いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

日米首脳会談。 japan and u.s.a summit conference

2013-02-24 19:54:44 | 日記
 (1)日本時間23日に行われた安倍首相とオバマ大統領との日米首脳会談(summit conference)で最大の懸案とされたTPP交渉参加問題は、とにかく日本が交渉参加のテーブルに着くことを優先しての「玉虫色」の決着がはかられた。

 日米2国間貿易での「センシティビティ(sensitivity 敏感な問題)が存在することを認識」して、一方的に聖域なき関税撤廃を求められるものではなく、最終的な結果(決着)は参加国の交渉の中で決まる(報道)というものだ。
 特に米国が強くこだわる自動車、保険部門の市場開放について、解決すべき懸案事項として共同声明(joint statement)に追加された。

 交渉参加に前提条件は設けないが、すべての物品が交渉の対象としてTPP交渉過程の中ですべての関税撤廃を求められることもあるという、日本の立場(安倍首相の主張)を配慮した「玉虫色」の決着だった。しかし、参加国の交渉過程での多勢に無勢論はつきまとう。

 (2)米国からすれば、まずは日本の「交渉」参加が問題となっていただけで、日本を交渉のテーブルに着かせることが出来れば、その後のことは参加各国間との「交渉」話し合いの中で取り決められるという当初からの「交渉」シナリオに基づいた当然の結果であって、何も変わらない利益も不利益もない問題処理方法であった。

 むしろ、聖域なき関税撤廃のないことが確認されなければTPP交渉に参加しないと言ってきた(公約)安倍首相が、それが「前提条件」ではなかったことを捉えて前進としているが、交渉過程の中で「そう(すべての物品が交渉の対象)」なることもあるという前提条件もあり、むしろ交渉参加条件を後退させた印象は強い。

 (3)しかしTPP交渉参加問題は、貿易立国の日本が環太平洋地域での参加各国との「対等条件」で貿易自由化競争を進め、貿易促進、拡大をはかり国内産業、企業活動促進をバックアップするためには必要不可欠な公平で公正なステージであるから、安倍首相自画自賛の「玉虫色」でも交渉参加に踏み切れる環境が出てきたことは歓迎すべきことだ。

 (4)首脳会談では、どちらかが一方的に譲歩することなどあり得ずに、どちらからも都合のいい解釈の出来るすり合わせ(玉虫色)決着がはかられるのは通例であり、安倍首相が訪米前から「聖域なき関税撤廃」のないTPP交渉参加条件の確証が得られない限りは参加しないと力んで見せたのは国内向けパフォーマンスにすぎずに、米国は周到に当然のこととして「当たり前」のすべては交渉過程の中で決める前提論を展開したにすぎないのだ。

 (5)安倍首相は今回の日米共同声明の結果を主張が認められたと自画自賛しているが、「すべての物品が交渉の対象とされ、包括的で高い水準の協定を達成していく」(報道)確認による今後の米国主導によるTPP交渉に国内外問題として立ち向かわなければならないことになる。

 (6)さらに普天間飛行場移設問題がどう話し合われ、固い日米同盟強化構築の確認の中でどんな負担を背負わされたのか、首脳会談の表に出てこない話にも今後の政治動向と関連して注目していく必要がある。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする