超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

THE NOVEMBERS「Moire.1」@Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE 12.5.10

2012-05-12 01:09:12 | ライブレポ





THE NOVEMBERSの自主企画ライブ「Moire」に行って来ました。






実に半年ぶりとなるTHE NOVEMBERSのライブでしたが・・・はっきり言ってヤバかったです。
こんな言葉を使うと軽薄に思われてしまうかもしれませんが、それでもヤバかったって言葉を使いたいし
演奏の熱量もピリピリと伝わる気合も尋常ではなくて思わず泣きそうになるくらいに
感情とエネルギーの放出が鮮烈に映って
これまた印象に残る音楽体験が出来た気がしました。これだから、今のノベンバからは目が離せない。
昔からそうでしたけど、ライブに外れがないっていうか
それもまた、たまたまなのかもしれませんけど観る度に衝撃を受けて帰ってくる感覚?が素晴らしくて。
変な話、THE NOVEMBERSが音源をリリースしてライブを行っている
同じ時代に生まれてこれて良かったなあ、とすら思ってしまったような。
これ別に冗談じゃないんですけど。
それくらい・・・感動してしまったライブでした。ツーマンライブでしたけど
観終わればワンマンを体験したかのようなカタルシスが胸の中に残ってて、心から凄いって思えるバンドで。
その「誠意」と「暴走」に本気で感銘を受けた素晴らしい一夜でした。その欠片でも伝わることを願って・・・。

その前に、今回のゲストはPLASTICZOOMSでした。
恥ずかしい話全く知らなかったバンドだったので
曲についての感想は書けません。
けど、独自の雰囲気を持ったバンドだなあとは確かに思いました。
よく分からない部分もあったので今度観るときはちゃんと予習して観たいなあ。






1.STAY AWAY

一曲目からニルヴァーナのカバー。トリビュートに収録されてる曲ですね。
こんな事を書くのもアレなんですけど、本当に半分はオリジナルの楽曲みたいに響いてた。
あまりにも強靭過ぎるバンド演奏や必死に声を荒げるボーカリゼイションの凄みに圧倒されまくり
言ってしまえばこの時点でこのライブの「成功」は確約されてたも同然でした。
胸を締め付けられる感覚って言うのはこういう事なのかと。


2.永遠の複製

小林祐介のボーカルや振る舞いって、失礼な意味ではなく時折猿みたいに思える事があって。
それ即ち「原始的」って意味合いなんですけど。この日のこの曲は正にそんな猿化そのものな印象で
AXワンマンの時よりもどんどん肉体的になっているビート感が兎に角凄かった。


3.日々の剥製

前回のAXの時は演出の素晴らしさが目に付きましたが
この日は演出にはそこまで頼らずに、よりタイトになったビートで魅せてくれた感じ
一音一音が磨き上げられてる印象で前回聴いた時よりも好きだったかも。


4.Sea's sweep

大好きな曲来た!この曲はイントロの時点で異世界に誘われたみたいな興奮がありますよね。
いつも以上に「歌」にフォーカスを絞って丁寧に言葉が紡がれていったイメージで
間奏の部分の透き通るようなメロディだったり、
一部分にライトを当てる演出等
地力的な部分とライブならではの演出で両方の視点から楽しませてもらった印象の曲でした。


5.Boy's Don't Cry

The Cureのカバー曲です。いつもとは毛色の違う温かく元気な、柔らかい音像が新鮮な楽曲で
これもまた足りない部分を補うような好カバーに仕上がっていたかな、と。
にしてもカバーって分かってるのにカバーとは思わないその「取り込み感」もまた一つの武器ですね。


6.夢のあと

いつもはライトの演出が瞳の中にずっと残る感じの楽曲なんですが
この日はライトの色も地味目で、演奏と歌そのものって感じのナチュラルな「夢のあと」でした。
それもまた新鮮に受け取れて実に良かったなあ、と。よく口ずさむ一曲です。


7.二ールの灰に

この辺りからキレた小林祐介の登場ですね。音源でも控えめな狂気って感じで
そのギリギリ理性のある感覚が今までのアッパー曲とは違ってる部分なこの楽曲
でもこの日は「she lab luck」並みに絶叫っていうか
クレイジーな雰囲気に実直に酔わされてしまった感覚のパフォーマンスでそれが非常に見事だった。
この曲も「日々の剥製」同様にワンマン以降更に磨き上げられたような印象の一曲でしたね。


8.dysphoria

で、そこからまた歪んだ印象のあるこの曲っていう選曲が素晴らしいんですよ!
この曲は所謂鉄板曲って言っていいくらいに毎回物凄くアガるナンバーなんですけど
それにしてもこの日の引きつった狂いっぷりは鳥肌もので
その場で踊りたくなるくらいに初期衝動の塊を投げつけられたように感覚になれましたね。
サビの「棄てるだけ」もいつも以上に暴力的で最高でした。


9.彼岸で散る青

この曲はライブではもうこの日含めて4~5回くらい聴いてるんですけど
何度聴いても「凄いなあ」って最初に感じた感覚が持続してるんですよね。
それって文字通り本当に「凄い」事だと思うんですよ。
赤ん坊みたいに叫ぶ小林祐介のボーカルも人間味だらけで揺さぶられるし
歌われる度にグッと来る感覚も絶対にあるしで
毎回毎回その日のハイライトとして君臨出来るくらいにパワーと求心力のある楽曲だな、と。
セッションからのイントロもバシッと決まったアウトロも両方格好良くて
これからどんどん威力も華も増す楽曲なのでは、と。個人的に去年で最も聴いたリピートした一曲です。


10.mer

でも、一番ヤバかったのはこの曲だった!!
散々過剰に人間的に叫び倒した後で、こんなにも優しいメロディ、胸に沁みる歌・・・
もう泣いていいですか?って問い掛けたいくらいに素直に感動出来た曲で
その混じり気の無さ、純度の高さに心酔しつつ聴けた感覚でその音に込めた優しさや儚さが
何一つの壁も濁りも無く真っ直ぐに客席側まで伝わって来るような、そんなイノセンスに満ちた楽曲でした。
小林祐介の歌、最高に沁みて滲んでたまらなかったですね。表現力増してるなあ。


encore
11.再生の朝

更に、この曲まで飛び出してきちゃそりゃ特別な印象になるっての!
AXの時はツインドラムトリプルギターのスペシャル編成で人生の中でも印象的な
そんなワン・パフォーマンスにたり得た訳ですけども
でもあれと比べても「物足りない」って印象は個人的にはなかった
むしろ「これはこれで」って感じで4人でやるとよりナチュラルさが際立つ感覚でこれもまた最高レベルで。
ベースの高松くんは太鼓叩きながらベース弾いてコーラスまでこなすっていう
一人何役よ?って状態でしたがその割には違和感なくて良かったです。

何よりも、テンポが速くなるパートの凄まじいまでの生命の放出感が素晴らしかった・・・!
音楽好きでいて良かったって思える瞬間が音楽好きには存在すると思うけど
正にあの瞬間は私にとってのそれでしたね。この曲は鉄板すら越えてると感じました。生で聴いて欲しい曲No.1。


オマケ
MCは少なめでしたが、小林祐介の友達?と思われる方々が「ゆうすけー」と叫んでて
それに対して「まあ、僕はあの方たち知ってるんですが・・・」と笑いながら話してたり
「mer」では真っ白な光の演出がなされてたんですけど
前の方に居る観客がスポットライトを当てられた泥棒みたいな表情をしていて
それが面白かった、とか
後は会場が元映画館なんですけど、「映画館の場合、前方のが嫌がられる最後に買われる席なんですが
今は真逆になってるのが面白いですね・・・」とそんな内容の話をしていて
その内に「・・・この話の着地点が見えなくなって来ました 笑」と多少グダるのもいつも通りで(笑)。
本編では鬼気迫るパフォーマンスを披露してるのにMCでは緩々なのが面白いですよね。
でも、全体的にピシッと引き締まった文句の付け所のないライブだったと思います。
最高に純粋に音楽に浸れた約3時間の企画ライブでした。






総評は、もう本編に全て込めたので残ってはいないんですが
毎回行く度に衝撃を受ける事の出来るバンドはやっぱり凄いと思ったのと同時に
洗練されている部分も往々にして目立っていて
その初期衝動的な部分と洗練された美しさが同居しているのが今のTHE NOVEMBERSなのかな、と。
それってもしかしなくてもバンドとしては理想の形の一つで
だからこそ今のノベンバのライブは凄いですよ!ってちゃんと伝えたくなるような一夜だったのも確かで。
いやはや、本当は言葉にしたくないと思ったくらいに自分の中では大きなライブだったんですが
それでもこれは一つ一つ丁寧に掘り下げていくべきだな、とも思えて。
冒頭も書きましたが、その少しでも伝われば幸いです。

・・・でも自主企画3連発の内、初っ端からこんな凄いライブやっちゃって大丈夫?とも
杞憂かもしれませんがちょっと思いました(笑)。なんかこれだけで満足する人もいそうなライブでした。
でも、言ってしまえばAXワンマンの時もそうだったのでね。残り2回も最高に楽しみです!




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