仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

思考停止という病理①

2024年04月25日 | 現代の病理

『思考停止という病理: もはや「お任せ」の姿勢は通用しない』(平凡社新書・023/5/17・榎本博明著)からの転載です。

 

相手を信頼すぺきで疑うのは失礼だ、と思う心理

 日本で生まれ育つと、当たり前のようになっており、とくに意識しなしことも、海外の人と接すると強烈に意識せざるを得なくなるということがある。その一つが、人を疑ざず信頼しようとする心理傾向だ。

 私たちは、生まれ落ちた社会の文化にふさわしい人間につくら行く。これを社会化と言うが、日本に生まれれば日本人らしく自己主張を慎み、謙虚さを身につけ、相手を尊重し、思いやりをもって相手の気持ちを汲み取ろうとするようになるとともに、信頼すれば相手ば必ずこちらの気持ちに応えてくれるはずと信じ、人を疑うのは失礼だといった感覚を身につけてしく。

 アメリカに生まれれば、アメリカ人らしく説得力を磨き、常々と自己主張し、何でもはっきり囗にするようになり、また人を驚戒し、自己責任において自分の身を守る姿勢を身につけていく。

 社会化の主な担い手は親であるが、その担い手は親ばかりではない。学校教育においても、そう社外の求める人物像が示され、そう社会を生きるために必要な性質を身につけるように促す社会化が行われる。

 では、学校教育におして、どのような人物像を理想として社会化が行われているのか。それを端的に示しているのが教科書である。教科書に描かれている人物像、それは必ずしも人間として描かれるわけではなく、年少児対象の場合は動物であったりもするが、それを検討することて、その社会がどのような人物像を理想としてしるかを知ることかできる。

 元官僚の今井康夫は、豊かな海外生活の体験をもとに日米の文化差に関心をもち、日本とアタリカの小学校1年生から6年生までの国語の教科書の内容を比較検討している。

 その結果、アメリカの教科書には「自己主張」「自立心・独立心」「強し意志」など、「強い個人」をテーマとする内容が非常に多いのに対して、日本の教科書ではそういったテーマの内容はきわめて少ないことがわかった。(つづく)

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