溶解するだけで、分岐状の水とリング状の水を発生させるが、リング状の水の動的な分子構造が今までのリング状の水と異なり、何故か安定な状況を維持しているようだとの所見を得ていた。分岐状の水も活性が違うような気がする。ひょっとしたら細胞活性化と云うレベルを超え、生体の若返りや脳細胞の維持、成長を促すかもしれない、まだまだ新しく測定機器なので、断言できないがと云う所見を得ていた。



研究開発部門は、人類の歴史を変えるような、人の寿命を長くし、各種の細胞レベルでの機能維持ができる可能性もあると云って、共同研究を受諾する方向で意見をまとめ、多額の投資も提案し、役員会でも承認された。



安部製薬からの派遣役員も日本に連絡しようとしていたし、ジブフランスからの派遣役員もジブトラストの神太朗に報告し、ジブトラストからの増資まで進言しようとしていた。



神太朗は、ヨーロッパ域内連絡会議を開き、協力できる事は推進して、お互いの情報交換は密にするように指示していた。ジブドイツそしてその関連会社でもあるオーストラリアの鉱山会社、そしてそのオーストラリアの鉱山会社に役員を派遣して、鉱山の運営をしている香奈オフィスへと、情報が流れるのも時間の問題だった。



製薬が秘密にしていこうとしても、既にジブ関係ネットワークで、製薬の知らない事まで、流れ出す寸前であった。



香奈とコシロの子供たち No.217

2014-01-11 00:00:31 | 香奈とコシロの子供たち

隠そうとした秘密は、

やはり流れ出るものであった。




奈津美は、瑠璃のようにボッタクリはしないものの、そんなに甘い女ではなかった。例のレアメタルも出荷を制限して、価格を高止まりにした。


香奈オフィスは、ロボットの資源探索だけでなく、この大きな山脈の何箇所にもボーリング調査も行い、地中深くにかなりの鉱脈を見つけていたが、鉱山すら掘らなかった。



学術センターの近くの山にも見つけ、かなりの埋蔵量だった。オーストリアの聡美が株を半数近く保有している鉱山会社の鉱山でも見つけていたが、特に純度が高い、小さい鉱山で細々と採掘するだけだった。



アメリカやブラジルの快適鉱山でも鉱脈が見つかっていた。ジブの里近くも多量にあったのに、鉱山の維持が難しいとか言って、少量ずつしか掘らなかった。それでも今でも残り数年間の需要に対応する事は可能だった。




山の中腹も、実は山頂付近の鉱山の鉱脈は山から広大になったジブの里に流れ込む一大鉱脈である事もその後判った。恵が中腹に保養施設などを既に建てており、この鉱山は、地盤調整をしながら、採掘していたので、鉱山の維持が難しい事は事実であった。



しかし採掘する気になれば、香奈オフィスが採掘の権利を持つ鉱山には一杯あった。ジブシティーで、純度が低下したため、瑠璃が採掘を断念した近くの今は財団ビルが建っている地下には、純品に近い状態で埋蔵していた事はまだ誰も判っていなかった。


沙織がお不動さんの石仏を置いた場所の下は、このレアメタルの層が地上に最も近づいていた場所でもあった。湧き水は、このレアメタル層に一瞬接触しながら、湧いて出てきている事はまだ誰も知らなかった。



ここでの分岐状の水もリング状の水も香奈の家の近くよりは少し濃度は低いものの、極めて高いレベルでもあった。お不動さんの奇跡の水として有名にはなっていたが、製薬は何かを感じてはいたが、その濃度すらまだ誰も知らなかった。


香奈オフィス自身はやたらめったら、このレアメタルが埋蔵している土地を保有したり、運営に関与している鉱山で埋蔵している事は、判っていた。そのため、どこでもあるものだとすら思っていたが、ライバルたちが必死に探しているようだが、見つかっていないようだった。



奈津美は、価格を維持するために出荷量の調整をしていたのだった。表面的には、資源を掘り尽くさないようにとか、新しい鉱脈を探すとか名目をつけた。



スイスカナコインとの合弁の資源開発会社では、更にいくつかの鉱山を見つけた。なんとスイスカナコインの牧場の下付近にも大きな鉱脈があったし、例の金の廃坑の奥にも、金と共にある事がわかった。



奈津美は、今の価格を維持しながら、利益をコンスタントに出す事が必要と瑠璃にも言っていた。前のように多量にマーケットに出すのは、結局損と言っていた。



やたら埋蔵量があるので、奈津美は、今後の事を考えて、ジブ総合研究所の夢野らに、敷地の山で採掘したこのレアメタルを渡して、用途についての研究を夢野に依頼していた。夢野は、このレアメタル以外にも少量存在していた、別のレアメタルも気になったが、とりあえず、このレアメタルについて集中的に研究した。



このレアメタルはそれ自体、高エネルギーを内蔵しており、自由水に触れると、エネルギーを水に与え、水分子がエネルギーを吸収して、水分子がエネルギーを保持するために構造変化を起こし、水の状態を変えているようだと報告し、このエネルギーの取り出し方を開発すれば、このレアメタル自体が貴重なエネルギー資源になる。その方法を今後研究していきたいと報告し、ジブ総合研究所として、とりあえず研究を取りまとめて、近く学会に発表するとも伝えてきた。



夢野は、エネルギー研究所の所長ではあったが、ジブ総合研究所の所長でもあった。陽一はジブの副会長となって、ジブ総合研究所の副理事長と、ジブトラストの一部分となった経済研究所の所長と企業分析研究所の所長だけは兼任していた。



企業分析研究所は、ジブ総合研究所の一部門ではあったか、もう一つの大きな銀行や一族の銀行も出資しているし、独立しているような研究所でもあり、夢野は、経済研究所などには、口を挟まなかった。二つの研究所はジブトラストやその関連団体からの依頼研究も多く、その上、もう一つの大きな銀行や一族の銀行からの依頼研究もあった。その上、企業分析研究所は、ジブトラストの研究センターと協力して、陽一が運営していたので、もはやジブの一部分のようになっていた。



ジブ総合研究所の理事長は香奈だったが、研究所には行かなかったので、実質的には、陽一が理事長みたいなものだった。



夢野は、正統派の学者でもあり、知りえた事は学会に発表して、色々と意見を聞く事が大切と考えていた。本音としては、夢野は、ジブ総合研究所を実質的に作ったような人だったので、この研究所として、センセーショナルな研究を発表して、研究所の名前を売る事も少しは考えていた。



奈津美は、夢野からの報告も踏まえ、売り急ぐ必要はないと考えていた。先にレアメタルの利用方法を開発、研究する事を優先した。電子機器に使用されると言われていたが、電子機器への使用とは、言い難いルートでの購入がある事も気になっていた。



香奈とコシロの子供たち No.216

2014-01-10 00:03:57 | 香奈とコシロの子供たち


隠されていた真実




製薬は、香奈たちに、香奈の家近くの飲料水やジブシティーそして大学院大学の飲料水にも、分岐状の水やリング状の水が含まれていると説明してはいた。



しかし内緒にしている事もあった。製薬はジブシティーに工場を作ったが、拡張して大きな工場にした。学術センターには製薬独自の研究所も作り、エンジェルホープジャパン病院でも製薬の薬剤研究室があった。薬の迅速な手配とか患者に併せた薬の研究とかの名目を付けたが、大変な事を発見していた。



研究員A
「ジブの会長の家の周辺の水の分岐状やリング状の水の濃度は、ますます高くなってますよ。



牧場付近にパワースターやエンジェルスターもいやと云うほど茂っていますのも関係あるのかもしれません。敷地内にも一部流れ込んでいるとは思いますが、敷地内の水でも高くなっています。



今までの研究結果も狂ってきますね。敷地内で水を飲ませたマウスも、段々寿命が延び、今は40年以上生きているマウスもいます。人間ならどこまで生きるのでしょうね。」
主任研究員
「もう未知の領域だろうね。なにしろ発ガンマウスも、細胞活性が高まり、健康になって長生きするんだもの。常識が覆されるよ。やたら賢くなるし、今はマウスが新聞読んでる時代なんだよ

研究員A
「例のレアメタルとの因果関係はやっぱりあるんですね。」

主任研究員
「例のレアメタルが、分岐状の水とリング状の水を発生させる事は事実らしいね。レアメタルを水に落とすと、水の中に分岐状やリング状の水ができるのは間違いようだよ。ただ、なぜ発生するのか、接触の仕方などでどう変わるかなどはまだ判らないようだ。



レアメタルが含まれていた土にも、少しは水分はあった筈だからね。少しは水蒸気で蒸散しているとの説もあるけど、よく分かっていないんだよ。


今までのエンジェルスターやパワースターによる発生メカニズムとは違うようだ。まだ整理できていないし、これは企業秘密だよ。



可視化分子顕微鏡の最新モデルももうすぐくるし、今度は動的な変化も観察できるらしい。もっと詳しく分かるだろう。



ウチの会社も例のレアメタルの備蓄を進めているよ。でもまだ判らない事も沢山あるんだよ。ジブシティーの池には、分岐状の水とリング状の水の濃度が違う所があるんだよ。財団ビル付近が異常に高いんだよ。あのお不動さん前の池が高いと思うんだけど、レアメタルと直接接触しているとも思えないし、理由もよく分からないのだよ。

研究員A
「ジブシティーの病院の患者は、ジブシティー内に住んでいる人は僅かですね。ほとんど他からの通院患者です。みんな本当に病気にならないようです。検診結果も良好です。それでもジブシティーの水が、濃度では一番低いんですよ。神三郎さんの外科は、なんでも治るとか云って有名ですけど、直ぐに元気になるから、入院期間も短いですね。これも関係あるんでしょうか?」

主任研究員
「判らないよ。神三郎さんは名医ではあるけど、ちよっと異常な数字だよ。試しにジブシティーの工場で制癌剤を作ったら、効能が非常に高くてね。理由もよく判らないから、場所を限定的して販売しているんだよ。

研究員A
「例のレアメタルとの因果関係は、いつ発表するんですか?」

主任研究員
「まだ理由が明確ではないしね。ウチの会長預けなんだよ。極秘だよ。」

研究員A
「でも大変な騒ぎになりますよね。例のレアメタルの価格も高騰するでしょうね。香奈オフィスは知らないのでしょう。世界シェアは、すば抜けて高いらしいですね。」

主任研究員
「ウチの会長も、ファミリーだから精査が必要だと言って、研究チームに慎重に検討させているんだよ。ジブトラストの内部ネットワークも盛んになってね。ジブの資本が多い安部製薬フランスにも話していないらしい。間違ってましたでは済まないからね。君も外部で話をしないようにね。」

研究員A
「それは分かっています。ただ僕の両親も病気がちだったから、ジブシティーの僕の家に呼びましたよ。元気になりました。」



香奈とコシロの子供たち No.215

2014-01-09 00:00:00 | 香奈とコシロの子供たち

スイスカナコインの

猫基金の体制も変わった。




スイスカナコインの猫たちの運用手数料である5%と香奈の報酬分は、初めは日本に送金されていた。



スイスカナコインの日本事務所に金が貯まってくると、スイスカナコインの日本事務所名義で多大な金を貯めておく必要もなくなった。猫たちの面倒をみるための通常経費は、国内香奈の香奈特別基金で十分だった。猫はなれなんぞの経費はたいした額ではなかった。



奈津美とチャは、話し合った。香奈の報酬分と運用手数料相当分の内、1%だけを送金して貰い、スイスカナコイン内での香奈特別基金に残りをプールする事にしようとした。チャは、為替もするので、結構スイスフランの資産価値を高くみていた、ココたちが国内香奈で貯めている日本円とスイスフランで資産の分散は必要と考えていた。



ただスイスカナコインはもう大きな会社でもあり、用途が不明確な巨大な香奈特別基金は、経理的に別会社にプールしておく方がいいと言い出した。



万一、香奈オフィスが使用する時にも手続きがややこしいと言った。猫即ち香奈の運用は、スイスカナキャットの運用指導によるものとして、スイスカナキャットを別会社としたいと言い出した。



スイスカナキャットは、スイスカナコイン日本事務所を独立した会社にして、その子会社とした。今までスイスカナコインで香奈特別基金として貯めていたものも、みんなと同じ15%の運用手数料を払う事にして、少しずつスイスカナキャットに移行して、今の香奈特別基金は、スイスカナコイン全体の準備金に変更していく事にしたいと言ってきた。会社の維持や税務処理は、すべてスイスカナコインで面倒を見る事になった。



奈津美は香奈と相談して、香奈オフィスに、香奈直属のカナキャット基金を作り、株式会社スイスカナコイン日本事務所は、香奈と奈津美と香奈オフィスのカナキャット基金とが出資して発足し、更にスイスにスイスカナキャット株式会社と云う子会社を作る事になった。



香奈の報酬は当然香奈のものだし、香奈、つまり猫の運用手数料の1%程度は、社長室の維持をスイスカナコイン日本事務所に委託している経費とすると言った。



香奈は、香奈オフィスの創業者にして、実力会長でもあった。利益比例率は下げたものの、利益比例の報酬を貰っていた。香奈の報酬の半年分をその基金に充てる事にした。
カナキャット名義の基金は、猫のための基金である事を明確にしたものだった。



香奈オフィスの役員は、全て利益比例の報酬体系だった。役員全体で、税引き後利益の5%と利益比例率を決めていた。役員だけでなく、ある程度の役職がついた社員も部門利益比例の報酬体系を取る実力主義の会社でもあった。



瑠璃は副会長になったが、利益比例率は香奈より高かった。奈津美は社長になって、一番利益比例率は高かった。香奈は、奈津美を社長にする時に、一番高かった自分の利益比例率を減らし、奈津美に加えた。瑠璃は、なかなか減らそうとはしなかった。




奈津美の旦那は、立場上、奈津美の下とも出来ないので、総務担当の副会長になっていたが、利益比例率もそんなに高くなかった。



香奈オフィスは、税金の関係、資産分散の関係などから、世界各地に子会社を作っていた。その子会社でも会長、社長等のメンバーは替わらなかった。現地子会社の責任者みたいな人が、副社長とか専務になって、実務を仕切り、それぞれ利益比例の報酬を貰う報酬体系であった。



利益比例率は微妙に各子会社毎に異なっていた。香奈は、配当を少しは出すようになった時に、現地子会社の責任者たちには、それなりに子会社の株も持たせ、利益比例率も高くした。現地子会社の責任者の子供たちも、いつしか香奈オフィスに入る事が多く、それぞれの子会社は、一種の世襲関係の強い会社になっていた。



現地子会社の大半の株式は、日本の香奈オフィスが大半を占め、新しい鉱山や資源利権の獲得のお金なんんぞは、本体からの増資とか、資金融通で補う事が多かった。



これは、香奈が運営したジブトラストでも同様であった。勿論、運用とか商売に強い人は世襲では、そんなに続く訳でもないので、それ以外の人も雇ったが、一種の連帯感みたいな雰囲気は強い会社でもあった。



それは兎も角、それでも香奈の報酬は依然として高く、通常業務は、瑠璃や奈津美に任せていたものの、香奈の意向も絶対だった。スイスカナキャットの収入が、間接的とは云え、香奈オフィスの資産になるので、スイスカナキャットにも、それぞれの香奈オフィスの株式を2パーセント持たせる事にした。その程度の割り当て増資は簡単に出来た。



香奈オフィスの株式をスイスカナキャットに割り当てた、スイスカナコイン日本事務所には、香奈と奈津美と香奈オフィスが等分に出資して、スイスカナキャットは、スイスカナコイン日本事務所と香奈とが出資する事になった。



チャや猫軍団の名前では、会社も作れないので、こんなシステムとした。香奈は、割り当て増資程度の金は、ドーンとスイスカナキャットに出資したので、スイスカナキャットは、初めから相当の資金を持った。



スイスカナキャットは、じっと金を貯めるだけでなく、その口座残高の半分は、スイスカナコインの猫軍団つまり、名義的には香奈に、運用委託する事にもした。



スイスカナコインもスイスカナキャットが香奈の別会社になる事にも同意したし、運用委託にも、スイスカナコインでの経費として運用利益の15%をスイスカナコインが取る事で同意した。スイスカナコインもジブトラストのごぎげんソフトのシステムを使っていた、しかしジブではないので、ジブの研究ネットワークを見れないので、システム手数料は少しディスカウントして、10%から7.5%にしてもらっていた。スイスカナコインでは精一杯のサービスと言った。チャも同意した。



ココの国内香奈での香奈特別基金は、リスクのある運用なんかはせず、じっと貯める基金だった。チャは、スイスカナコインでより一層頑張る事にした。



まだまだ香奈もチャも元気だった。香奈は元気だったので、自分が元気な内に、色々な方法で、猫たちの財政的な基礎を固めようとしていた。例の譲渡は出来ず、一代限りの株式とする条項を入れれるように準備金が貯まるのを待つ事にした。