うろ覚えライフ。

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「失楽園」渡辺淳一氏逝去

2014年05月07日 | ブックログ

 

 

○「失楽園」渡辺淳一さん 前立腺がんのため死去 80歳 

  1997年に映画化・ドラマ化もされた「失楽園」などで知られる直木賞作家の渡辺淳一(わたなべ・じゅんいち)さんが4月30日午後11時42分、前立腺がんのため東京都内の自宅で死去した。80歳。北海道出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は妻敏子(としこ)さん。

 1958年、札幌医科大学卒業。66年、同大医学部整形外科教室講師に。医業と並行して執筆を続け、同大学・和田寿郎教授による和田心臓移植事件を題材にした「小説・心臓移植」を発表し、大学を去った。

 70年、寺内正毅首相をモデルとしたとされる「光と影」で直木賞を受賞。本格的に作家活動を開始した。

 80年代からは「ひとひらの雪」「化身」などの恋愛小説を刊行。中年男女の不倫をテーマにした「失楽園」は大胆な性描写で話題となり、250万部を超える大ベストセラーになった。「失楽園」は流行語大賞に選ばれた。

 映画版は森田芳光監督の下、役所広司(58)黒木瞳(53)が主演。ドラマ版(日本テレビ系)は古谷一行(70)川島なお美(53)が激しい濡れ場を演じた。

 「阿寒に果つ」「遠き落日」「桜の樹の下で」「別れぬ理由」「愛の流刑地」など映像化された作品は多数。

 2007年発売のエッセー集「鈍感力」は、小泉純一郎元首相が引用し、流行語に。ベストセラーにもなった。

 2003年に紫綬褒章と菊池寛賞。直木賞や吉川英治文学賞などの選考委員を務めた。札幌市に渡辺淳一文学館がある。

○黒木瞳、コメント全文「一人泣いています」…渡辺淳一さん死去

 

   映画「失楽園」に出演した女優の黒木瞳が5日、作家の渡辺淳一さんの死去について談話を発表した。コメントの全文は以下の通り。

 私の愛する渡辺淳一先生。

 最後に一緒にいただいたワインは、シャトーマルゴーでしたね。その、粋なおもてなしに、キャーキャー騒いだのも、ついこの間です。80歳のお誕生パーティーでは抜け出せなくてごめんね、っていう洒落たメールを次の日にいただきましたね。あのときお体大変だったのに、最後まで紳士でいらした先生の、そのかっこよさに、男の美学を感じていました。

 今、訃報を知り、一人泣いています。先生に初めてお会いした時のことからのことを、思いだしています。28年前のことからです。渡辺先生は私にとって運命の人だったと言っても過言ではありません。語りつくせない思い出は私の今日の宿題です。

 ありがとうもさようならも、今は、まだ、言う整理がつかない、みたい、です、先生。

 5/5 黒木瞳

○川島なお美 渡辺氏から激励メール「君は大丈夫、何も心配してないよ」

 

   「失楽園」「愛の流刑地」など男女の愛を描いた小説で知られる直木賞作家の渡辺淳一氏が前立腺がんのため、4月30日に東京都内の自宅で亡くなったことが5日、明らかになった。80歳だった。渡辺氏の訃報を受け、同氏のベストセラー「失楽園」がドラマ化された際に出演した女優の川島なお美(53)が所属事務所を通じコメントを発表した。

 「失楽園」、「くれなゐ」に出演した川島は突然の訃報に「ショックで言葉が出て来ません」と衝撃の大きさをうかがわせた。3月下旬に、川島が1月に肝内胆管がんの手術を受けていたことが報じられた直後、渡辺氏から「君は大丈夫、何も心配してないよ」と励ましのメールが送られてきた。それが最後のやりとりとなってしまった。「思い出がたくさんあり、今は気持ちの整理がつきません」と悔やんだ。

 

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 こうやってネットニュース記事をリンクコピペで挙げた訳だけど、実を言うと、僕は渡辺淳一さんの著作物を一冊も読んでいない。でも、TVのワイドショー番組などのコメンテーターでよく見掛けていたので、小説家・渡辺淳一はよく知っていた。週刊誌などのエッセイでもよく読んでたしね。でも、作品は僕の趣味では全然無いので、一冊も読んだことない。ただ、小泉純一郎元首相が推奨し、総理に最初になったときの何かと苦労している態の安倍晋三現(当時)首相に、案じてか、一読を薦めたという「鈍感力」は読んでみたいと思った本だった。これは小説でなくエッセイ評論本だけど。でも僕は、やはり、いまだ読んでないけど。

 渡辺淳一さんは、もともと医師出身で、精神科出身の小説家は居るけど、外科医出身の小説家は非常に珍しい、と何かで読んだ記憶があったので、関心は持ってた。あ、でも「チームバチスタの栄光」のシリーズがベストセラーで話題となった、作家・海堂尊さんは確か外科医だったな。渡辺淳一さんは、僕が講談社の総合週刊誌「週刊現代」を毎週読んでいた当時、本誌にエッセイを連載していて、ご自分のがん闘病記と「がん」に対する考察や対策などなどを書かれていた。当時の僕自身は、がんの兆候が全くなかったので読み飛ばしも多かったけど、昭和を代表する経済小説の雄、故・城山三郎さんについて語った回はエッセイ文を熱心に読んだ覚えがある。渡辺淳一さんの書くものは、そのドラマの主軸にどうしても男女の恋愛の、深い情愛が大きな柱として立つ文学だが、作者の渡辺淳一さん自身は、その言動やたたずまいが、「軟派」と取られがちな「恋愛」などを主題に置いたものを書く作家にしては、イメージと全然違って、一本筋の通った硬骨漢という印象を受けた。何事に対しても自分自身の考えをきっちりと持ち、気安くはそれを曲げない、きちんとしたちゃんとした文化人、という感じかな。

  渡辺淳一さんというと、ごくごくワタクシ事の何でもない事柄だが、若い頃働いていた企業で、東京築地の営業所から群馬大田の営業所に飛ばされたとき、その職場の道路挟んだ真ん前が薬局で、薬フェチの僕がしょっちゅう店に行くので、そこをやっている若夫婦両薬剤師と仲良くなり、奥さんと話してると、けっこう小説読むのが好きで、五木寛之と渡辺淳一を読んでいると言って、何か文学論みたいのを語っていたのを思い出す。まあ、ドーデモイイ僕の思い出の欠片ですが。何か懐かしい。

 僕は、少年時代から少女漫画が駄目で、だいたい物語は、小説でも映画でも全てと言っていいほど「恋愛」ものが駄目です。まあ、そこまでムキになるくらい恋愛ものが嫌いな訳じゃありませんが。何か「恋愛」ものは、面白くないという以上に、どうしてか避けてしまいますね。最初から避けたくなる。どうしてか自分でも理由がよく解らないんだけど。子供の頃は、貸本で借りて読んでた貸本誌の、「恋愛」や純情青春ものに特化した短編集誌、「青春」とか「17才」とかいうタイトルの漫画誌に収録された、少年少女や青年期のほのぼの純愛を描いた、ラブロマンス・ラブコメ漫画が大好きで、その手の貸本誌読んだ後は、まだチンチンの毛も生えないようなガキのくせに、何だかよく解らないけど純情ラブロマンス雰囲気に、ホンワカ・うっとり気分で、良い気分になってたのに、青年期になったあたりから、恋愛を描いた漫画が駄目になって来たように思う。大人になってからは、ラブコメとか、あんましドラマに起伏が無く安心して読んだり見たりできる、純愛方向のハッピーエンドのものだったら、どうってコトないし、けっこう面白がったりするんだけど。もう、泥沼ものとかグチャグチャしたのやおどろおどろしい、複雑な男女関係の恋愛ものは、絶対駄目ですね。拒絶反応起こすくらい。怒りや悲しみや憎しみ(辛い、苦しい、耐える、嫉妬、略奪…)が入る複雑な恋愛劇は、全く駄目です。受け付けません。受け付けないはオオゲサでも、趣味じゃない。全く趣味じゃない。

 渡辺淳一さんのベストセラー小説は、83年の「ひとひらの雪」や97年の「失楽園」、2006年の「愛の流刑地」など、映画化・ドラマ化されて大ヒット、その都度、話題になっていますが、上記のように僕自身は「恋愛」ものが苦手なので、小説も全く読んでないし、映画もドラマも見てません。でも、たった一度だけ、多分、十代末頃だろうと思うけど、渡辺淳一さんの小説が原作の映画を1本見てた。「阿寒に果つ」。後の中村雅俊さんの奥さんとなる五十嵐淳子、この当時は五十嵐じゅんさんが主演の映画。映画ラスト近くの、雪降りしきる阿寒湖のほとりに立つ、真っ白い美人の五十嵐じゅんさん、という情景を、このシーンだけを何故か覚えてますね。でも、物語のストーリーとかは全部忘れ去っています。登場人物も五十嵐じゅんさん以外覚えてません。当時の五十嵐じゅんさんは、可愛くて色白のコケティッシュな美人でしたね。当時は僕もその魅力に、多分、かなりやられてました。

 十代末頃の僕は、当時、五十嵐じゅん見たさだけで、この映画「阿寒に果つ」を見に、映画館まで行ったのかな、と想像してたんですが、調べてみると、この映画には併映作品があって、それが「アフリカの光」なんですね。本当は、僕はこの当時、「アフリカの光」を見に劇場まで足を運んで、その併映で、ついでに「阿寒に果つ」を見たんですね。そういうことでした。何しろ「アフリカの光」という映画は、ショーケンと桃井かおりと田中邦衛が主演で、高橋洋子なんかも出てた。そしてこの映画の原作は丸山健二の小説だった。だから当時の僕としては、かなり見たいという気持ちが強くて劇場に行った映画ですね。まあ、渡辺淳一さんとは関係ありませんけど。併映が、渡辺淳一さん初期の代表作が原作の映画だった、というだけで。 この映画を見るちょっと前、まあ、1、2年くらい前かも知れないけど、同じショーケンと桃井かおりが主演だった、「青春の蹉跌」を当時の親友だったKT君と一緒に見に行っている。「アフリカの光」「阿寒に果つ」はどうだったろう?同じくKT君と一緒に見たんだろうか?それとも一人で見に行ったのか。一人で行ったのかな。丸山健二の原作映画だしな。「青春の蹉跌」のもう一人の主演は、デビューしたばかりの壇ふみだった。

 「ひとひらの雪」って、僕は本も読んでないし映画も見てませんが、ジュディ・オングが歌った同名の曲はよく知ってます。けっこう好きな歌でした。ジュディ・オング版。石川達三の「青春の蹉跌」は高校生のときに読んでた。まあ、イロイロと思い出しますけど。日本の現代恋愛文学の巨匠、渡辺淳一さんが亡くなられたニュース記事の感想コメントなのに、渡辺淳一先生とは関係ないことばかりをだらだらと連ねて来て、どうも済みません。でも、メディアで見る渡辺淳一先生は何だか好感持てるオジサンでした。

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