いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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中国外相の初来日。 the first visit to japan of MFA of china

2016-08-24 19:37:54 | 日記
 (1)日中韓3か国外相会議で中国王毅外相(the minister of foreign affairs)が初めて来日した。駐日大使も務めた王毅外相は日本の政財界に人脈も多く当然ながら日本通といわれて、これが外相就任以来初めての来日と聞いて日中間の政治、外交懸案の険しさをあらためて浮き彫りにした。

 中国側の発表によれば「あくまで3か国会議に出席するためであり、『日本訪問』というわけではない」(同)と中国特有のまわりくどい前提関係を重視する言いまわしでクギを差し、中国の日本に対する政治的立場に変化がないことをことさらに強調してみせた。

 (2)昨日の王毅外相の同会議出席に向けた来日に際しても、空港での記者団とのやり取りでも現在の駐日大使が後ろにピタリとついて、王毅外相の発言のたびに顔色をうかがうかのように慎重な目線を配っていたのが印象的だった。

 外交来日場面で立場上いくら日本通の王毅外相といえども何を言い出すのか心配なわけはないのだが、あくまで「日本訪問」ではないという中国のかたくなな態度をみればそこまで勘ぐられる光景ではあった。

 (3)本来は日本通で日本の政財界に人脈の多い王毅外相の思いを勘ぐれば、なつかしさ、思い出も募るはずの感情は日本からみれば想像したくなるところではあったが、表向き、国策にとらわれる政治家の宿命を感じる元駐日大使の王毅外相の初めての来日光景だった。

 昨日の夕食会を前にした記念撮影でも日韓外相の満面の笑みに比べてひとり無表情で握手する王毅外相の態度表明が際立っていた。

 (4)習近平主席も含めて、国内外に向けたこれが中国政治、外交のやり方だ。王毅外相の風貌は京劇俳優を思わせる特徴のあるもので、駐日大使から中国外相に就任したときにはすぐにそれとわかるものであった。

 中国党、政府の人脈、関係は国家主席を頂点としてその意向に添ったものであることは自明ではあるが、駐日大使を中国外相に起用した目的、意図はあるのか、日本ほどに直接つながり、人事戦略のあるものなのかまったくわからないが、これまでの外相就任後も来日しなかったのだから日中関係改善に王毅外相の日本人脈、日本通に期待したものではないようだ。

 (5)国家主席、首相が党、政府を代表する権力を掌握して全面的に表に出て、中国政府での外相の位置がわからない。日本人脈、日本通の王毅外相に日中政治、外交懸案解決に向けてその手腕が期待できるだけに、日本にとっては残念なことだ。

 今回の王毅外相の初来日は9月上旬の中国杭州で開催されるG20首脳会議に向けてのアジア主要国の協調関係を強調する目的、役割があるといわれている。
 そういう意味でも元駐日大使の王毅外相の来日には、日本的関係論からいえば親しみ(friendly)も出るというものだ。

 (6)本来は部下である現駐日大使の王毅外相の記者団とのやり取りを後ろからみつめる心配そうな目線こそが、中国の日本に対する疑心暗鬼を思わせて不気味だ。

 中国は十分に変わってGDP世界第2の経済国にもなったし、AIIB設立主導で世界経済体制の構築にも積極的であり、これに南シナ海、東シナ海海洋進出の軍事力圧力との落差は大きく、残る重要課題だ。

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