(1)政治には緊張感は必要だ。緊張感がないと防衛費増額を増税でまかなうと言ったあとで批判が高まると、今度は税収増を国民に還元するための減税をするという場当たり的なチグハグな政策の迷走を続ける。副法相が区長に投票を呼びかけるネット広告をすすめて、公選法違反で引責辞任した。
(2)政治にまるで緊張感がない。議院内閣制の日本は国民選挙で選ばれた国会議員は国会審議、活動を通して国民の負託に応えることが求められるが、任期は衆院4年、参院6年と決められている。天皇の国事行為の助言、進言としての首相の特権として首班指名の衆院の解散権があり、任期途中でも政局打開に向けて理由をつけて解散総選挙に打って出ることがある。
(3)小泉純一郎首相時代の郵政民営化解散は、郵政民営化法案に当時与党多数の衆院では可決し参院に法案が送られて与野党きっ抗の参院では反対多数で否決され法案は成立しなかった。これを受けて小泉首相は郵政民営化で国民の信を問うとして郵政民営化法案に賛成した衆院を解散して総選挙に打って出た。
(4)郵政民営化法案に賛成した衆院を郵政民営化実現のために解散するのは名目にならないとの批判を受けたが、解散総選挙では小泉自民党が圧勝してその後自民党与党多数となった国会で郵政民営化法案は可決成立した。
郵政事業は民営化されたが地域事業所統合、3事業分業化などサービス低下、過度の業績ノルマ達成による不正勧誘などが次々と発覚して成功しているとはいえない。
(5)首相にとっては解散権を活用して総選挙で自らの地位、立場の安定を確保したい政治戦略、政局に使うことが多く、名目は後付けられて郵政民営化のように解散名目にならないこともある。
政治家も選挙で落選すれば「タダの人」といわれて、政局が混迷して解散総選挙がウワサになると途端に議員には緊張感、緊迫感が走ることになる。
(6)岸田首相は自身党内第4派閥で第2,3派閥の協力、支持のもとに政権を維持して、党内基盤が弱く昨年あたりから盛んに解散をチラつかせて政局を有利に展開しようと目論み、その都度度重なる閣僚疑惑辞職、岸田内閣支持率の低迷に見舞われて先送りが続いている。
(7)今月衆院の任期4年の折り返しを迎えて自民党からは「解散はいつあってもおかしくない」(報道)との声もあり、確かに今の岸田首相、内閣の政治運営、支持率低迷をみればパラドックス(paradox)として解散して国民に信を問うことも必要な支持状況でもある。
(8)解散の正当な「名目」は岸田首相自らの政治行為の評価として、その裏返しとしてこれでいいのかという十分にある。