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仏教ライフを考える西原祐治のブログです

発達障害という才能①

2022年04月04日 | 現代の病理

『発達障害という才能』 (2021/11/6・岩波明著)、図書館のリクエストが多く落掌に時間がかかった本です。本の解説には、次のようにあります。

 

新時代を切り開く才能と発達障害の特性

オードリー・タンやイーロン・マスクといった、閉塞した社会を打ち破っていく才能の持ち主や、天才と呼ばれる芸術家、歴史上の偉人たちの中にも、発達障害の傾向がみられることが多いという。「過剰集中」や、「マインド・ワンダリング」という特性が、創造性が必要とされる仕事を成し遂げるにあたって、大きな力を発揮するというのだ。では、どのような環境でその能力が開花したのか。その秘密に迫っていく。(以上)

 

この本では、発達障害の中でもADHD(注意欠如・多動症)、それも知能が人並み以上の人たちを取り上げています。具体的には、エジソン、 ニコラ・テスラ、三木谷浩史、似鳥昭雄、勝間和代、イーロン・マスク、モーツアルト、等で、ほとんど自身が、そうだと公表している人たちです。

 

 現代の日本には、こうした人の才能を積極的に活かしていく、システムや考え方はなく、日本社会は、世の中のしきたりや『空気』に従うことを時にははっきりと、あるいは暗黙のうちに求めている。そのあたりを本から転載します。

 

 日本の行政も企業も、改革をするふりをしながら、結句何もしないままに時問だけが過ぎていき、緩やかに裏退していくように感しられる。異能のある人物を本気で育てようとはまったく考えていない。これに対して、以下に示すイスラエルのシステムは、攻撃的であり野望に満ちている。

 

日本社会は、世の中のしきたりや『空気』に従うことを時にははっきりと、あるいは暗黙のうちに求めている。この「指示」に従おうとしないバランスの悪い個人は、いっときもてはやされることはあってもやがては排除されてしまう。

 多くの「普通」の人たちは、飛び抜け九才能について、それをあからさまに否定することはないものの、最終的には排除する動きをする。というのは、際立った能力を持つ個人は、彼らにとって危険な存在だからだ。彼らが安住しているポジションを脅かす存在になりかねないし、さらに彼らの生存が認められているシステムそれ自体が日本が破壊されてしまうかもしれないからである。(続く)

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