70年代に京都で見た、と思い込んでいましたが、どうも見ていなかったらしいので借りました。https://mihocinema.com/algeri-tatakai-81090
アルジェとはアルジェリア。50年代から60年代初頭にかけての、フランスからの独立運動を描いた作品です。映画の中で、「フランスとアルジェは130年続いた仲」と言っていたので、植民地時代が長い。モスクを取り壊してキリスト教の教会に建て直したりしていたそうで、抑圧の歴史も長かったろうと想像されます。
ヨーロッパ人の居住区と現地のアラブ人たちの居住区は分かれていて、ヨーロッパ人は圧倒的に裕福な暮らしをし、アラブ人は差別され、貧しい暮らしを余儀なくされています。
主人公は青年アリ。ヨーロッパ人からひどい屈辱を受け、仕返ししたために投獄されます。その後、地下組織であるアルジェリア人民解放軍に入ります。解放軍は、フランス政府との間での平和的な交渉を望みますが、応じない政府に対して、活動は過激化。アリはテロリストとして、解放軍の重要人物になっていきます。
頻発するテロに危機感を持ったフランスは、軍人に強い権限を与えて制圧に乗り出します。テロが起き、死者が出ると、軍はアラブ人を大量に検挙し、その中のめぼしい人物を拷問にかけては、反政府勢力の組織の実態とアジトをつかんでいきます。
組織はいったん壊滅状態に。しかし60年代初め、突如起きた民衆の運動がきっかけで、独立を勝ち取ります。
映画はモノクロ。カスバの階段と白壁が、印象的です。軍隊に追われるテロリストや活動家たちは、カスバの細い階段を駆け抜け、白い壁の向こうへ。そこで、彼らはかくまわれ、生き延びます。
銃撃シーンやモブシーンはニュース映像なのかと思うくらい緊迫感がありました。映画を作ったのは、イタリアとアルジェリア。イタリア映画もフランス映画も力があって面白かった時代の映画の一つなのだろうなと思いました。
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