『感情は、すぐに脳をジャックする』(2021/12/16・佐渡島庸平著・石川善樹著)の続きです。
僕は感情とは「点」ではなく、いくつもの感情がつながっている「波」であると考えています。
そこに存在する感情の波を感じ取ることのほうが難しいため、僕らはどうしても強い刺激に向かいがちです。
感情よりも、味覚で考えたほうがわかりやすいかもしれません。
ファーストフードやコンビニの食事を中心に食べ続けていると、徐々に塩分や油分の多い食を好かようになり、白いご飯だけだと物足りなく感じたり、野菜が淡白で物足りなく思えたりします。あらゆる食材に対して味が無いように感じて、何にでもマヨネーズやトウガラシをかけるような食べ方になってしまいます。刺澂が強い味は、最終的にどれも似通ってきますが、少ない塩分の食事に慣れていると、感じられる味の種類が豊富になっていき、わずかな風味や違い、食材そのものの味にも気づくことができます。
感情も同じで、より強い刺激を求めていると多様性が失われ、わかりやすく似たような感情ばかりになっていきます。
退屈を感じているとき、その場を離れたり、そのコンテンツを「ダメだ」と判断するのは簡単です。ですが「感情の波を感じ取れていない自分のセンサーを磨くいい機会だ」ととらえることもできるはずです。
感情の波を記憶できるようになると、見える世界が変わってくる
多くの人が思い出として脳裏に思い浮かべるのは、「感情が動いた瞬間」です。
(つづく)