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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

北朝鮮の核実験。 nuclear explosion test in n.k.

2013-02-12 19:32:35 | 日記
 (1)日本政府は午前11時57分に北朝鮮北部で自然地震とは違う深さ0メートルでM5.2規模の地震波を気象庁が確認したと緊急発表した。
 北朝鮮は今年に入って「高い水準の核実験をする」と明言(報道)しており、過去2回核実験を実施した北部核実験場施設では準備が進んでいる模様が衛星写真で確認されていた。

 昨年末には人工衛星打ち上げと称して米国本土も視野に入れた長距離ミサイル発射実験を行って米国に対する軍事対抗姿勢を強めており、今回各データから推測されるとおり核実験が実施されたとすれば(同日、北朝鮮は核実験実施を発表)、最も自制の利かない国が米国を標的とした一連の核攻撃手段を整えたということになる。オバマ米大統領も自国の安全保障の脅威を強調(報道)している。

 (2)世界で唯一の被ばく国の日本としては到底許すことのできない国家的暴挙であり強く非難し、国際社会一致しての北朝鮮の国家的暴挙非難をリードしなければならない立場だ。
 ただし、それは核保有国すべてに対しての一貫した政策距離でなければ意味も意義もない。唯一の核使用国の米国の傘の中での唯一被ばく国日本という国際政治の中の紆余曲折の立場が、この問題を解決に向かわせない不条理性(unreasonableness)だ。

 北朝鮮は朝鮮半島を自由主義陣営の韓国と南北に分離し日本海沖を挟んで日本と隣接し、唯一友好支援国の中国と国境を接する地理的、政治的立場、ゾーンの優位性(dominance)の中で、中国と米国が互いに牽制し合い強く出れないことを利用して国情を度外視して米国を標的とした瀬戸際外交といわれる軍事攻勢をかけている。

 (3)米国をはじめロシア、中国と核保有大国が核脅威既得権益独占、寡占世界の中で、自らは核実験を強行しながらの後発国北朝鮮への「圧力」は理論性、整合性、説得力を欠くもので、北朝鮮への強力で厳しい核実験阻止の効果とはなっていない。

 米国との直接交渉に国家存亡の活路を求める北朝鮮にとっては、それを見越しての他(国際社会)は眼中にない国威発揚(exaltation of national prestige)のイチかバチかの軍事挑発増長主義だ。
 今回の友好支援国中国の核実験反対声明もどうも迫力を欠いて、やはり効果もなく、多分北朝鮮への国連安保理の制裁措置も画期的なものとはならないだろう。その弱みは核保有国で占める安保理常任国にもある。

 (4)もどかしいばかりの北朝鮮の存在だ。この「特異(singularity)」の北朝鮮を除く世界は、世界的な経済低迷期に中東、アフリカの内戦、紛争、テロで精神荒廃の中にあり、その間隙(かんげき)を縫ってパラドックス(paradox)として「失うもの」のない、それでいて中国も米国も手を出しにくい地理的、政治的ゾーンの中で北朝鮮のやりたい放題というところだ。

 どちらでも危険はともなうが、中国の北朝鮮への硬軟両様の立場がこの問題の重要ポイントに変わりはない。朝鮮半島の地理的、政治的特異ゾーンを背景に中国の意向にも従わない北朝鮮問題の外部圧力による平和的解決はむずかしい。

 (5)中国は、米国への対抗圧力として北朝鮮カードを捨てないから、朝鮮半島の相互依存の変な緊張は続くだろう。
 ただし、軍事独裁国家ミャンマーが民主化したように、北朝鮮体制もこのままいつまでも続くわけがないことは、歴史実証だ。

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