『知的障害のある成人男性の性的欲求と支援――語りと連帯が変えてゆく、まわりの人々との関係』(2024/7/23・石黒慶太著)からの転載です。
本章における研究協力者は、セックスワーカー歴一九年になる三〇代後半の女性E氏である。
E氏はI〇代からセックスワーカーとして働いているが、祖母の看取りを契機に高齢者介護の仕事にも関心をもつようになり、高齢者介護の現場でも働くようになった。介護の仕事をと心して、高齢者はまるで性的なことから切り離された子どものように扱われ、性的な言動は職員によってあらかじめづ止されていることに違和感をもったという。E氏白身、セックスワーカーとして働いていることもあり、性・な言動をする男性に対しては抵抗感をもたないどころか、女性に対して性的な欲求を示さない万作は。小健康であると考えていた。
そういた高齢者介護の現場で働く同僚に対して違和感をもちながらセックスワーカーとして働いていたとき、明らかに知的障害のある成人男性が客として来店し、E氏がその男性客の対応をすることなった。そのさいE氏は、それまで性的な欲求を示す男性こそが健康的なのだと思っていたにもかかわららず、知的障害のある成人男性を目の前にした瞬間、フォビアが生じたという。しかし数日後、別の知的障害があると思われる成人男性が客として来店したさい、その男性客から「お母さんからお金をもらってきました」と言われた瞬間、男性健常者の客にはもつことがなかった「申し訳ない」という感情が生じた。それ以降、知的障害のある成人男性の性行為がしたいという性的欲求について、社会全体が認識を改める必要があるのではないかと思い始めたという。このセックスワークをとおした知的障害のある成人男性との出会いが契機となり、E氏は障害者の性的欲求と社会とをつなぐ一般社団法人を立ち上げ、当事者や支援者とともに、障害者の性的欲求をめぐる活動をしている。
本章における研究協力者は、セックスワーカー歴一九年になる三〇代後半の女性E氏である。
E氏はI〇代からセックスワーカーとして働いているが、祖母の看取りを契機に高齢者介護の仕事にも関心をもつようになり、高齢者介護の現場でも働くようになった。介護の仕事をと心して、高齢者はまるで性的なことから切り離された子どものように扱われ、性的な言動は職員によってあらかじめづ止されていることに違和感をもったという。E氏白身、セックスワーカーとして働いていることもあり、性・な言動をする男性に対しては抵抗感をもたないどころか、女性に対して性的な欲求を示さない万作は。小健康であると考えていた。
そういた高齢者介護の現場で働く同僚に対して違和感をもちながらセックスワーカーとして働いていたとき、明らかに知的障害のある成人男性が客として来店し、E氏がその男性客の対応をすることなった。そのさいE氏は、それまで性的な欲求を示す男性こそが健康的なのだと思っていたにもかかわららず、知的障害のある成人男性を目の前にした瞬間、フォビアが生じたという。しかし数日後、別の知的障害があると思われる成人男性が客として来店したさい、その男性客から「お母さんからお金をもらってきました」と言われた瞬間、男性健常者の客にはもつことがなかった「申し訳ない」という感情が生じた。それ以降、知的障害のある成人男性の性行為がしたいという性的欲求について、社会全体が認識を改める必要があるのではないかと思い始めたという。このセックスワークをとおした知的障害のある成人男性との出会いが契機となり、E氏は障害者の性的欲求と社会とをつなぐ一般社団法人を立ち上げ、当事者や支援者とともに、障害者の性的欲求をめぐる活動をしている。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます