いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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脱原発か、再稼働の安全か。 get rid of APP or security of reoperation

2012-04-25 19:45:07 | 日記
 (1)橋下大阪市長は脱原発を主張して政府の大飯原発再稼働を拙速な政治主導だと批判し、安全基準の作り直し、100キロ圏内(大阪を含む)の周辺自治体との協定などを含む「原発安全8提案」の受入れを政府に要請した。

 8提案そのものは原発再稼働の安全基準化の内容に終始して、脱原発後の電力安定供給の仕組みにまで触れるものではなかった。
 橋下市長の①脱原発(get rid of APP)方針と②再稼働にストップをかける発言と③再稼働の安全(security of reoperation)保障の三論併立はどうもわかりにくい主張であるが、「脱原発」は最終目標であって「再稼働の安全保障」はそこまでのプロセス論というところだ。54基の原発の最終処理(廃炉)の問題もある。

 (2)その大阪を電力供給のエリアとする関電は今夏の電力需給見通しを最大マイナス19.3%と見込んでおり、全国(0.4%不足見込み)でもダントツの2桁率電力不足を予測している。

 「ウソ」と「改ざん」の電力事業者予測データをその通りすんなりと受け取る事情にはないが、有識者、専門家の間ではやり様(ピーク需要抑制・揚水発電・電力融通など)によっては乗り切れるとの指摘もあるが、とりわけ電力事情の突出してひっ迫した関電エリアの大阪だ。

 脱原発、再稼働を批判する以上は、代替としての電力安定供給策、または節電対策、府民・市民の覚悟の協力についても積極的に発言すべきだ。

 (3)経産相が大飯原発再稼働に向けての政府要請で福井県を訪れた時には、同知事から橋下大阪市長の脱原発発言を念頭に置いた福井県が原発立地自治体として関西エリアに安定電力を供給している「役割」への認識、つまり原発危険は福井県にあって安定電力を一方的に需給している立場の関西エリアの受益者の立場を理解(橋下発言)、納得させる趣旨の発言、要望が政府に出されていた。

 それを受けての橋下市長の原発安全8提案とも言えるが、原発危険を内包した原発立地自治体とその恩恵だけを受ける大量電力消費の大都市圏との関係距離は、福島原発事故を受けて一層微妙だ。

 (4)日本列島をぐるりと1周するように乱立する54基(現在は福島原発4基廃止決定で50基)もの原発は人口密集地の大都市圏をはずして、周辺自治体に補助金、雇用、危険補償と引き換えに立地された。

 不条理ではあっても、人口密集地に原発を立地する危険度を無視することもできない、本来理不尽な電力需給事情でもある。
 54基もの原発立地プロセスでそういう「国民的合意」があったとは思えずに、原発立地自治体ごとの個別の条件了承(住民意思)にもとづく電力事情であった。

 (5)そういう観点からすると、福井県知事の橋下市長の脱原発発言を念頭に置いた関西エリアの安定電力恩恵認識の要望発言もちょっとエキセントリック(eccentric)な感情論でもある。

 そういう原発立地自治体、住民と大量電力消費の大都市圏の利害(危険負担)関係調整(coordinate)は政策推進の政府が政治責任を持って対応すべきことであって、脱原発、縮原発なのか、再生可能エネルギーシフトなのかも含めて将来の電力安定供給システムの基本方針、政策、地元雇用の見直しを展望、決定して、政策対応をする必要がある。

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