■泰山鳴動して「不起訴」となった小沢金脈を総括する記事を読んでみましょう。
東京地検特捜部が小沢一郎民主党幹事長を不起訴処分にしたのは、民意で政権交代を牽引した大物政治家に対しては、百パーセント有罪にできる「十二分の証拠」がなければ、訴追を断行すべきではないという検察当局の判断があった。1年に及ぶ捜査は高い壁に阻まれたが、その一方で政治資金を「すべて公開している」と主張し続けた「政治家の嘘」が捜査の過程であぶり出された。……小沢氏と特捜部の攻防の始まりは昨年3月にさかのぼる。公設第1秘書の大久保隆規被告が逮捕された翌日、小沢氏は「オープン」という言葉を何度も使い、痛烈な検察批判を展開した。問われたのは政治資金収支報告書に記載された「表の金」。身内の検察OBからも批判が相次いだ。それでも、特捜部が捜査を継続させたのは、「裏の金」の糸口をつかんだからだ。水谷建設の裏献金疑惑だ。
■『週刊朝日』1月22日号で、『小沢一郎 虚飾の支配者』の著者・松田賢弥氏が次のように話しています。「小沢のカネの流れは二つある。一つは政党をつくって壊すたびに手中にしてきた政党のカネ。もう一つが建設相だった父の代から培われたゼネコンなどからの献金の流れです……」。政党助成金制度を自分で作って最も上手に利用して合法的に国民の税金を自分の政治資金にしてしまう新たな錬金術を駆使しつつ、田中角栄が完成した公共投資事業の予算から献金名目で税金をキックバックさせて税金を政治資金に変える古い錬金術を自分ひとりが独占してしまうという、民主主義の仮面を被った恐ろしい独裁政治を実現しようとしてような感じがしますなあ。
岩手県の胆沢ダム工事の受注謝礼として、平成16年10月に衆院議員の石川知裕被告に5千万円を渡したなどとする証言を、水谷建設元幹部らから得た。「授受」直後には小沢氏の資金管理団体「陸山会」が事件の舞台となった土地を購入していた。特捜部は「裏献金」が土地代金に含まれているとの仮説を立てた。……土地代金の原資4億円は収支報告書に記載されていなかった。特捜部がもっとも注目したのは、この複雑な資金操作だ。……実際、石川被告は「資金の出どころを隠すための「偽装工作」と認めた。陸山会の「慣習」として小沢氏の指示を否定したが、不動産を購入する際の預金担保の融資は6年に小沢氏の強い意向で始まっていた。
■貧乏人には想像も出来ない5千万円だの4億円だのというゲンナマが、あっちに行ったりこっちに来たり、買い集めた不動産が10億円で小沢邸や事務所には生々しく札束が巨大な金庫にぎっしり……などという話の真偽を判定するのは不可能ですが、手持ちのキャッシュがあるのに銀行から同額の融資を受けたら、いくら低金利時代とは言え利息分が損だということは分かります。どうしても銀行を儲けさせねばならない理由が有ったのか?それとも別の理由があったのか?この点に関してクラッシャー小沢は何も「オープン」にしてくれません。
小沢氏は当初、土地代金の原資を「献金」(19年2月)と説明していたが、疑惑が表面化すると「融資」(昨年10月)に変わり、融資前の購入が発覚すると「個人資金」(今年1月)と二転三転させた。さらに、石川被告は「虚偽記載や偽装の融資は小沢先生の了承を得ていた」とも供述した。こうした状況から、特捜部は「有罪を得られる十分な証拠はそろった」として検察首脳との最終協議に臨んだが、結論は「十二分の証拠が必要」だった。主に障害となったのは(1)石川被告から虚偽記載の動機につながる「裏献金」を認める供述を得られなかった(2)「了承」より強い「指示」の供述が得られず、小沢氏の積極的関与を立証できなかった-の2点。
■1億円を渡したと言う人がいてるのに、それを受け取った人が居ない?こんな面妖な話はありません。まるで朝青(暴)龍に鼻をへし折られて全治1ヶ月の診断書を警察に持ち込んだ「知人」がいるのに、本人は最後まで「殴っていない」と言い張り、「知人」も急に「何もなかった」と言い出す奇妙な話に似ていないこともありません。消えた1億円は何処に行ったのか?朝青(暴)龍は手も触れずに隣の知人の鼻を折れるのか?不思議な話が機を一にして飛び出しました。
ある検察幹部は「小沢氏は選挙で選ばれた影響の大きい政治家。100%有罪にできる証拠がないと起訴すべきではない」と語る。昨年3月の捜査では強い世間の批判を浴びたが、今回の捜査は世論調査で7割が支持した。立件のハードルを上げたため、またしても「秘書の犯罪」で終わったことは、その期待を裏切る形になった。ただ、今回の捜査は「すべて公開」「融資で購入」という小沢氏の偽りを鮮明に浮かび上がらせた点で意義があった。
2010年2月4日 産経ニュース
■クラッシャー小沢のウソばかりでなく、民主党の本性もはっきりと見えてしまったようなものですから、夏の参議院選挙を小沢幹事長体制のままで乗り切って大勝出来るなどと、努努(ゆめゆめ)油断せぬことでしょうなあ。暦の上ではもう春だそうですが、昨年の総選挙で様々な理由と事情で民主党に投票してしまったことを後悔している有権者は、何とか夏までに支持政党を無理にでも探し出しておかねばなりません。あの下卑た喧しい野次が飛び交う国会を眺めながら……。嗚呼。
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■『週刊朝日』1月22日号で、『小沢一郎 虚飾の支配者』の著者・松田賢弥氏が次のように話しています。「小沢のカネの流れは二つある。一つは政党をつくって壊すたびに手中にしてきた政党のカネ。もう一つが建設相だった父の代から培われたゼネコンなどからの献金の流れです……」。政党助成金制度を自分で作って最も上手に利用して合法的に国民の税金を自分の政治資金にしてしまう新たな錬金術を駆使しつつ、田中角栄が完成した公共投資事業の予算から献金名目で税金をキックバックさせて税金を政治資金に変える古い錬金術を自分ひとりが独占してしまうという、民主主義の仮面を被った恐ろしい独裁政治を実現しようとしてような感じがしますなあ。
岩手県の胆沢ダム工事の受注謝礼として、平成16年10月に衆院議員の石川知裕被告に5千万円を渡したなどとする証言を、水谷建設元幹部らから得た。「授受」直後には小沢氏の資金管理団体「陸山会」が事件の舞台となった土地を購入していた。特捜部は「裏献金」が土地代金に含まれているとの仮説を立てた。……土地代金の原資4億円は収支報告書に記載されていなかった。特捜部がもっとも注目したのは、この複雑な資金操作だ。……実際、石川被告は「資金の出どころを隠すための「偽装工作」と認めた。陸山会の「慣習」として小沢氏の指示を否定したが、不動産を購入する際の預金担保の融資は6年に小沢氏の強い意向で始まっていた。
■貧乏人には想像も出来ない5千万円だの4億円だのというゲンナマが、あっちに行ったりこっちに来たり、買い集めた不動産が10億円で小沢邸や事務所には生々しく札束が巨大な金庫にぎっしり……などという話の真偽を判定するのは不可能ですが、手持ちのキャッシュがあるのに銀行から同額の融資を受けたら、いくら低金利時代とは言え利息分が損だということは分かります。どうしても銀行を儲けさせねばならない理由が有ったのか?それとも別の理由があったのか?この点に関してクラッシャー小沢は何も「オープン」にしてくれません。
小沢氏は当初、土地代金の原資を「献金」(19年2月)と説明していたが、疑惑が表面化すると「融資」(昨年10月)に変わり、融資前の購入が発覚すると「個人資金」(今年1月)と二転三転させた。さらに、石川被告は「虚偽記載や偽装の融資は小沢先生の了承を得ていた」とも供述した。こうした状況から、特捜部は「有罪を得られる十分な証拠はそろった」として検察首脳との最終協議に臨んだが、結論は「十二分の証拠が必要」だった。主に障害となったのは(1)石川被告から虚偽記載の動機につながる「裏献金」を認める供述を得られなかった(2)「了承」より強い「指示」の供述が得られず、小沢氏の積極的関与を立証できなかった-の2点。
■1億円を渡したと言う人がいてるのに、それを受け取った人が居ない?こんな面妖な話はありません。まるで朝青(暴)龍に鼻をへし折られて全治1ヶ月の診断書を警察に持ち込んだ「知人」がいるのに、本人は最後まで「殴っていない」と言い張り、「知人」も急に「何もなかった」と言い出す奇妙な話に似ていないこともありません。消えた1億円は何処に行ったのか?朝青(暴)龍は手も触れずに隣の知人の鼻を折れるのか?不思議な話が機を一にして飛び出しました。
ある検察幹部は「小沢氏は選挙で選ばれた影響の大きい政治家。100%有罪にできる証拠がないと起訴すべきではない」と語る。昨年3月の捜査では強い世間の批判を浴びたが、今回の捜査は世論調査で7割が支持した。立件のハードルを上げたため、またしても「秘書の犯罪」で終わったことは、その期待を裏切る形になった。ただ、今回の捜査は「すべて公開」「融資で購入」という小沢氏の偽りを鮮明に浮かび上がらせた点で意義があった。
2010年2月4日 産経ニュース
■クラッシャー小沢のウソばかりでなく、民主党の本性もはっきりと見えてしまったようなものですから、夏の参議院選挙を小沢幹事長体制のままで乗り切って大勝出来るなどと、努努(ゆめゆめ)油断せぬことでしょうなあ。暦の上ではもう春だそうですが、昨年の総選挙で様々な理由と事情で民主党に投票してしまったことを後悔している有権者は、何とか夏までに支持政党を無理にでも探し出しておかねばなりません。あの下卑た喧しい野次が飛び交う国会を眺めながら……。嗚呼。
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