いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

キューバ危機とウクライナ危機の理由。a reason of cuba crisis and ukraine crisis

2022-02-25 20:10:51 | 日記
 (1)国際政治では「本音」はなかなか、というよりほとんど表には出ない。適当な「理由」をつけて正当化して自国、行動を有利な条件、利益に結びつけるだけだ。「本音」を知っているのは加害者、被害者の利害当事者、当事国だけだ。

 (2)1962年に米ソが対決する「キューバ危機」(cuba crisis)があった。米ソ冷戦時代に米国の「のど元」の共産主義革命国キューバにソ連フルシチョフ首相がミサイルを配備しようと露が艦船で向かい、これにケネディ米大統領がこれを阻止するために海上封鎖をして一触即発の米ソ核戦争の危機かといわれたが、米国の強硬態度にソ連フルシチョフ首相が断念して米ソ核戦争は回避された。

 (3)一説によると老練な政治家のフルシチョフ首相が40代の若いケネディ大統領の政治力、指導力を試したともいわれて、状況からソ連が米国にケンカを売ったとはやはり考えられない。米国社会としては若いケネディ大統領の断固とした決断力、実行力に信頼と安心、希望をもたらした効果は大きい。

 (4)露のプーチン大統領は昨日ウクライナ軍事攻撃、侵攻を開始した。「理由」はウクライナ国内東部の親露派住民が「ジェノサイド」(集団虐殺)を受けているとし「人々を守るため」(報道)のウクライナ軍事攻撃と説明している。

 (5)プーチン大統領はかねてからNATO勢力拡大に対して米国にNATO不拡大を約束させようと協議を続けてきたが、米国は「どこの国にも加盟の自由がある」(報道)と拒否して、ウクライナが西側NATOに加盟する意向をみせていることに露はウクライナ国境沿いに15万人規模の露軍を集結させて軍事緊張が高まっていた。

 (6)プーチン大統領は一線をついに越えたということだが、米国、NATO、同盟国の対応は今のところ限られており、かってはソ連邦に属したウクライナがまだNATOに加盟していない現状では軍事支援することは「理由」がなく、露が主権独立国家を軍事力で侵攻した国際法違反として強い経済金融制裁で対抗するのが手段だ。

 (7)侵攻前の軍事緊張で米国CBS調査でも米世論は53%が「関わるべきでない」と回答しており、米国の対抗「理由」が見当たらないところだ。もちろん露のウクライナ軍事攻撃、侵攻に対して米国、NATO、自由主義圏の安全保障を「理由」に軍事力で対抗すれば、バイデン大統領が言うように「世界大戦」に突き進むことにもなり、米世論を考えなくても米国の対応も当面は限定的な制裁措置になるだろう。

 (8)プーチン大統領としてはこうした米国、NATOの限定的な「動き」を見越してのウクライナ軍事攻撃、侵攻作戦の決定と考えられる。ただ、これまでの米露首脳、外相会談、仏、独の仲介外交を見ていると露側の自国利益の強硬姿勢が目につき、バイデン大統領の発言、姿勢には「受けて立つ」あるいは問題解決に向けての強い気構えがあまり伝わってこないもので露側のウクライナ軍事侵攻をさらに容易にしたとも考えられる。

 (9)そもそも米露代理戦争なのだから、露の軍事力による主権侵害の暴挙に対して米国として「断固とした」強い意思、姿勢があってよかった。
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