こんにちは、西京BOYです。
今日からカテゴリーに「名盤レビュー」というジャンルを加えました。
そもそも今まで音楽の記事では、
Amazonでレビューしてなかった新譜やシングルについて、
または補足的なものが殆どで
過去の名盤についてはレビューしていませんでした。
しかし以前メールを下さったある方が、
レビューのリクエストを書いてくれまして、
それをきっかけにして過去の名盤にも触れていこう!という意欲が沸き、
このカテゴリーを立ち上げました。
仕事の繁忙期は無理だと思いますが、比較的暇な時期に
ちょくちょく更新して行こうと思います。
で、そのメールをくれたある方にリクエストされたアイテムとは
ユニコーンの「ヒゲとボイン」、「ケダモノの嵐」の2枚です。
今回はまず「ヒゲとボイン」について書きたいと思います。
それとこのレビューを依頼された時、お返しのメールで
「来週じゅうに書きます」と約束したんですけど
結果として期限から4日もはみ出てしまった事を深くお詫びします。
申し訳ありませんでした。(情けない)
まず私とユニコーンとの出で立ちなんですが、
以前にも書いたように「PANIC ATTACK」を学生の時に聴いて、
で、最近出た「シャンブル」で久々に再会という感じなので
まだまだ知識としては浅く、新鮮な気持ちで聴きました。
ちなみに奥田民生のソロに関しては何気にずっと聴いてます。
個人的に特に好きなのは「股旅」と「Comp」の2枚だったり。
そして多くのバンドマンからリスペクトを寄せられている、
ある意味レジェンド的なバンドでもありますね。
今思い浮かぶところだとKING BROTHERS、TRICERATOPS、サンボマスター、
磯部正文(ex.HUSKING BEE 現MARS EURYTHMICS)、monobright、
GRAPEVINE、アナログフィッシュ、STAn、ASIAN KUNG-FU GENERATION等等。
他にも以前のトリビュート盤に参加した面々もそうでしょう。
あとはキャプテンストライダムは最も色濃く影響を受けているというか
正にユニコーン的位置、音楽性を目指しているバンドだと思う。
特に「108DREAMS」ってアルバムは。
なので、意外とレジェンドという割には入りやすく
今回の2枚も中々楽しんで聴けました。
こーいう部分があのバンドに影響与えたのかなあ、とか。
これは現代の音楽リスナーならではの楽しみ方ですね。
では本題。「ヒゲとボイン」について。
良い意味で裏切られたなあ、というか
ジャケットやタイトルのコミカルさに比例して、
個人的にはかなりシリアスなアルバムだと感じました。
あとは大人の男性ならではのやるせなさ。
これがこのアルバムを全て聴き終えての率直な感想ですね。
サウンドに関しても、非常に柔軟。
ユニコーンはロックバンドだと思いますが、
ロックバンドというカテゴライズを無視して、
ロックにこだわらずに演奏、アレンジをしている感じですね。
このアルバムでは。
最新作の「シャンブル」は逆にロック色が強めでしたが。
最近の民生のロックモードに引っ張られたのかな。
またこのアルバムは本当に作曲をしているメンバーがバラバラで
ボーカルに関しても均等に歌っている感じがします。
流石に奥田民生はちょっと多目ですけど
中盤に関してはほぼ他のメンバーで歌われてます。
こうして考えてみると、今更ですがかなり特殊なバンドだった、という
事実が浮き彫りになってきます。
というか今でもこういうバンドは見当たらないですし、
音のジャンルレス感は、流石に今ではバンドのステータスの一部ですが
この当時にこういう音楽をやっていたというのはやはり凄い。
このアルバムの好き勝手ぶりは異端とも言えます。
今聴いても、ちょっと新しい感じがしますね。
特に「立秋」の中盤からの変わり振りには度肝を抜かれました。
全然古くない。
個々の曲について考えてみると
皮肉、あるいは社会への批評性を感じる歌詞が目立つなあ、と。
まず1曲目から重たいビートでどっしりと始まり
「聞こえてくるのは車たちの 悶える声」(ターボ意味無し)という
これまた重たい歌詞で幕開けを飾ったと思えば
3曲目「ニッポンへ行くの巻」では軽快なビートと
サーフロック調のバンドアレンジで耳ざわりのいい音楽が聴こえてきます。
それと同時に歌詞では、
「犬がほら 服を着てる」
「あそこの女たちはブロンドに弱いから
見ただけで キスしてくれたよ」
「車はいつもピカピカにしとけよ」
とか、上辺だけの社会通念に皮肉を吐くような歌詞になっているのが凄い。
この曲はこのアルバムの中でも特に好き。
その他にも「幸福」という曲では「パパがママを殴った」というフレーズが
印象的な牧歌的でありながら深みのある曲になっており
(てか、タイトルが「幸福」なのにこの歌詞の内容は・・・)、
オカマの恋愛の顛末について激しく歌った「ザ・マン・アイ・ラヴ」、
立ち退きを要求された家族を歌った「家」、
死ぬ寸前のしがない老人の心を歌う「Oh,What a Beautiful Morning」、
しんみりとしたラブソング「立秋」「フリージャズ」など
よりどりみどりな内容。
曲調に関しては、そこまでアグレッシブな曲は無くて
むしろシックにまとめてる感じで
ある意味成熟している印象も受けますね。この時点で。
それでありながら詞の世界観は、実は凄い深く感じる。
で、あと重要な2曲が最後に固まっています。
まず今回メールをくれた方からもオススメされた
日本人と外国人との恋愛を歌う「車も電話もないけれど」という曲。
確かに、サビのメロディといい、シンセの使い方といい
このアルバムの中でも際立った名曲だと感じます。
あとは前述してたようなしんみり感や切なさがこの曲では無いんですよね。
アルバムの中では唯一、希望を感じさせる楽曲です。
だからこそ、このアルバムの中で目立っているようにも思えます。
それに続くタイトル曲「ヒゲとボイン」も名曲だな、と思う。
サビのメロディーの高揚感はもちろん、
最後の最後でこういうアグレッシブで元気一杯のアレンジ曲が
鳴らされるという演出はいいですね。
あと長年の謎でしたが「ヒゲとボイン」っていうのは
「仕事か女か」という事だったんですね。スッキリした。
どーいう意味なのかずっと気になってたんで。
総括すると、これは意味深なアルバムですね。
シックで柔軟、で時々アグレッシブになるサウンドの方向性や
一見、適当に見えて実は人生の苦味や切なさ、または皮肉を感じさせる歌詞といい
聴き手に想像させる作品というか、
何かを投げかけているアルバムだなあ、というのが最終的な印象です。
その「何か」というのは敢えて断定せず
各々の感性に委ねてる感じもありますが。
今聴いても、かなり面白いアルバム。
サウンドに関してはそこまで弾けてる感じではないですが
確かにこれは名盤だと思います。(本心で)
という訳でユニコーンの「ヒゲとボイン」でした。
このまま「ケダモノの嵐」に続きます。
こちらもよろしく。
今日からカテゴリーに「名盤レビュー」というジャンルを加えました。
そもそも今まで音楽の記事では、
Amazonでレビューしてなかった新譜やシングルについて、
または補足的なものが殆どで
過去の名盤についてはレビューしていませんでした。
しかし以前メールを下さったある方が、
レビューのリクエストを書いてくれまして、
それをきっかけにして過去の名盤にも触れていこう!という意欲が沸き、
このカテゴリーを立ち上げました。
仕事の繁忙期は無理だと思いますが、比較的暇な時期に
ちょくちょく更新して行こうと思います。
で、そのメールをくれたある方にリクエストされたアイテムとは
ユニコーンの「ヒゲとボイン」、「ケダモノの嵐」の2枚です。
今回はまず「ヒゲとボイン」について書きたいと思います。
それとこのレビューを依頼された時、お返しのメールで
「来週じゅうに書きます」と約束したんですけど
結果として期限から4日もはみ出てしまった事を深くお詫びします。
申し訳ありませんでした。(情けない)
まず私とユニコーンとの出で立ちなんですが、
以前にも書いたように「PANIC ATTACK」を学生の時に聴いて、
で、最近出た「シャンブル」で久々に再会という感じなので
まだまだ知識としては浅く、新鮮な気持ちで聴きました。
ちなみに奥田民生のソロに関しては何気にずっと聴いてます。
個人的に特に好きなのは「股旅」と「Comp」の2枚だったり。
そして多くのバンドマンからリスペクトを寄せられている、
ある意味レジェンド的なバンドでもありますね。
今思い浮かぶところだとKING BROTHERS、TRICERATOPS、サンボマスター、
磯部正文(ex.HUSKING BEE 現MARS EURYTHMICS)、monobright、
GRAPEVINE、アナログフィッシュ、STAn、ASIAN KUNG-FU GENERATION等等。
他にも以前のトリビュート盤に参加した面々もそうでしょう。
あとはキャプテンストライダムは最も色濃く影響を受けているというか
正にユニコーン的位置、音楽性を目指しているバンドだと思う。
特に「108DREAMS」ってアルバムは。
なので、意外とレジェンドという割には入りやすく
今回の2枚も中々楽しんで聴けました。
こーいう部分があのバンドに影響与えたのかなあ、とか。
これは現代の音楽リスナーならではの楽しみ方ですね。
では本題。「ヒゲとボイン」について。
良い意味で裏切られたなあ、というか
ジャケットやタイトルのコミカルさに比例して、
個人的にはかなりシリアスなアルバムだと感じました。
あとは大人の男性ならではのやるせなさ。
これがこのアルバムを全て聴き終えての率直な感想ですね。
サウンドに関しても、非常に柔軟。
ユニコーンはロックバンドだと思いますが、
ロックバンドというカテゴライズを無視して、
ロックにこだわらずに演奏、アレンジをしている感じですね。
このアルバムでは。
最新作の「シャンブル」は逆にロック色が強めでしたが。
最近の民生のロックモードに引っ張られたのかな。
またこのアルバムは本当に作曲をしているメンバーがバラバラで
ボーカルに関しても均等に歌っている感じがします。
流石に奥田民生はちょっと多目ですけど
中盤に関してはほぼ他のメンバーで歌われてます。
こうして考えてみると、今更ですがかなり特殊なバンドだった、という
事実が浮き彫りになってきます。
というか今でもこういうバンドは見当たらないですし、
音のジャンルレス感は、流石に今ではバンドのステータスの一部ですが
この当時にこういう音楽をやっていたというのはやはり凄い。
このアルバムの好き勝手ぶりは異端とも言えます。
今聴いても、ちょっと新しい感じがしますね。
特に「立秋」の中盤からの変わり振りには度肝を抜かれました。
全然古くない。
個々の曲について考えてみると
皮肉、あるいは社会への批評性を感じる歌詞が目立つなあ、と。
まず1曲目から重たいビートでどっしりと始まり
「聞こえてくるのは車たちの 悶える声」(ターボ意味無し)という
これまた重たい歌詞で幕開けを飾ったと思えば
3曲目「ニッポンへ行くの巻」では軽快なビートと
サーフロック調のバンドアレンジで耳ざわりのいい音楽が聴こえてきます。
それと同時に歌詞では、
「犬がほら 服を着てる」
「あそこの女たちはブロンドに弱いから
見ただけで キスしてくれたよ」
「車はいつもピカピカにしとけよ」
とか、上辺だけの社会通念に皮肉を吐くような歌詞になっているのが凄い。
この曲はこのアルバムの中でも特に好き。
その他にも「幸福」という曲では「パパがママを殴った」というフレーズが
印象的な牧歌的でありながら深みのある曲になっており
(てか、タイトルが「幸福」なのにこの歌詞の内容は・・・)、
オカマの恋愛の顛末について激しく歌った「ザ・マン・アイ・ラヴ」、
立ち退きを要求された家族を歌った「家」、
死ぬ寸前のしがない老人の心を歌う「Oh,What a Beautiful Morning」、
しんみりとしたラブソング「立秋」「フリージャズ」など
よりどりみどりな内容。
曲調に関しては、そこまでアグレッシブな曲は無くて
むしろシックにまとめてる感じで
ある意味成熟している印象も受けますね。この時点で。
それでありながら詞の世界観は、実は凄い深く感じる。
で、あと重要な2曲が最後に固まっています。
まず今回メールをくれた方からもオススメされた
日本人と外国人との恋愛を歌う「車も電話もないけれど」という曲。
確かに、サビのメロディといい、シンセの使い方といい
このアルバムの中でも際立った名曲だと感じます。
あとは前述してたようなしんみり感や切なさがこの曲では無いんですよね。
アルバムの中では唯一、希望を感じさせる楽曲です。
だからこそ、このアルバムの中で目立っているようにも思えます。
それに続くタイトル曲「ヒゲとボイン」も名曲だな、と思う。
サビのメロディーの高揚感はもちろん、
最後の最後でこういうアグレッシブで元気一杯のアレンジ曲が
鳴らされるという演出はいいですね。
あと長年の謎でしたが「ヒゲとボイン」っていうのは
「仕事か女か」という事だったんですね。スッキリした。
どーいう意味なのかずっと気になってたんで。
総括すると、これは意味深なアルバムですね。
シックで柔軟、で時々アグレッシブになるサウンドの方向性や
一見、適当に見えて実は人生の苦味や切なさ、または皮肉を感じさせる歌詞といい
聴き手に想像させる作品というか、
何かを投げかけているアルバムだなあ、というのが最終的な印象です。
その「何か」というのは敢えて断定せず
各々の感性に委ねてる感じもありますが。
今聴いても、かなり面白いアルバム。
サウンドに関してはそこまで弾けてる感じではないですが
確かにこれは名盤だと思います。(本心で)
という訳でユニコーンの「ヒゲとボイン」でした。
このまま「ケダモノの嵐」に続きます。
こちらもよろしく。
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