いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

筋違いの退陣表明。 unreasonable expression of retirement

2016-12-01 19:42:00 | 日記
 (1)韓国は大統領制だから国の政治指導者は日本のように国民から選ばれた議員構成の「国会」が首相を選ぶのと違って、直接「国民」の投票で選ばれる。
 その韓国の朴大統領は長年の友人の民間人に所信表明演説原稿を事前にみせたり、融資に便宜をはかった疑いがもたれて政治の私物化が国民から糾弾されて、支持率が4%といわれて連日国民による大規模な即時退陣デモが報道されている。

 (2)これに対して朴大統領は29日に記者会見を開いて任期前の辞任を表明し、その取り扱いを「国会」に責任を丸投げして国会の決定に従うと述べた。
 「国民」の投票で選ばれた大統領が、その退陣を「国会」の決定に従うという、まったく理屈に合わない論法を無視した延命工作は筋違い(unreasonable expression of retirement)の不合理な理論を展開したことになり、理解できない。

 国会構成で与党が多数を占める中で、政権継続に有利な展開に持ち込もうという狙いがありありの不合理な選択だった。

 (3)朴大統領が疑惑の中で国民からの支持率が4%という中で、大統領職にこだわるのは友人、側近が逮捕されて朴大統領にも検察の取り調べ、事情聴取が及ぶことから、権限を保持してそれを先延ばしして回避しようという思いがはっきりしている。

 国民から選ばれた朴大統領は、日本との歴史認識問題で強硬姿勢を貫いて一時は60%台の高い支持率を得ていたが、その支持率が現在は4%と完全に信任を失っていながら大統領の職、政権の継続にこだわるのは検察の訴追を先延ばし、拒否、弾劾逃れの理不尽そのもので、事態を自らさらに深刻化させるだけのものでしかない。

 (4)年末に東京で予定されている日中韓首脳会談は日本側は開催意欲を示しているが中国は否定的で、辞意を表明して支持率4%の国民の糾弾を受ける朴大統領が出席しても意味はない。

 韓国初の女性大統領の朴大統領はアジア女性の時代を象徴するものとして期待したが、政策は日米韓自由主義陣営の中で持論の中国寄りに終始して中国とともに歴史認識問題で日本と対立をくり返して米国から懸念を示されて、協調性、融合性に欠けるところはみられた。

 (5)国内政治でも側近重視で対話不足が問題視されていた。その政治手法が今回の政治の私物化問題として顕在化したものだ。しかも辞意表明の責任を筋違いの国会に丸投げするという訳のわからない不合理性で自身の地位、政権継続の延命工作をすることにつながっていると考える。

 国民から選ばれた大統領の辞意表明が、国会の多数を占める与党の決断に委ねるという不規則な事態を招いている韓国政治は、このままでは正常化の糸口も見出せない。

 (6)結局は朴大統領を選んだ国民の意向、意思、責任により退陣させられることになるのが唯一の正常化への道標(guideboard)となる。
 もうひとつ国民から選ばれた議員構成の国会もこのことを十分に心置きすべきことだ。

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