超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

曽我部恵一BAND「曽我部恵一BAND」全曲レビューその9「サマーフェスティバル」

2013-10-02 14:29:58 | 音楽(全曲レビュー)






















9.サマーフェスティバル


















ソカバンで「サマーフェスティバル」ってタイトルだと
いかにも陽気なロックンロールを想像しがちだと思うんですけど、
むしろ相当アンニュイな曲なんだな。でも、それが最高にツボなんですが(笑
(一応アップテンポではありますが)

人生は、努力して叶わなくても
大切な人と仲違いしても
目の前の出来事に納得が出来なくても
誰かとの価値観の共有により満足や安心を得れなくても
「ずっとこのままでいたい」と思っていても
容赦なく続く
容赦なく変わり続ける

でも、ふとそんな風にあの日の嬉しさや悲しさがもう今の自分のものではなく
遠い日の記憶の一部に過ぎないんだ、って思うと何となく心に侘しさやある種の空しさが灯る事があります
そういう理屈や意識の変革などでは感じる事を避けられない絶対的な感情を歌ってくれてるので
これもまた確かに自分にとって必要な楽曲の一つだと思える・・・
そういう曲ですね。


この曲を聴いていると個人的には琴線を揺さぶられてしまうというか
「続いていく」悲しみをそこはかとなく想起してしまったり
もう二度と会えない人々を思い出したり
もう二度と戻る事の出来ない日々を今更惜しむ気持ちが沸いてきてしまったり
そういうアンニュイな気持ちに作用してくれるし、でも「続いてる」という事がその分希望になり得る感覚もあり
基本的にそこまで明るい感情を歌っている訳ではないんだけど、全部が全部ポジティブから外れてはいない
それすら入り混じった複雑かつ素直な気持ちを表現してくれてるので余計に好きなんですよね

昔の懐かしい恋愛漫画を彷彿させるようなノスタルジー感も堪らないし、
ドラマチックに加速していく間奏や沸点を刻んで終わるアウトロの感触も好み
個人的にアンニュイな感情をくすぐってくれる曲が大好物なのでその意味じゃかなり私好みのナンバーですね
ふと物思いに耽りたい時にはこれ以上なく似合う楽曲。
これもまた大好きな一曲です。













どこからか
くだらないラブソング
笑うきみの顔 思い出す
人生は鼻歌のように
ただ今日も流れてる


曽我部恵一の、聴いてるだけで情景が鮮明に浮かんでくるセンスが今も昔も本当に好き。
夏の終わりに聴くのにも適している曲だと思う。





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