(1)年末を迎えてもなかなかいい話が出てこない。政府は防衛費を5年間で43兆円規模にする増額で財源として増税を決定したが、高令者保険料は上がり、年金は下がり、取れるところからは取るのは原則だが少しはいいこともないと不満は広がる。
防衛費43兆円に向けての増税なら、物価高に苦しむ国民に対して1~2兆円予算程度のお願い、謝礼給付金(国民ボーナス)でも出したらどうかだ。
(2)来年に向けていい話に期待するしかないが、ウクライナ戦争は来年2月で1年を迎えてプーチン大統領は露軍部を訪れて激励し、旧ソ連圏首脳会談に臨み結束を示して戦争継続に意欲をみせているが、ゼレンスキー大統領は2月にあたらしい提案を露にするのではないかとの報道もあり、こちらも米国から迎撃ミサイルのパトリオットの提供を受けて戦争継続の姿勢をみせてはいるが、戦争開始1年の区切りに停戦に向けての新提案による新展開を期待したいところだ。
(3)国内は4月に統一選挙が実施されて連立を組む公明党は従来から力を入れており、近年国政選挙で投票数、議席を減らしている公明党がどうなるのか、自民党は公明党の固い集票力を期待しての連立であり翳(かげ)りがみられて、改憲など政策が近い国民民主党が連立入りする話も聞こえてきて岸田首相は否定しているが、こちらもパッとしない国民民主党では重荷を背負うだけだ。
(4)5月には日本が議長国としてG7広島サミットが開催され、バイデン大統領の長崎訪問も検討されているようだが、これで「核のない世界」に結びつくわけでもなく、世界はプーチン大統領の核戦争の脅威が増している。
(5)岸田首相は防衛費増額の増税決定には安倍派、安倍氏に近い大臣から公然と反対の意向が示され、これも安倍派の自民党政調会長からは増税前の解散総選挙が必要との越権意見まで出されて、さすがに年末には時期は示さずに増税前の解散総選挙に言及して首相の専権事項だと念を押して対応に追われた。閣内、自民党内ともに安倍派影響力からの岸田首相(総裁)の求心力低下を示すものだ。
(6)来年も年初のいい話期待から始めてみたが、どうも続かずに、政治の先行きは見通せない厳しいものになりそうだ。国民主権国家としてはこのままでいいのか、国民の自問が湧き出て、通常国会は乗り切ったとしてもこのままでは来年後半には岸田政権の正念場を迎えそうだ。