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仏教ライフを考える西原祐治のブログです

マジカルナンバー7+-2

2014年07月09日 | 日記
シーナ・アイエンガー『選択の科学』に、アメリカの心理学者ジョージ・ミラーが1956年に発表した 『マジカルナンバー7+-2 : われわれの情報処理能力の限界』のことが紹介されていました。この論文は、認知心理学の先駆けとなった理論だそうです。

ミラーの提案した情報処理の心理的な単位をチャンクと呼びます。人間が短期記憶で一度に保存できるチャンクは5~9個(個人差がある)が限界なのです。この数を魔法の数字7+-2と呼ぶ。

簡単に言えば一度聞いただけで直後に再生するような場合、日常的なことを対象にする限り記憶容量は7個前後になるということを示した。この7個というのは情報量ではなく意味を持った「かたまり(チャンク)」の数のことで、数字のような情報量的に小さなものも、人の名前のように情報量的に大きな物も同じ程度、7個(個人差により+-2)しか覚えられないということです。

ミラーは諸文化における7という数字の重要性に注目したことから生まれた論理のようです。「世界の7不思議」、ドレミファソラシドの7音階、1週間は7日というように7つで1セットになっているものが世の中には数多くあります。

お釈迦さまが誕生後、7歩歩いたこと関係と、マジカルナンバー7をつなげることもできますが、無理につなげる必要もないでしょう。

数日前Wに紹介しました、シーナ・アイエンガー『選択の科学』に書かれているジャムの実験、

あるスーパーマーケットの店頭仁ジャムの試食ブースをつくり、ある週末には14種類のジャムを並べ、別の週末には6種類のジャムを並べて、買い物客の反応を探った。
 その結果によると、14種類のジャムを並べたときには買い物客の約60%が試食したが、6種類のジャムを並べたときには約40%しか試食しなかった。ところが、実際にジャムを購入した客の数は逆だった。前者のブースでは買い物客の3%しか購人しなかったが、後者のブースでは30%近くの吝か購入した。

この実験結果は、企業なども多方面で生かされているようです。その部分だけ転載します。

この考えを実際に試し、「少ないことは良いこと」の方針を実践している企業もある。プロクター&ギャンブル(P&G)が、26種類あったヘッド&ショルダーズのフケ防止シャンプーのうち、売上げの少ないものを廃止して15種類に絞ったところ、売上げは10%も跳ね上がった。回様に、ゴールデンーキャットーコーポレーションは、小袋タイプの猫用トイレのうち、売上げの少ない10種類を廃止することで、売上を12%伸ばした上、物流コストを減すことができた。この結果、小袋タイプの分類全体で、87%もの増益を記録したという。
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