いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

カーボンニュートラルと原油増産。 carbon neutral and increased crude oil

2021-11-06 20:32:45 | 日記
 (1)英国で開催されている気候変動枠組み会議(COP26)ではカーボンニュートラル実現に向けた各国の達成目標が示されて、実現に障害のある火力発電などの化石燃料への公的融資を停止する合意が決められた。火力発電を残す日本は合意に参加しないで火力発電でのCO2を出さない新技術の普及策を打ち出したが、火力発電から抜けきれない日本に対して批判は大きい。

 (2)カーボンニュートラル実現に向けて産業界はEV化に向けてハンドルを切っているが、今国際的な問題となっているのは原油価格の高騰による物価高で経済、生活に負担影響の大きい米国、日本などは産油国組織OPECプラスに原油増産を求めているが、OPECプラスはコロナ後がまだ見えないこともあり原油の追加増産しないことを決定した。

 (3)COP26ではカーボンニュートラル実現を目指す決議をして、同時に産油国OPECプラスには原油増産を求めるという米国、日本など国際社会は気候変動対策の真逆の方向性の違いをみせた。
 原油、石油資源は有資源であり、未来永劫に埋蔵量があるものではなくいつかはなくなるものであり、カーボンニュートラル、EV化は人類世界、社会にとっては気候変動、地球温暖化問題以前から改革に迫られていた課題であった。

 (4)原油量、価格に左右されない経済社会の構造改革、産業革命は必然のもであったから、COP26ではカーボンニュートラル実現を掲げて、OPECプラスには原油増産を迫るというのも時代、社会の目指す方向性がみえない、かみ合わないパラレル(parallel)な決定だ。

 カーボンニュートラルは30年、40年、50年かけての実現社会であり、経済、産業社会には差し迫った問題ではないかもしれないが、地球温暖化は気候変動、高温化、自然災害の多発で差し迫った現在問題であり、一時的に原油高、経済社会に負担をかけるとしてもカーボンニュートラルに逆行する原油増産に頼る、求めることからの決別が必要だ。

 (5)原油依存エネルギー社会から再生可能エネルギー社会への転換を進めることで、原油依存に頼らない社会構造、エネルギー政策に向かわなければ持続可能な未来、将来社会は開けない。過渡期の原油高は踏みとどまって、原油、石油依存社会からの脱却に向けて踏み切ることが求められているのが時代の要請であり、COP26での各国の決意表明だ。

 (6)COP26での決意と相反するOPECプラスへの要求を同時にみせつけられては、実現社会の取り組みのタイムラグはあっても差し迫っている気候変動問題への後ろ向き姿勢がうかがえて、本気度が疑われる。
 気候変動対策ではカーボンニュートラル実現の目標達成の具体的な対策、政策の工程表が求められて、さらに短期的な目標、対策の必要性も指摘されている。

 


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