超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 第5話「トンネル」 感想

2011-05-13 02:03:55 | アニメ





ゆきあつはネタキャラじゃない。





ゆきあつを笑えない、的な事を書いてコメントも同様に頂きましたが
彼は、ただ単に固執や趣向であの女装をやって居た訳ではなく、過去への贖罪だった。
あの日あの時、ゆきあつが告白した事でめんまが動揺し、例の出来事があったと思っている。
だから、めんまの格好をして彼女を呼ぼうとした。
化けて出るなら自分の所へ来い、と。
俺の責任なんだからと。
だから、じんたんへの嫉妬という意味合いとは少し違ったのかな。
 ただ、結構色々な解釈が出来る描き方だなあ、というか
観る人によって捉え方なんて違うのかも。
ただ一つ言える事は彼は今でも一途にめんまを想い続けている。その果ての行動がそれだった。
幼い頃の消えない恋の痛みを未だに引きずって。
それは一種のファンタジーかもしれないが
実際幼少時の後悔や精神の痛みって案外大人になっても残ってるもので。それの所為で動けなかったりね。

つるこはつるこで、そんな彼を解放してあげたくて。
だからこの作劇を仕組んだ訳なんですけど、そんな彼女の本心は分からず仕舞いだった。
けど、やっぱり彼女もめんまのことを未だに追っかけてるのは間違いなくて。
その分ゆきあつへの想いも気になるところですけど。


鳴子は今風の友達と付き合いつつも、そこに心はない。
ただ単に心の隙間を埋めているだけ。
気にして欲しいだけ。
それが証拠に、超平和バスターズに居る時との温度差が凄くて、実際戻りたがってる節あると思う。
それに、ああいう軽いノリは彼女に合わないんじゃないかな。
適当に遊んで
適当に身体を重ねる。その場限りの快楽。じゃなくて、もっと後々残る思い出を作った方がいい。
その場所はきっと、懐かしいあの場所だと思うけど
じんたんがいつまでもめんまに捉われている限り、彼女もまた動けないんだよねぇ・・・。難しい問題だな。

ぽっぽの場合、えらい能天気な一面ばかりが強調されていたが
それはある種の強がりだったのかもしれないね。
ゆきあつとは違う形での、じんたんへの羨望。彼だけめんまと話せる事に対しての焦燥。
その結果がラストの尋常じゃないテンションの問いかけだった。
無作為に取り出した「成仏」という言葉は、めんまと、そしてめんまを想うじんたんにとっては
あまりにも重くて
あまりにも悲しい。
その先にあるものを意識させられてしまったかのような感覚。

じんたんはめんまの力になってやりたい気持ちはあるものの
一度「終わり」を意識してからはこっち
再び動けなくなってしまっている。
そして、めんまもめんまで分からなくなって、辛くて、泣いて・・・。
誰もが過去に捉われたまま、ゆきあつの云うとおり取り残されたままでいる現実。
そこから抜け出せるのか、
抜け出せる日はやってくるのか、そしてそれはどういう事なのか。想像すると色々と思う所もありますけど
それでも今は彼らが少しでも前に進めるように、歩き出せるように。

物悲しくも温かい空気感が観心地の良い5話でした。
相変わらず、至高ですね。




みんなが過去というトンネルから抜け出すこと・・・それが一つの目標になった気もします。
改めて、向き合っていこう、と。




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