のら猫の三文小説

のら猫が書いている、小説です。
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新しい子猫たち No.1787

2021-02-28 00:43:27 | 新しい子猫たち 
ただ クリスの考えは 猫たちには不評だった。どうしても子供が欲しい猫は 体外受精して作ったが 普通の性交渉で子供が出来ないのかとの声が段々と強くなった。子供は二人の愛の結晶なのだ。どうして普通の性行為ではダメなのか と云う声が強かった


クリスの元々の考えではレアメタルの働きを一旦阻止する薬剤と 子宮内膜へ受精卵が定着しやすい薬剤の 2種類あったのだが

とりあえず 子宮内膜に受精卵の定着を促進する薬剤だけ 不妊に悩む猫たちに出した


クリスの予想もしない事だったが この薬剤の効果は当初のクリスの考えていた 2剤 投与の効果以上だった


しかもこの効果は、人間たちに投与していく内に最初に判った


人間たちも 一旦 受精卵を作り、それを子宮内膜に定着させようとする考えはあまり支持されなかった。クリスは受精卵を定着を促進させる薬も再度設計して、投与していった。当初の予定していた効果よりも高い。レアメタルの働きを一旦停止させる事はリスクを伴うし、この一つの薬剤だけの方がいいのは勿論だった

新しい子猫たち No.1786

2021-02-27 00:00:00 | 新しい子猫たち 
クリスの考えていた 不妊対策は出来た。 レアメタルの影響を一時的に解除させて その間に受精卵を子宮内膜に定着させる方法であって、定着しやすい薬剤まで考えた。実際には受精卵そのものを作る必要もないのだが そうしないとはっきりとした理論は出来なかった


猫についても それが本来のクリスの考えのベースだったので動物医院の獣医師を呼んで 説明した。敷地内の不妊症に悩んでいる猫たちに適用するようと命じていた


ただ レアメタルは 広範囲に疾病の予防と遺伝子の正常化について 機能しているために この解除は短期間に行う必要があったのだ。クリスの研究でもレアメタルは女性特有の臓器そのものは保護していた。ただ その機能として 子宮が受精卵を受精卵として認知せず異物として考え、受精卵の定着を阻止するように促進しているのではないのかと云うのが今の所のクリスの見解だった



新しい子猫たち No.1785

2021-02-26 00:37:16 | 新しい子猫たち 
その女の子は苦悩の上、クリスの考えていた治療を受けた。クリスは治部産科婦人科小児科病院の婦人科のある大物を選んで、クリスの考えていた治療法を教えた。杉山経由で見込んだ医者だった。杉山はこの医者は今の日本で最高の産婦人科の医学者であり、且つ誠実な医師とクリスに言っていた。クリスは誠実な医師でないとそもそも話す意欲が起きないと云う事を杉山は知っていた。


杉山はクリスと研究する時に 医師には誠実さが最も必要。医学知識は教えられるが誠実さは教えられないと云って杉山は絶句した事があったのだ


杉山はその医師に向かって 貴方の配下でもっとも貴方が誠実と思う医師をその子の直接の担当としなさい、有能は必要ではないし、ましてドコドコ大学でもない、誤解しないでと言った


私立大学出のぱっとしない医師がいたが お父さんがある 有名な医師で大きな産婦人科病院を経営していて、そいつは生まれや育ちの割りに誠実だった。お父さんは切れ者だったのに、コイツは頭はイマイチだったが、お父さんも感心する程 誠実だった。ただ単なる誠実なアホではアカンので、この医師に預けたのだ


そしてクリスの考えていた治療が進み、この産婦人科の大家が吃驚する程 綺麗に完ぺきに治った。大家は感心してしまった。こんな治療法があったのかと思う程だった。ただ不妊の傾向は確かに強く出ていた。クリスは患者の病状如何だけど、この治療法を貴方が再点検して、一般的にアレンジしなさい。それは貴方に任せる。そして学会発表を貴方の名前でしなさいと言っていた。私は副作用として憂慮される不妊の解決法に全力を注ぎたいのでお願いしますと云っていた。


新しい子猫たち No.1784

2021-02-25 00:33:26 | 新しい子猫たち 
その若い子は 直ちに精密検査を受けた。遺伝子解析もされた。念のため 大阪の基礎分析センターとも 情報をシェアーした。クリスの懸念は当たっていた。ある遺伝性の 難病を発病する可能性が極めて高い。大阪のセンターの報告書は これは助からない と悲観的なトーンで言葉を締められていた。


クリスの考えていた 治療法を直ぐにでも開始しないといけないのは明白だった。ただこの時のクリスの考えていた治療では 不妊を誘発する事もほぼ確実でもあった。女の子にも告知された。


女の子には好きな人がいて しかも医学生だった。その彼は相談を受けて、何の躊躇もなしに治療を開始すべきだと言った。僕は君が好きだ、僕と君の間の子供は欲しいが、君がいないとそもそも始まらない、クリスさんは有名な 医学者で クリスさんはもう暫くすると不妊についての解決策が出来るかもしれないと言ったのだろう、それに期待しよう。まず君が助からないと始まらない と言った


それでも女の子は悩んでいた。ある晩 寝ていると 夢の中に お地蔵さんたちが立っていて、クリスの言ったようにしなさい、彼女はきっと不妊対策も考えてくれる、本格的な発病前に治療できる事自体 稀な事なんだ。と言った。

新しい子猫たち No.1783

2021-02-24 00:31:00 | 新しい子猫たち 
クリスは敷地内の猫に不妊症の猫が多いのが気にかかっていた。不妊症とレアメタルとの関係があるのかどうかを気にしていた。その一方でレアメタルが遺伝的な疾患に与える影響についても研究していた。ジブの遺伝子研究所の所長でかつエンゼルホープ病院の遺伝子研究所の所長を兼任する 杉山にも言っていた。大体の所 多くの先天性遺伝子疾患は レアメタルを中心とする薬剤で完全に治癒するのではないか との結論は ほぼ出ていた。ただ不妊となる可能性も高い という結論だった。杉山は苦慮していた。


エンゼルホープ病院は難病センターみたいな施設を持っていた。当初は治部産科婦人科小児科病院にあったが維持費が掛かりすぎ、経理的に一番良かった エンゼルホープ病院で引き取っていた。この難病にも レアメタルを入れた薬剤はよく効いていた。ただ若い患者には使えない。命に係わる時は その可能性を言ってから使用していた。みんな苦衷の結果、この薬剤の使用を受け入れていた。


公表すべきかどうか 杉山は悩んでいた。公表すれば 副作用を告知しないで この薬剤を使用する医療機関は出てくる。しかし公表しないとそうした病気で亡くなる人もいる。 エンゼルホープ病院とその関連病院では十分な告知の上で使用していたが、それをしない病院もあるかも知れない。その時の騒ぎを考えると憂鬱になって 公表できないでいた


それにクリスは レアメタルの不妊に与える 影響についてはそれを防止できる方法はある。もうすぐ 出来るとも言っていた。それに期待もしていた。