旅限無(りょげむ)

歴史・外交・政治・書評・日記・映画

実(げ)に恐ろしきは縦割り 其の弐

2006-03-30 12:26:17 | 政治
■この事件を起こした二代目の経営者は、北海道の王様気取りだったようですから、念が入った話です。

……自宅は札幌市中央区の高級住宅街。鉄筋コンクリート2階建て約350平方メートル……1670万色の発光ダイオードの室内特殊照明、高級ジェットバス、エアコン・床暖房完備の犬小屋……学園が公務に使う法人名義のカードは、約1億円が女性用の鞄や靴、高級スーツ、高級腕時計の物品購入などに消費さた。多い時で6人の家政婦がいた。……過去4年間に受けた補助金は20億6000万円。道内2位の4億6500万円を大きく引き離す……「職員1人雇っても、学生1人入学させても補助金が出る。学校経営ほどおいしいものはない」「カネがないなら授業料を上げろ」……イエスマンの幹部たちが暴走を支えていた。

■ヒューザーの小嶋社長が聞いたら泣いて悔しがるような話ですなあ。こんなアホ教育者にじゃぶじゃぶ税金をくれてやるなら、俺にも130億円くらいくれたって良いじゃないか!と叫んでいる声が聞こえそうですぞ。この他にも、仙台市の東北文化学園大が、日本私立学校振興・共済事業団から5億6000万円も騙し取ったり、埼玉県の佐藤栄学園が、7億円もの税金を誤魔化していたり、税金は天下り役人と無能な役人と、それを知り尽くしている悪い奴らに食い荒らされているのですなあ。毎年、1000件以上も交付される補助金が、何処で何に使われているのか、誰も知らないのですから、恐ろしい事です。「教育者=善人」と誰が決めたのかは知りませんが、教育者は善人であるべきだ!というのが正しい考え方で、悪人が紛れ込んだら徹底的に罰して排除しないとトンデモない事になりますぞ!


……1975年の私学振興助成法施行以来、80年代の2年を除き減ったことはない。私学を重視する政府与党の意向が大きいという。……3月23日 讀賣新聞より

■教育は国家百年の計ではありますが、こうした「偽装学校」は教育とは無縁の設備でしょうなあ。欧米の有名大学などは、文字通りの「私学の自治」を死守する為に卒業生や企業などから自前で寄付金を集めて運営していると聞きますが、日本は税金を沢山取ってくる政治家を卒業生から出すのに熱心なようです。自民党の中にも私学の学閥が有るようですし、公明党となれば立派な私学を経営している団体に支えられているのですから、誰も私学に対して厳しい意見は言えないのでしょうなあ。自衛隊の設備を巡る長年の談合体質が暴露されましたが、最も巨額の談合疑惑を持たれているのが文科省なのですから、教育の美名を利用して税金を無駄にしているシステムをこそ「構造改革」しなければならないでしょう。

■でも、マンションやホテルの偽装を見抜けなかった国土交通省に助っ人を頼んでも役に立ちそうもないし、何よりもそれは『韓非子』の教えに反するのですから困ったものです。本当は生徒の事などまったく心配していない奴に限って、悪事がバレると、「生徒が可哀想です」などと、人質に取って開き直ったり泣き落としに出るのですから始末に負えません。しかし、盗人学校に入学したのは不運と諦めて貰うしかないでしょうなあ。大体、義務教育の施設に対して大学と名の付く施設が多過ぎるのです。「皆が高校生」では飽き足らずに「皆が大学生」と主張して、自分の生徒愛に陶酔するような愚か者があちこちに居る内は、文科省から税金は垂れ流されるのでしょうなあ。

最新の画像もっと見る