うろ覚えライフ。

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ミンボーの女・実録

2011年12月15日 | Weblog

 

○クレーマーを味方に変える謝罪術 歌舞伎町のジャンヌ・ダルクが語る 

 

   周囲には十数の組事務所が居を構え、客室には組員が長期滞在。ロビーはチンピラと風俗嬢の休憩所代わりとなり、時には薬物常習者がうろつくことも……。そんな歌舞伎町ならではのビジネスホテルに新支配人として赴任したのが、三輪康子氏。宿泊名簿への記入をお願いするだけで、クレーマーと化すヤクザたちと怯まず向き合い、ホテルの健全化に成功。その功績を讚えられ、新宿署から“歌舞伎町のジャンル・ダルク”と評される彼女の謝罪力の源とは?

「私の根本にあるのは、相手がヤクザだろうが、クレーマーだろうが、どんな人でも思いは通じるという信念です。クレーム対応とは、全力で相手の気持ちを理解すること。つまり、人への対応です。例えば、宿泊代を払わないとゴネるヤクザを相手にお金で解決することは簡単です。でも、それは問題の解決ではなく、放棄。ましてや歌舞伎町では“あそこはクレームに弱い”と噂が立つと、次々とつけ込まれます。ですから、粘り強く、“なぜこんなに理不尽なことを言うのだろう?”とお客さまの気持ちに寄り添い、話を聞き続ける。すると、怒りのピークがすぎ、場が弛み、こちらの筋を通せる瞬間がやってきます」

 ヤクザは泊めないという筋を通し、出口まで相手を案内。「ありがとうございました」と頭を下げ、ホテルから送り出す。それが三輪氏の謝罪スタイルだ。とはいえ、相手はヤクザ。怖さに押し切られることはなかったのだろうか。

「昔から見て見ぬふりができない性格で、“怖い”よりも先に体が動いてしまうんです。その結果、エレベーターホールで日本刀を突き付けられたり、駐車場で危機一髪のところを警察官に救われるなど、命の危険を感じたことも何度かあります。それでも“お客さまを救い、従業員を守らなきゃ”という正義が、信念になりました」

 何者も怖がらず、クレーマーの話をしつこいくらい聞き続ける三輪氏。その姿勢に惚れ込んだヤクザの幹部から「姐さん」と慕われ、ホテル前の違法駐車を注意すると、数台の黒塗りのクルマからいっせいにヤクザが降り、全員が並んで最敬礼したという『極道の妻たち』を地でいくような逸話も。

「怒鳴られるのはつらいですし、謝罪は面倒なことかもしれません。でも、体当たりで向き合ってみると、クレームは相手の人となりを知るチャンスになります。きれいごとだと笑われても、それを実行し続けたから今があるのです」

【三輪康子氏】

有名ホテルグループに勤める現役支配人。実績等が評価され10年度MVPを獲得。今年7月『日本一のクレーマー地帯で働く日本一の支配人』(ダイヤモンド社)を上梓した

 

 


 映画「ミンボーの女」を地で行くような話ですね。
 「ミンボーの女」って映画も舞台は、ヤクザのユスリ・タカリの憂き目に合ってるホテルでした。もう十何年も前公開の映画で、監督は今は亡き伊丹十三さん。このユスラレ・タカラレでヤクザのイイカモ状態のホテルを救うためにやって来たのが、勇気と法知識の正に女傑の、女優・宮本信子さん扮する女性弁護士。身体を張った果敢な勇気で、正義を行動で示し貫き通し、ヤクザの理不尽な犯罪的行為に決然と立ち向かい、ヤクザの行使する悪質な恐喝や暴力にひるまず逃げず、勇気を持って堂々と渡り合い、暴力団を排除することをホテル従業員や一般市民に示し教える、といった内容のドラマでした。この、「民暴」「暴排」をテーマとした映画の公開直後に、伊丹十三監督は不埒な暴力団員に襲撃されて重症を追わせられる、という凶悪事件も発生しました。92年のこの、大きな災難の事件と被った重症から回復し、その後も意欲的に映画製作に取り組み続けましたが、97年、伊丹さんは惜しくも亡くなられました。今でも、確かな理由など詳細はよくは解らないようですが、結局伊丹さんの自殺ということで決着しました。

 この上記ニュース記事にあるホテル支配人の勇敢な、正に女傑の女性の記事文を読んで、伊丹十三監督の「ミンボーの女」という映画を思い出した次第です。それにしても、勇敢な女性がいるものですねえ。何だか現代は、「勇気」とか「勇敢」とか「行動力」とか「実行力」とか「決断力」とかいう言葉は、女性の方が目立つ時代になっているような気がする。肉食系女子、草食系男子。優柔不断で逃げ隠れしたがる男子、勇敢さと実行力の女子。ジャンヌダルクは昔の男社会でこそ貴重で珍しかったが、何か現代のイメージはあべこべ社会ですね。でも現代でも、昔ながらの快男児や“漢”も存在するのでしょうけど‥。とは思うが。

 

コメント
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