超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

にゅーたん 1巻/友美イチロウ

2012-03-10 21:43:06 | 漫画(新作)





友美イチロウ「にゅーたん」1巻読了。




まあ・・・相変わらず酷い漫画ですね(笑)。
なんかもう描いてる内容の9割以上が悪口と批判と嘲笑なので
読んでるともれなく殺伐とした気分になってきます。
下手すりゃ絶望すらして来るんですけど
客観的に考えれば?っていう視点をもたらしてくれる作品でもありますよね、この作品は。
この作品を読んだ後に自分の姿がどう人に見えてるんだろう?って考えると
一気にゾッとしてしまう。
同時に疑心暗鬼にもなってしまうんですけど(笑)。
美しいものもいいけれど、こういう醜さばかりを取り上げてる漫画を読むと
反面教師的な効果を得られる節があって、そう考えると実は高尚な作品でもあるのかもしれません。
・・・多分!!(笑)。
ここまで痛快に他人をバカにした作品を読んでると色々な事がアホらしくなるっていうか
半分どうでも良くなる感じもありますよね。同時に抉られてる感覚もあったりするんですけど
それも含めてこの作家の味っていうか、彼にしか描けない内容である事は間違いない。
オタクから政治家までありとあらゆるものを完膚なきまでにこき降ろす、
ある意味現状確認の教科書とも言える高濃度のギャグ漫画。
健全な内容では決してないので、
読む人が読めば嫌悪感をもよおす可能性すらあるのですが、
逆にこういう毒だらけの作品が好きなら多分大笑いしてしまうくらいハマってしまうこと間違いなし。
何気に絵も上手い作家さんなので汚いギャグ漫画なのに割とスラスラ読めるんですよね。
そういった器用さもまた見所の作品、かな。

彼の読者なら知ってる通り、この「にゅーたん」は過去作「みーたん」と世界観を同じくしており、
ぶっちゃけ言えばただ単純にキャラと設定を変えただけでやってる事は同じなんですけど(笑)。
ただ、なんだろう、彼の成年漫画も好きなんですけど
やっぱり自分は「みーたん」から友美さんの漫画を読み始めたので
正直復活しました、みたいな感じで
個人的には嬉しくもありましたね。毒や批評性のある作品は多々あれど、
ここまで「他人をバカにすること」に尽力されてる漫画って意外とないと思うんですよね。
キャラに関しても絵が上手いにも関わらずわざと適当に描いてる節があって
キャラ漫画には絶対にしない、っていう信念も感じられて
その徹底された嘲笑へのこだわりっていうのは本当によく考えないまでも貴重だと思うんです。
適当な展開だったり、投げやりっぽい原稿、他作品丸パクリだったり
よくもまあここまで汚く出来たな!っていう思い切りの良さ、売る気の無さが素晴らしい。
現にこの漫画マニアックどころも揃えてる本屋で探してたら一冊しか入荷してなくて。
多少知られてないのがもったいないな・・・
って思う気持ちもありますが
だからこそこうやって記事も書いてるんですが
まあ知名度がないからこそここまで好き勝手描けるのも事実なんでしょうね。
実は真剣に遊んでるんじゃないのか、ってガチな匂いも感じる怪作
久々に友美さんの裏の真骨頂が読めて面白かったです。今後も是非このテンションで、この汚さで(笑)。
「みーたん」が好きなら確実にこの作品も好きでしょ、って言える位の安定感はある作品でした。





しかし、某県のネタは流石に言い過ぎで頭抱えるレベルですね。
「地図から消してやる!!」とか、どんだけ外道なネタなんだか(笑)。
ここまで道化を演じ切ってる作品も本当にないよ!



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