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仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

「加速思考」症候群①

2025年04月24日 | 現代の病理
『「加速思考」症候群 心をバグらせる現代病』(2022/4/21・アウグリストクリ著),鈴木由紀子翻訳)からの転載です。



世紀の病一加速思考症候群

[世紀の病]というと、あなたは何を思い浮かべるだろう。
 現代社会では、驚くほど多くの人がうつ病の危機にさらされている。世界保健機関(WHO)は、世界中で数億人もが遅かれうつ病に罹患する可能性があると指摘しているが、この数は実に世界人口の2割にあたる。しかし、本書で説明する加速思考症候群に関しては、世界の8割以上の人が思い当たる症状を抱えているのではないだろうか。現代を特徴づける消費社会、スピード社会、ストレス社会は、本来守られるべき思考のリズムを乱し、気づかぬうちにそのリズムを変化させている。そして、私たちの健全な感情、生きる喜び、知性の発述、創造性、さらには社会との持続的な関係性を人きく揺るがしているのだ。現代人は、集団的に加速思考症候群という痼に陥っている。これは社会への深刻な警鐘である。
 先日、ブラジル国内外での講演に出席していた8000人以上の教行関係者を対象に、加速思考症候群の簡単なテストを実施した。
 参加者には、自分に当てはまる症状を正直に答えるようお願いした。なぜなら、自分自身に正直でない人、自分の内面を知る勇気のない人は、このテストに対して心が反応せず、自身の葛藤を墓場までもっていってしまう可能性が高いからだ。テスト前、このことを参加者に冗談っぽく話して笑いをとったのだが、結果は泣きたくなるようなものだった。ほとんどの参加者が強い不安を感じており、加速思考症候群による心理的、身体的な症状を示したからだ。
 私は茫然とした。当の参加者たちは、自分だけじゃないとわかったとたんに安心して笑顔を見せていたが。誰もが、「世紀の病」 の被害者だったのだ。(つづく)
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