アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

ダム湖に沈む集落のウバヒガン桜を見に行きました。

2016-04-06 23:15:57 | 小さな旅
   稲武の隣町・設楽町のダム建設予定地の中にある、八橋地区に行ってきました。一昨年にはほとんど移転を終え、集落は今はもう全く無人。住居跡らしい礎石が、あちこちに残っているだけでした。

   ドライブの目的は、取り壊された八橋小学校のそばにあるという、大木、ウバヒガン桜を見るためです。

   この場所は、戦前まで旧八橋小学校があったところで、高台にあるため、水没からはまぬかれることになったのだとか。学校は下の平地に戦後移転した、と立て札にかかれていました。桜は予想以上に立派でした。

  さて、私は、保育園の年長組の秋から小学校3年生の春まで、設楽町田口に住んいました。中年になって、田舎暮らしをしたくなったときに真っ先に思い浮かべたのは、こどものころに見た、設楽の山や田畑の風景でした。

   その設楽にほど近い稲武にすむようになったのは、12年前。そのころには、すでに設楽ダム建設の話が持ち上がっていました。でも、反対運動も根強くあり、おそらく計画は中断するだろうという噂が聞こえていました。ダムを作ることが、かならずしも、治水や水資源確保に有効とは限らないし、生態系が大幅に変わることになるわけなので、ダム計画がなかなか進まないのは、いいことだと思っていました。

   ところが数年前に突然、ダム建設が本決まりし、急ピッチで工事が進められました。

   私は設楽町の田口小学校時代、八橋小学校に遠足に行ったことがあり、ダム湖に沈むと聞いたときからずっと行ってみたいと思っていました。
 
    先日設楽町関連のフェイスブックで、この八橋小学校のほど近くにあるウバヒガン桜が五分咲きだとの記事をみて、はじめて、学校のそばに、樹齢の古いこの桜があることを知りました。私はずっと、小学校の校庭にある桜見物が、あのときの遠足の目的だと思っていましたが、たぶん、そうではなくて、この大きなヒガン桜を見ることが目的だったのでしょう。

    ウバヒガン桜のある高台からは、あたりの風景が一望できます。小学校跡地らしき場所もだいぶ離れたところに見えます。

    私の記憶では、桜の木の下でお弁当を広げていた時、校舎の中の子供たちの姿も見えたのですが、あれはどうやら偽造記憶のようです。

    こちらがたぶん、学校の跡地。寒村の小さな小学校だったようです。やはり、建っているうちに見にきたらよかった。

    このきれいな川の流れも、昔見たのかもしれません。いずれにしろ、設楽町の中心田口からこちらまでは約6キロ。小学校1年生か2年生の足で、よくあるいたなとおもうのですが、当時としてはたいしたことのない距離だったのでしょうか?

    行きは、稲武から峠を越えて川向から八橋への道をとったのですが、ダム工事のせいで、大型トラックが多くて狭い道を走るのがこわかったので、帰りは逆の道をたどり、津具を抜けて名倉に出ました。

    あぐりステーションなぐらのそばの川岸の桜、5分咲きくらいでしょうか? 約1.3キロ続く桜街道です。一度、端まで歩こうとおもいつつ、毎年はたせずにいます。きょうも、数百メートルで引き返しました。

    稲武の瑞龍寺の枝垂れ桜もそろそろ見ごろのようです。カフェ・ヒトトキのある古橋懐古館周辺も、桜が咲き始めました。山里の春、これからが本番です。
コメント
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