いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

両刃の剣。 two edged sword

2022-03-10 20:34:37 | 日記
 (1)いよいよ値上げの4月がやってくる。そこへウクライナ危機でガソリン、小麦の大幅値上げでスーパーに行ってもすでに食パンの値上げが目につく。原油高騰には政府が元売りへのガソリン補助で安定価格をはかろうとしているせいか(本質問題として流通改革が必要だが)、春闘でのトヨタ、日産、ホンダ3社が集中回答日前に組合側の要求どおり満額回答で応えた。

 (2)半導体不足で車生産計画の減産が続いている中で政府の賃上げ要請に応えた形で、他の産業、企業の春闘にも影響を与えそうだ。世界的な原油高騰にコロナ禍のまん延防止措置、ウクライナ危機による経済、金融制裁の影響と賃上げによる新しい資本主義、成長と分配の好循環を掲げ、目指す岸田首相、政権にとっては厳しい経済事情となったが、まずは自動車3社の満額回答で幸先いい春闘スタートとなった。

 (3)春闘の賃上げ結果は4月からの一斉値上げによる国民生活、夏の参院選に影響するだけに、岸田首相、政権としてもウクライナ情勢の行方とともに春闘相場が気になるところだ。バイデン大統領は露への追加制裁で露産原油、ガス、エネルギーの全面禁輸を表明して、同盟国にも制裁結束、協力を呼びかけている。

 (4)露の天然資源、エネルギー輸入に依存するEU、日本では対応に慎重なところもあり、日本、岸田政権にとってはこれからの国内経済、エネルギー対策の重要な時期を控えてむずかしいカジ取りに迫られる。

 どうみても世界、日本経済にとっては先行きの見通せない厳しい見方しか出てこない中で、とりあえずは原油、ガス、天然資源、エネルギー供給網、体制の見直し、論議が出てきて、プーチン体制が変わらないうちは露を外したエネルギー安定供給の確保、構築の必要性が重要となってくる。

 (5)岸田首相はウクライナ危機でのエネルギー供給不足を念頭に「省エネ」を国民に呼びかけている。日本はカーボンニュートラル実現に向けた世界からの批判の中で火力発電依存を続ける意向を示しており、原油高騰、エネルギー供給不足となれば夏場、冬場の電力不足は懸念されるところであり、今後の推移によってはこれまで何とか持ちこたえてきたものが深刻な電力供給不足になる可能性もある。

 (6)経済、金融制裁の両刃の剣(two edged sword)の危うさであり、露天然資源、エネルギー依存の国にとっては降ってわいた問題でもあり、しかし露に依存することの危うさを気にかけてこなかった政治、経済の甘さでもある。
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