まだむ日記

マダムの日常生活と大好きな旅行の日記です。

ムラガンダ・クティ・ビハーラ寺院(初転法輪寺)

2009-12-27 | 日常
 
 サールナートの次は仏教寺院の見学

この寺院には日本人、野生司香雪の釈尊の生涯を描いた壁画がある。

インド、ダルマ・パーラから壁画を描いてほしいとの要請があったのは

1931年(昭和6年)のことである。

最初に依頼された画家は桐谷洗麟であったが出発直前に急死してしまい、

野生司香雪になったと言う経緯がある。

これにはインドでは「インド美術界を軽視するものだ」として強い異議が出たがダルマパーラは

日本人画家の招聘に頑として固執し反対を退けた。

お寺と言っても正面にお釈迦様の御本尊があるだけで後は何も無いガランとした部屋、

見あげる高さの正面を除いた3面の壁面ぐるりにお釈迦様誕生から入滅までの絵が描かれている。

80年近く経っているのに 今描いたばかりと思われるほど色鮮やかである。

この寺院を訪れたのも、壁画を見るのも2回目である。

以前来た時 このお寺のお坊さんと一緒に写真を撮り 帰国してからその写真を送ったら

返事の手紙と彼が撮った写真と白檀の数珠、腕に巻く黄色い糸のお守りが送られてきた。

その後も何度か手紙が来た。

これらの品を戴いてしまうのも気が重く 何かを送ろうとしたが

お坊さんからは「送らないでくれ、日本からの品物やお金などは届かないから・・・」とのこと。

借りがある・・・の気持ちを持ち続けていたが

その3年後2回目のインド、南インドへ行く機会に恵まれその折 

帰国間際のチェンナイ空港のポストへ 

お布施 と書いて50ドル札を入れて手紙を出した。

後日お礼の手紙が届き、借りを返せたような気持ちになりホッとした。 

その後「スリランカのお寺へ帰る・・・」の手紙を最後にお坊さんとの交信も途絶えた。 
そんな お坊さんとの思い出のあるお寺である。

今回 居るはずもないお坊さんの姿をもとめつつ 

いろいろな事を思い出しながら手を合わせた。

(ツーショットは以前お坊さんに送った写真)