旅限無(りょげむ)

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アニータ!青森へ? 其の壱

2007-01-31 13:00:55 | 社会問題・事件
■青森県民の皆さんにとって、思い出したくも無い名前が再び現れました。第一報なので真偽のほどは不明ですが、報道が事実ならば青森の雪景色が血で染まるのではないか?と心配になるような、日本と青森を舐めきった話ですぞ!

青森県住宅供給公社の巨額横領事件で服役中の千田郁司受刑者のチリ人妻アニータ・アルバラードさん(34)が29日、地元テレビ局チリビシオンの番組収録のためチリを出国し、日本へ向かった。同局によると、この番組は有名人に密着取材し、隠れた素顔を伝えるという内容で、アニータさんは初回のゲスト。31日午後に成田に着き、青森に向かう。アニータさんは「日本に行き、夫と会う」としており、滞在中に千田受刑者と面会を試みるとみられる。
1月31日 時事通信

■何だか日本のテレビ局が垂れ流している番組をそのままパクッたような企画のようですが、南米の毒気は相当なものですなあ。この悪趣味の極地のようなテレビ・クルーを日本中のテレビ局が追い回して見せるのでしょうか?その取材の狂態を逆に取材されてチリのテレビ番組で放送されるという、悪趣味の相乗効果を両国のテレビ界が競うのでしょうか?早めに無視を決め込んだ方が宜しいでしょうなあ。それにしましても、この信じられない横領事件は、まだ完全には決着していないようなので、改めて振り返ってみたくなりました。公的資金を投入した住宅事業は今でも日本中で進められていて、横領事件にならなくても無駄遣いと役得疑惑が渦巻いているのですから、青森県の醜聞として切り捨てては行けないようです。発覚したのは2001年の10月末でしたなあ。地元の東奥日報が連日、全力で取材し続けていた記録がネット上に公開されているので、それを参考にして事件を振り返ります。


住宅団地の用地買収や住宅の建設、分譲を行っている県住宅供給公社(理事長・山口柾義副知事)の経理担当の男性職員(43)が、同公社の会計から1994-2001年にわたり総額約14億円の使い込みをしていたことが30日までに、仙台国税局による査察や同公社の内部調査で明らかになった。県は31日にも、県警に対し刑事告訴をする方針だ。……口座などから現金が引き下ろされ、さらに帳簿類も操作されていた疑いが判明。経理を担当していた男性職員に直接事情を問いただしたところ、あいまいな受け答えが続き、使い込みの疑いが発覚した。

■これが第一報で、後に全国的な有名人になってしまうアニータの名前も、千田さんの名前も有りませんでした。でも、初めから「14億円」という驚天動地の被害額は判明していたのでした。この前代未聞の横領犯罪が発覚したのは、同年に起こった9・11同時多発テロに関連したテロ活動に流用されそうな不正な海外送金を精査している最中の事だったそうです。青森県民にとっては立派なテロ攻撃みたいなものですが……。


……当初は引き出し額が少額だったが、1997年あたりからは年間2-3億円にも膨らんでいた、という。この男性職員は青森市内に住んでいるが30日現在、連絡が取れていない状態だという。……山口理事長は「連絡があったのは23、24日ごろ。内部資料と銀行の数字を付き合わせた結果、被害が分かった」としたものの「きょうの段階では金額など詳しい内容は話せない」とした。……関係者の話では、この職員は2、3人いる経理担当の中心。97年度には、いったん他の担当部署に異動となったが、複雑な経理事務をこなせるのはこの職員しかいないため、年度途中からまた経理を任されていた。98年度には「やめたい」という意向を漏らしたが、慰留されている。

■第一報の段階で、事件の全貌に迫る骨格を見事に押さえている記事であります。この時から、千田さん探しが1ヶ月も続くとは、誰も想像しなかったのではないでしょうか?それ以上に横領された金の使い道など、誰が想像したでしょう?

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