旅限無(りょげむ)

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ちょっと待てよ、サミット! 其の弐

2006-07-14 22:28:46 | 外交・世界情勢全般


米通商代表部(USTR)の農業交渉責任者であるジェイソン・ハフェマイスター代表補代理は13日、ワシントンで一部日本メディアと会見した。行き詰まっている世界貿易機関(WTO)新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の農業分野について、「各国の市場開放が不十分ならば米国は合意できない。我々は真剣な交渉相手を求めている」と述べ、ドーハ・ラウンドの成功には、日本など食料輸入国が大幅な関税削減などで輸出国側に歩み寄ることが不可欠だ、との認識を示した。15日から始まる主要国首脳会議(サンクトペテルブルク・サミット)については「前向きなサインを期待している」と述べた。読売新聞 - 7月14日

■中途半端に米の輸入を始めている事を日本国民の多くは忘れているでしょうなあ。最近も、日本人が喰わない輸入米の保管料が馬鹿にならなくなって家畜の飼料にするんだとの報道が有りました。どんな農薬を使っているのか分からない、妙に安い中国産野菜を食べるようになってしまったのも、WTOに日本が加盟したのが遠因です。自動車や電化製品を売りたければ農産物を買え!と小麦や大豆やとうもろこしが腐るほど収穫できる米国が騒いだ結果でしたなあ。クリントン時代は、「USTR」は悪の権化だったはずですが、もうすっかり忘れているのですなあ、日本人は。米を炊くのが面倒くさい!と平気で主張する母が増え、カップ麺を乾いたままばりばり食べて泣いていた小学生が秋田県で水死しましたなあ。あの母子家庭には炊飯設備が無かった!

■日本の農業を守るか?トヨタ世界一を守るか?その大問題はまだ解決などしていませんぞ。勿論、農協利権やら農水族議員の裏商売が繁盛する必要は有りませんが、日本列島の水と土と食の問題を工業や貿易とバランスさせるには、もっと大きな議論が起こらねばなりません。子供や若者がシャリシャリ、もぐもぐと米国産のジャンク・フードを食べて無駄に太って行くのは亡国への道でしょうなあ。


ロシア通信(RIA)などが13日、クドリン財務相の発言として報じたところによると、ロシアは世界貿易機関(WTO)加盟に関して米政府との合意に達した。それによると、ブッシュ米大統領とプーチン・ロシア大統領が、14日か15日にサンクトペテルブルクで会う際にロシアのWTO加盟に関する協定に調印するという。インタファクスがクドリン財務相の発言として伝えたところでは、同相は「協定に、明日か明後日、主要国(G8)首脳会議(サンクトペテルブルク・サミット)が始まる前に調印できるよう期待している」と語った。ロイター - 7月14日

■米国は他の貧乏国家がWTOに加盟するのは応援しているのに、ロシアだけには意地悪しているとばかり思っていたら、ちゃんと裏では話が付いていたのですなあ。中国の加盟も唐突でしたが、その後で「知的所有権」が大問題になって未だに解決していないのに、米国は「あれは大失敗でした」とは一言も謝りませんなあ。中国以上のマフィア経済国家になってしまったロシアを、本当にWTOに加盟させても良いのでしょうか?この問題でも、日本は一切の口出しを許されていませんぞ!北朝鮮のミサイル問題など、本当は極小さな問題だったのではないか?という疑惑が出るのはこういう事情が有るからです。


小泉純一郎首相はサンクトペテルブルク・サミット(主要国首脳会議)出席を前にロシアのインタファクス通信とのインタビューに応じ、日ロ間の相互信頼を確立し、経済関係を発展させるためには平和条約の締結が必要だと強調した。……首相は「ここ数年間、日ロの経済・貿易関係は発展を維持しているが、潜在的可能性をはるかに下回るレベルだ」と語り、その主たる原因は平和条約が存在せず、信頼関係が構築されていないからだと述べた。首相はまた、北朝鮮のミサイル発射問題について、サミットで国際社会が協調反応を示すことが重要だと指摘。北朝鮮に6カ国協議への無条件復帰を改めて呼び掛けた。時事通信 - 7月13日

■ロシアとの間には北方領土問題、東シベリアのパイプライン問題が横たわっているのですが、小泉プレスリー首相にとっては、蟹を買って廃車寸前のボロ車を売る、そんな情けない貿易を基盤として「平和条約」の締結を目論むつもりなのでしょうか?北朝鮮ぐらいの小物が相手なら、「日朝平壌宣言」程度の幼稚な作文でも大喜びで乗って来ますが、大国ロシアとなればまったく話は違って来ますぞ。


主要国(G8)は、ロシアで15日から開く首脳会議(サンクトペテルブルク・サミット)で、北朝鮮のミサイル発射問題について「国際、地域の平和と安定を損なう」と強い懸念を表明し、発射凍結などを求める「不拡散に関する首脳声明」を発表することを決めた。日本政府関係者が14日、明らかにした。声明は前文で「大量破壊兵器と(ミサイルなどの)運搬手段の拡散は、国際の平和と安全に対する脅威」と表明。名指しは避けるものの北朝鮮などを念頭に、ミサイルや関連物資の技術移転などの阻止の必要性を訴える。

■「名指しは避けるものの」などと暢気な報道ですなあ。「拉致」「拉致」「拉致」と書き込まなかったばかりに、共同宣言に調印した後で、日本を「嘘つき」呼ばわりして開き直った相手でしょ?名指ししなければ、「えッ、それは誰の事?それはともかく、我々は要求する!」と交渉の現場では騒ぎ出すに決まっているでしょうに!何だか、日本の外務省が急に大活躍し始めたような話は、裏で誰かさんが結託して作ったシナリオ通りの展開だったのではないでしょうか?どこまでも北朝鮮に「知らぬ、存ぜぬ!」と開き直れる穴と隙間をたっぷりと用意した文書を作って、日本の世論(せろん)のガス抜きをして黙らせる。その後であちこちから回って来る請求書を押し付ける?

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