いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

火を消せ。 put out the fire

2022-04-11 20:15:30 | 日記
 (1)大国は自国の過ちを認めない。権威主義が損なわれて、国民の統制、支持、支配が効かなくなるからだ。訪米中の中国高官が米国安全保障会議高官との会談で、国連安保理での北朝鮮対応について「火に油を注ぐのではなく、緊張緩和と対話につなげるべきだ」(報道)と従来からの中国の立場、持論を展開した。

 (2)北朝鮮に対して米国の「火に油を注ぐ」のは危険だが、その「火」を消せるのは中国なのだから、まずは「火」を消してもらいたいし、そうしてからの米国批判にしてもらいたい。「火」を消す努力もしないで「油を注ぐな」では論理的矛盾であり、問題解決にはつながらない中国の利己主義であり、「焚き付け」論でしかない。

 (3)ウクライナのゼレンスキー大統領はオンラインによる国連演説ですみやかな大国の拒否権を廃止する国連改革を訴えたが、国連安保理常任理事国で拒否権を持つ中国が露によるウクライナ軍事侵攻に対してはっきりした態度、対応を明示せずに、安保理露制裁決議で「棄権」をして終始あいまいなままでいる。

 (4)この「棄権」という選択は、安保理が露の立場を一方的に非難する、制裁することへの批判、反発をあらわすもの(それなら正式に「反対」すればいいことで)でもなくて、露に面と向かって非難はできなくとも批判もしたくない利益共有国として距離を置くものであり、拒否権を持つ大国の選択方法とはいえないものだ。拒否権を持つ大国には信念が求められる。

 (5)米国の北朝鮮問題の対応のように「火」に油を注ぐものとはいえなくても、少なくとも中国に「火」を消す気持ち、意思はないということを示している。中国の抱えている問題は、権威主義、専制国家の露と同じでウクライナ戦争でヘタをすれば自国に「火」の粉が降りかかってくるスネにキズを持つ。

 (6)近年は自由主義、民主主義が後退して、権威主義、専制国家が台頭しているといわれて、政治の世界での「言葉」の意味、重み、真実、真相が平然と裏切られるプロパガンダとして横行している。

 国連改革でいわれている大国の拒否権も問題は問題だが、どちらかの陣営、政治体制が一方的に意見、価値を押し付けようとするときにそれに待ったをかける良心、良識としては必要なもので、むしろ大国ではなく「小国」にこそ必要な意思決定権として考えられていいものだ。

 (7)現在でも大国の横暴、横ヤリを鮮明にして、矛盾が露呈して、これは、この国は信用できないという効果がないわけでもない。それも問題だが、今日的政治問題として「言葉」の責任、自覚、理解が崩壊していることだ。

 露のラブロフ外相が軍事侵攻前にウクライナ侵攻の計画はないなど会見で平然と「ウソ」を言ったり、情報戦といわれて根拠のない「言葉」が意図はんらんしている無秩序、無節操ぶりだ。

 (8)米トランプ前大統領の自分に不利な情報はフェイクニュースと決めつけてから一層根拠のない言葉がはんらんしていき、それがこれまで恩恵を受けてこなかった弱者社会層から支持拡大されるという一種の必要悪というおかしな世界になっている。

 「G0(ゼロ)」時代といわれて、かっての大国も保守、保護主義に陥って「言葉」が保身で軽くなった。
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