超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

河下水希新連載「あねどきっ」(ジャンプ32号感想)

2009-07-06 19:48:11 | クロス・マネジ(WJ系)
今週のジャンプ感想です。
と、いっても一作品が中心になってます。
ネタバレ注意では以下↓




あねどきっ:河下水希
心待ちにしていた河下水希の新連載!
名作「初恋限定。」を経ての新連載なんで否が応にも期待が沸く沸く。
この一週間待ち遠しかったです。
また彼女の漫画が毎週読めるなんて。
ジャンプで1番好きな漫画家は河下水希とかずはじめです(どっちも女性だな)。


そんな前置きはさておき、この漫画の率直な感想としては「いろんな作品が混じっている」。
音楽にたとえればマッシュアップみたいなものでしょうか。
彼女の自作はもちろん、ほか作品の要素も垣間見れて、ある意味王道でありながら新鮮な感触も味わえる一作かと。

まずヒロインの萩原なつきは、前作で人気だった山本岬をリボーンさせたようなキャラだし、
性格と主人公の落合洸太との関係性は「りりむキッス」を彷彿とさせるし(学校にくるシーンなんか正に)、
冒頭の始まりなんかはモロに「いちご100%」チックだし。
なんか今までの連載の要素が、年上のお姉さんとの同居というベタなフィルターに通して再構築されているような、
総まとめ的な印象を持ちました。

ま、これらは河下ファンとしての視点なんであれですけど
それを抜きにして考えると
非常にストレートなシチュエーションで勝負を賭けて来たなと。
小細工は一切無し、不良との絡みも含めてベタをそのまま描いてる印象で。
また、少年少女のジュブナイル的な一面も併せ持っているのでそこをこれからどう活かしていくかが鍵か。
  個人的にこの人が描くベタには心地よい安心感を受けるので1話の時点でかなり気に入ってます。
布団に入り込む一連のシーンとかいいわ。
ただ性的なだけじゃなくて、作品のテーマ性を何気に示唆しているところが良い。
これは「大人になる物語」、なんじゃないかと。

で、もう一つ思ったのは最近のトレンドも意識してるような印象が。
ライバルヒロインであると思われる桜井奏なんかは今までの河下作品では珍しいキャラだなと思って。
いや、性格だけなら珍しくないんですがキャラクターデザインや仕草なんかが
近年の日常系4コマとか深夜アニメのキャラクターに近い感じがするんですよ。
元々少女漫画の人なんで、ここまで萌えを意識したキャラデザは新鮮で面白いな、と。
コケティッシュな魅力を持つヒロインですね。
 で、更に思ったのは主役二人の会話の部分に「かんなぎ」に近いものを感じるんですよね。
時々洸太(こーちゃん)が仁に見えるというか。
親が出張で二人で暮らすという関係性もそうだし。
ここら辺も意識したのかな、と勝手な想像をしつつ。


いや、しかし河下漫画ならではの「歪んだ」「狂った」展開も面白かったですね。
強引に空間を捻じ曲げる感覚というか。
例えば主人公の親父がいきなり転勤決まって駆け出していくシーンとか、まずありえないしツッコミどころなんですが
個人的にはそれが面白いと思うんですよ。良い具合に現実離れしていて。
現実だけど現実ではない。リアリティがあるのにリアルじゃない。
彼女の作品のそういった「グレーゾーン」が私にとってはツボなんですね。
河下水希みたいな作風の人は河下水希しか居ないと思っています。


で、ここから先の展開についてですが、
ヒロインの萩原なつきはどこから来たのかもわからない家出娘な訳で
それを考えると後々にシリアス展開が待ってそうな予感がしますね。
彼女の友人とか兄弟とかも出てきそう。親がラスボス?
  そして大人になりたがっている主人公の落合洸太。
彼の成長に関してもじっくりと描かれていけばよりよい作品になるんじゃないかと思います。
ってか、何気に彼も河下漫画の主人公としてはちょっと珍しいかも?子供系というか。


これから出来るだけこの作品を追いかけていこうと思います。プッシュ体勢に入ります。
うざがられない程度に。

単行本出たらAmazonでレビューもすると思うので、よろしければ読んでやってください。


にしても表紙と巻頭の絵、可愛いな~!!



SKET DANCE:篠原健太
メディアミックスが決まったからなのか、掲載順高いですね。
にしても「幼馴染」の部分ではかなり笑った。あのルックスでアレって。


ピューと吹く!ジャガー:うすた京介
作者が監禁されてたらしいです。で、こんな展開になったと。
な~る。
酷いオチだな(笑)



この後ライブレポ書きます。




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