アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

森の草花を調べる観察会に参加しました。

2014-05-29 18:18:44 | 小さな旅
  とよた森林学校が主催する観察会「森の草花調べ(春)」に参加しました。この会は全3回の催し物。第一回は4月15日に、稲武地区面の木峠で開かれました。
  
   名古屋市教育センターを抜けた所にある石碑から出発。人工林からブナの原生林に入るコースです。最初に見たのがこのスミレ。ニョイスミレだそうです。

   昨日、家の敷地内でも発見しました。

   観察会の講師は豊田市森林課の北岡明彦さん。彼がこの時期、もっと好きな新緑だといって教えてくださったのがこの木。イヌブナです。ひとくちに新緑といっても、その色はそれぞれ微妙に異なります。葉の大きさや厚さによっても違って見えます。新緑の美しさは、こちらに来てはじめてしみじみ感じるようになりました。





   
   道すがら、このブナ林ならではの植物をたくさん見ました。それぞれ名前を教えていただいたのですが、メモと写真が照合できないので、並べました。

   はっきりわかるのは、このスルガテンナンショウ。うちにあるヤマザトテンナンショウとは、頭の色が違いますが、ユニークな生態はおなじ。このテンナンショウ、別名マムシグサはなんと成長の途中で性転換するのです。

   沢に沿って、上っていきます。目指すのは、面の木園地。標高1000mくらいの場所です。このあたり一帯は、ブナの南限地帯。ブナの原生林が続いています。

   一部、スギやヒノキの人工林もありますが、間伐がされているので、日当たりがよく、ブナやそのほかの雑木に混じって、自然林のような様相になっているそうです。スギやヒノキがあっても、こういう森なら気持いい。
   
    でもやはり、ブナを中心にした森は、美しい。さまざまな鳥の鳴き声も聞こえます。

    園地まで2時間弱かけて歩きました。途中でカメラの電池がなくなったので、写真はここまで。

    午後は、小雨が降るなか、面の木峠をのぼり、ほぼ400年前に生まれたブナの原生林を見に行きました。太平洋側のブナの寿命は400年。あと何十年かで消えてしまうブナ林です。霧が立ち込めた森は、幻想的。昔の人が、山の中で、妖怪や精霊の気配を感じるような気がしたのも、わからないこともないなと思わせる雰囲気です。

    今年は、ブナの実生が例年になくたくさん生えているそう。とくにブナの木の周りには、あちこちにかわいいブナの苗の本葉が発見できました。

   でも、北岡さんによれば、これらの苗のうち、成木になるのはごくごくまれ。それに、このまま温暖化がすすめば、愛知県のこの地方が400年前のようにブナの生育に適した土地であり続ける可能性は少ないとのこと。だから、なんとか生き延びても、親木のようにこの先400年成長し続けるかどうかはわかりません。

   ずっと前から参加したかった北岡さんの観察会。一日ほとんど急な山道の上り下りだったのでついていくのが精一杯でしたが、空気も景色もよくて、話もすべて興味深く、たのしい一日でした。

   

    

   
    


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