超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

Alternative/音速ライン

2012-02-24 22:37:59 | 音楽





音速ラインのニュー・アルバム「Alternative」を聴く。





前作のアルバムはタイトルに音速が付いている割には実験的な作品、って印象で
やや肩透かしな感覚は否めなかったんですけど
今作は、正直言って、名盤ですね。
出たばっかりなのにこんな発言してもいいのか、って感じですけどことクオリティに関して言えば
文句の付け所のない作品には仕上がってると思います。その上でめっちゃポップ。
前作で不満だったのはポップ感の欠如って部分も大きかった訳で
それ考えると全作シングルレベルのこのアルバムは聴いてて大きなカタルシスを感じざるをえない。
実験的な曲は一曲も入っておらず、
ほぼ全曲が勝負曲と呼べる出来で
その中でも洗練されたアレンジだったり、パンキッシュな要素、ダンサブルな要素
相変わらず巧い80年代ポップスを昇華した楽曲、とド真ん中ながらも振り分けはちゃんと出来てる感じ
その中でポップ感溢れる「Winter snow」で緩急を付けてるのもまた面白くて
これこそ正にガチの音速ラインが全力で鳴ってるアルバムだと思います。
その上で個性もちゃんと出まくってて。

その個性っていうのはタイトな演奏でポップなメロディって部分なんですけど
今作は正に気合一閃って感じで
どの曲もアレンジは凝ってるわ、演奏の臨場感は凄いわで聴いてて飽きないし刺激的なんですよね。
ワンツーカウントでバンド感を煽る曲もあれば
かっちょいいリフレインでひたすらに推す曲もあったり
根本的なロック・ミュージックの楽しさに満ちているサウンドになってて
その中で爽やかなメロディがスコーンと突き抜けるっていう本当に音速の記名性をフルに活かした仕上がり
やっぱり音速ラインの長所の一つに楽器同士の熱いせめぎあい、っていうのがあると思うので
それがたっぷりとガチで鳴りまくってる本作は支持せざるをえない感じですね。
ロックファンや歌謡曲ファンにアプローチ出来るのは当然
キッズが聴いても熱くなれそうとか思える作品
真面目にパンク・メロコア系のバンドとタメを張れるくらいエネルギッシュな作品に仕上がってるのは
個人的には間違いないと思います。以前好きだったバッキバキの音速ラインが完全復活した!って印象で
私的には相当盛り上がれてかつ名曲だらけのアルバムって作品ですね。これは。
最近音速から離れてた人にも余裕で薦めたい逸品であります。

で、歌詞を読んでれば分かると思いますが
甘いラブソングとか基本的に抜かれてる構成のアルバムで
それよりも今のご時世を、具体的に言えば震災以降を見つめて描かれてる感じの歌詞が多くて
その点でもストイックでロール感バリバリの印象の作品と言うのは揺ぎ無く
前作以上に感情移入して聴けること間違いなしのアルバム
しっかりと世界から目をそらさなかった
今だからこその希望やメッセージが鳴らされていて見事ですね。移籍後の作品では最も好きなアルバムです。
過去作品で言えば「100景」をブラッシュアップさせた感じの音像になっていて
かといって単純なスピード感に陶酔する訳でもない
今の音速ラインならではの奥深い作品になってるのも間違いないかと。純粋にカッコ良い!





個人的には「世界の終わり」~「ランドリー」~「i know i know」の流れがハイライトです。
中でも「ランドリー」は今までのキャリアから考えても際立った名曲のように感じる。
時代性もきっちり反映してるので、とても長く聴けそうな新譜。





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