超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

十九色/清浦夏実

2010-03-16 20:58:04 | 音楽

最近、お気に入りのニュー・カマーは?
って訊かれて(訊かれないが)真っ先に思い浮かぶのは神聖かまってちゃん。
・・・と、同時にもう一人思い浮かぶ人物がいた。
清浦夏実だった。
2010年代に突入して、この2組の作品がやたら良かったので、ちょっと新時代の波を感じていたり。
自分でもちょっとどうにかするぐらい気にいってるし、ヘビロテしてます。
 とはいえどちらも以前から好きだった人達なんですが、アルバムとしては今年初リリースってことで、一応。


では、何が良いのか?と問われれば、単純に声と歌い方。
抽象的な言い方だとそれらに独自のオーラというか、雰囲気があって
それに当てられるのがひたすら楽しくて、ついつい聴いてしまうという感じ。
つまりはセンスが良いと思うんです。
楽曲のチョイスにしろ、(全部ではないんですが)詞の付け方にしろ。
立ち振る舞いとか。曲の中での。
いい意味で楽曲を支配してるというか、自分色に染めていってる感じがするんですよね。
それが何より聴いてて気持ち良くて。

全部で12曲入ってるんですが、どれもタイプとかジャンルがバラッバラ。
なのにも関わらず、不思議と統一感というか、流れがあって。
その流れの上で縦横無尽に声を駆けずり回らせている感じ。
彼女は今19歳という若い年齢なんですが、聴いてると20代後半でしょ?とか30代くらいかな。とか思うテイスト、
声の雰囲気の曲が多くて、それだけでもビックリなんですが更に凄いのは、等身大の、いかにも10代!って曲も普通に歌いこなすことで。
アルバムの中に「七色」って曲があるんですが、彼女の歌声は正に七色そのもの。
一曲ごとに変わったり、微妙に雰囲気が違ったりするボーカリゼイションは見事としか言いようがないですね。
だって1~4曲目の時点でバラバラだもの。
それでいてどれも彼女らしさを保ったままだという。曲の本質を掴むのが上手いのかも。

結構面白い試みもあって、最後に石川セリの「Midnight Love Call」って曲のカバーが入ってるんですが
これを最後に配置するって事自体面白いし、
楽曲としても完全に清浦夏実のものになってるのが凄い良いんですよねえ。
オリジナルと言われても違和感ないくらい。
と、同時に原曲の色褪せなさを証明してくれた感じもあり。
 そんな彼女自身が自作した「ネバーランド」も入ってるんですが、これがまたスタンダード感漂うバラッド。
歌詞もかなり落ち着いてるというか、大人びてる感じ。
恐らくこの曲が彼女にとって芯の部分で、他はそこから発展させたような、そんなイメージがあります。
個人的には。


グダグダ書いてきましたけど、もっと単刀直入に言えば、真っ当に良い音楽である。ってこと。
で、その真っ当が水準よりずっと上、って感じなんですよね、自分の中では。
本当に良い曲だけをあつめて、じっくりと練り込まれて作られたようなこのアルバムは、
現代に於けるポップ・ミュージックの中でも相当に出色なんじゃないかとか、そんな気すらしてます。
ある意味それらへ向けてのカウンター精神のようなものも感じますが、そこら辺はどうなんでしょうね。


ちなみに、オススメは全部・・・って言いたいとこですが敢えて選ぶとすれば「悲しいほど青く」「僕らの合言葉」、
あとこの時期には「風さがし」なんかも合いそう。
ちなみに私はこの曲で彼女を知りました。「スケッチブック」のOPだった曲ですね。
 今考えると「スケッチブック」はOPが清浦夏実、EDが牧野由依とかなり自分向けの面子だったなあ。って思う。






最新の画像もっと見る

コメントを投稿