のら猫の三文小説

のら猫が書いている、小説です。
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新しい子猫たち No.1096

2017-03-31 00:00:13 | 新しい子猫たち 

政則もそれもいいかも と普段になく前向き、勝もそれはいいかもと徹までそうだねと言って、他の人はナニか言おうとも出来ない。正人にも報告すると、予想通り それでいいとあっさりと言った

創業者のジイサンが経理部長に言うと、このジイサンも乗り気だった

実は経理部長のジイサンは、創業者のジイサンに内々に辞意を示していた。私も もうゆっくりと趣味に明け暮れる、年金暮らしをしたい、出来れば職場から墓場直行は避けたいと言っていた。創業者のジイサンは、経理が杜撰な会社をここまでしてくれたのは感謝しているが、今君が辞めると後任が難しい、もっと下を育ててからにしてよと言っていた。

そんな時だけにこの女子社員の転籍はみんなにとって異論はなかった

銀行業務とメーカーの経理とは違うのだったが、若いだけに見る見る間にメーカー経理を吸収していった

創業者のジイサン
いい人が見つかってよかったね。君の念願通りのリタイヤも早く出来そうだね

経理部長のジイサン
それなんですが、もう少しここにいさせて下さい

創業者のジイサン
それは私にも願ったりの話だが、どうして気が変わったの

経理部長のジイサン
若い人の成長は目覚ましい、見ていて私も元気になります、どんな風に育っていくのか、興味があります。私のような単なる経理屋を超える可能性が彼女にはあります。人が成長していくのを目の前で見れるチャンスは滅多にないです。




新しい子猫たち No.1095

2017-03-30 00:07:04 | 新しい子猫たち 

あの創業者のジイサンは、会社の技術については自信を持っていた。若い人も育っていた。

以前のポロ会社の時の経理とか営業に比べると今は雲泥の差だった。ただ人間は、もっともっと と望むもので、会社として一体となっている所まではいかない、会社の管理として経理とか営業とかを一体となって、技術も含めての一体感が弱いと思っていた

経理の総括のオッサンと云うかジイサンもいい人だったし、この会社をここまで大きくしてくれた、財務もしっかりとしていた。このジイサンとも話をしていた。このジイサンもそうですね、総合的な知見を持つ若い人を育てなくてはと言っていた

この創業者のジイサンはピンときた。この人をウチの会社に貰おう。正人と政則の人を見る目はどんなものなのだろうと思っていた

一緒にいた 香奈ファイナンシャルの幹部にも言った。この人をウチの会社に派遣してくれませんか、経理部長も元々は もう一つの大きな銀行の出身者です。

この通信機器のメーカーにいた 経理のジイサンは香奈ファイナンシャル事務センターの幹部にとっても大先輩、初期の頃のメンバーでもあった。この女子社員の仕事はどうすべえと思っていたのもあって、いわば渡りに舟。こんな とつてもなくエライ ジイサンたちのした事に文句を言う正人ではない事は百も承知。あっと云う間にこの女子社員のマタマタ転籍が決まった。女子社員にとっても、今や世界的な通信機器メーカーで仕事するのに反対する気持ちは毛頭なかった。


新しい子猫たち No.1094

2017-03-29 00:03:36 | 新しい子猫たち 

政則は変わっていた。困った人、中小企業相手の融資に特化する形の香奈特別保証を立ち上げて、口は出すが金は出さない、普段の政則には合わない態度を取って、香奈特別保証にも自分の金を出資して、しかも軌道に乗るまでは香奈ハイテクからの融資とした事もあった。

儲けは元々期待していない融資事業、軌道に乗ったとは云え、利益はセコイ、香奈特別保証の利益は、今でも同時に運営している香奈チャンネルと云うネットテレビの会員からの収益、企業への一時貸出時の信用保証料のような、口銭を鞘取りしている利益の方がそもそも多い。

ただ政則はそれでいい、困っている人たちを助けるのが、元々の目的と云うようになっていた。

根性悪 皮肉屋の評判が変わる所までいかないが 以前の政則とは違っていた

香奈ファイナンシャルの幹部たちは、それほど変化には気が付かなかったが、この新しく来た女子社員は感動していた。これが本当の融資と思っていた

政則も従来の経理屋とは見えない、若い女子社員の総合的な感覚はたいしたものだ、正人の人を見る目については再確認していた

茶碗を割った事がキッカケとは思わなかった。正人の人を見る目も進歩したものだと思っていた

政則はジイサンたちがアーダコーダと話している声が聞こえていた

政則は三人のジイサンたちに言った

政則
ただのぼんくらの正人の父ですが、その人はこの人ですよ、正人も少しは進歩しているようです。いい人が香奈ファイナンシャルに入ったと喜んでいます。


新しい子猫たち No.1093

2017-03-28 00:00:22 | 新しい子猫たち 

勝もこの創業者のジイサンも声がデカイ。ヒマなので話に加わった徹まで声がデカイ。

創業者のジイサン
もう一つの大きな銀行で頭取が変わって、自分と相性が合わない幹部に冷たいらしい。アソコも変わらんですな。


そうだね、自分との相性で幹部への対応が変わるのは良くないね。


人間だからある程度は仕方ないが、前の頭取も初めはそうだった。正人がそうした人たちを引き受けて、我々の会社の経理が充実すると云う、棚ぼたがあった。

創業者のジイサン
それはそうですね。今回もある社員が香奈ファイナンシャルに転籍したらしいが、まだ若いらしい。どんな人なんですかね。正人さんの人を見る目は定評があります。


正人はそういう長所がないと、ただのぼんくらになるからね。

三人のジイサンがアハハと笑っていた


新しい子猫たち No.1092

2017-03-27 06:57:19 | 新しい子猫たち 


香奈ファイナンシャルは 正人の管理下にはあるが、経理の複雑な処理そのものは、政則が長けていた。香奈ファイナンシャルの事務処理センターも難しい経理操作は、政則に聞いていた、

香奈ファイナンシャルの事務処理センターは、香奈ファイナンシャルや香奈特別保証が出資したり融資している所の経理処理を担当、もしくは経理に必要な人員を派遣していた。

もう一つの大きな銀行で冷遇されそうになって、あの女子行員は、正人からの救いにのって、香奈ファイナンシャルの事務処理センターに入った。もう一つの大きな銀行の社員にとって、香奈ファイナンシャルに転籍するのは決して珍しい事ではなかった。正人に コイツは出来ると思われると正人は救いを出してくれるのは、今や常識となっていた。それが正人の力ともなっていた。

あの女子行員だった女性も、先輩に連れられて、政則に挨拶に行った。

香奈ファイナンシャルの傘下と云うか、香奈ファイナンシャルが大きく出資している会社の中で、代表格とも云える 通信機器メーカーがあった

元々は技術が飛びぬけていたが経理が杜撰なボロ会社、一発当たると大きく株式が上がり、内部体制がお粗末なので暫くすると劇的に株価が下がる会社。ココが大きく株式を買い、ぼろ儲けを狙っていたが、もう下がるから売りたいと云う、ココが買った株式を正人が買う形にした、もっともココが買うと云っても、それは法的には香奈ファイナンシャルとして買う、売ると云っても正人に売れば、所詮同じなので、内部処理だけの話だった。正人は大量の売り買いは、手数料の損、儲けたとしても利益のほとんどは、税金で持っていかれると思った。

と云ってもドーンと下がるとやっぱり損なので、その会社は正人が、技術面は、ジブ総研に依頼研究を出して、勝も応援して、経理は香奈ファイナンシャルの事務処理センター、販売はチャタロウグループの会社に任せた。正人は損しないようにした積りが、急成長して、今は世界でも有名になっていた。途中 ココがあんまり 上がり配当もいいので助べえ根性でココ分として買った。それで又保有比率が増えた。ココは相場猫の元祖みたいなもので取り扱う金額はもはや膨大になっていた。相場師は一度当たると巨額の利益を得た。ココは売買専門だったが、この時から配当狙いの株式も増えた。

今では株価はココが当初買った時とは比べようもない価格になって、正人も売るに売れなくなって、結局は保有しつづけていた。香奈ハイテクの仲間みたいになっていた。この会社の創業者は、会長となって、今でも技術の総帥となっていた。このジイサンが同じ時間に、勝の所に挨拶にきていた。

伝説的とも云えるジイサンたちなので、本来はデッカイ自分の部屋を持ってもいいのだが、長老部屋も基本的には香奈の家、そしてジイサンたちも普段の業務はほとんど任せていて、ヒマなので、香奈ファイナンシャルの長老部屋にみんないると云う不思議な部屋だった。