超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

デッドマン・ワンダーランド 第12話(最終回)「救済」 感想

2011-07-03 05:29:44 | アニメ






温かい雨。






「死」という概念が幸せである、と。
これはちょっと分かる部分もあるなあっていうか
単純に色々なしがらみから解放される訳ですからね。
そりゃ楽だし
痛みもないし
余計な苦しみも悲しみも何も感じずに
ただ単に命をまっとう出来る。このデッドマン・ワンダーランドはそんな場所でもあるんだと。
席の奪い合いをリアルでやってしまっている場所。
だからこそ分かりやすく
死んでもまたメリットがある、と。

それに対する解答は・・・もう既に丸太が出してくれていましたね。
生きる理由や意味を見いだせなくても
目の前にいるたった一人の
それだけの為に生きる。
これもまた明瞭で分かりやすい主張じゃないですか。
個人的にそこに正不正云々は要らないと思っていて、選ぶか選ばないかの違いなんですけど
ただそれを強制されるのは救いでもなんでもないと思います。
思想を押し付けられるのなんて、それこそ苦しみじゃないですか?
そういう意味でこの結末は正しいし
それが丸太の奇跡パワーではなくシロの力を借りて、って展開も良かったですねえ。
その前にシロに対して反省の意を示してる事と
一回仲違いがあったからこそ
説得力も増す、ってもんです。絶望だらけで希望がわずかだったとしても、そのわずかを追い求めて生きる。
物語としてはある意味美しい着地点ではなかったのではないでしょうか。

とはいえ
最終回を観ればこの後の展開も色々とあるのは明白で
俺たちはこれからだENDなのは間違いないんですけど
正直物語のストレートな面白さって意味ではかなり原作に興味を持った作品ではあります。
その意味で個人的にはかなりの成功作でした。
完結した時にでも一気読みしようかな、と。





総評。
実に面白かったです。
最近は人が死なないバトル物が定着してるってイメージの中で
登場人物がバンバン死んでいくのは
賛否両論あると思いますけど
これが一つの正しい形でもあると思うんですよね。
実際はもっともっと、だろうから、命なんて簡単に消えるって事実を示唆してる
それでも必死に喰らい付く事には意味がある、ってラストにも繋がって
その点じゃ個人的には好感触でした。

あと残虐な設定って思われたデッドマン・ワンダーランドがこの世界そのもの、って
気付けた時もまた面白さに違いがありましたね。
別の意味ではこの世界のが下手に締め所がないから辛いんじゃないか、って思ったくらい。
でも、それでも最終的には丸太の意見に同意、というか
必要なのは信念とか想う気持ちなんだな、と。
意外にあの女看守が見方になってくれそうな予感もしますしね。
そこまでして必死に喰らい付いた希望には
確かに意味があって
尊くもあって。
結構に考えさせられるアニメでした。今期の中でもいい線行ってたんじゃないですかね。内容的にね。


ってな訳でここから夏の新番組、2クール目に向かいます!
春期もお付き合い下さってありがとうございました。




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