旅限無(りょげむ)

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日本飢餓列島 其の弐

2006-06-26 11:30:57 | 健康
■哺乳類の赤ん坊は本能的に母親にしがみついて生き延びようとするものだそうですが、死亡した彩香ちゃんの9年間の人生は、しがみ付いては行けない母を持ってしまった事で大変な苦労の連続だったでしょうが、その中心に有るのが飢餓だったでしょう。人間らしい食事は学校給食のみ!という食生活に日本中の親が衝撃を受けたと報道されたのも当然です。しかし、携帯電話に収入の大半を費やして家事を放棄して遊び歩いているバカ親がそれほど珍しい事ではないらしい、という恐ろしい話も出て来ているようですぞ。『週刊文春』6月22日号に「子供の食卓を放棄するバカ親たち」という刺激的な題名の記事が掲載されました。新聞各紙にも畠山彩香ちゃんの予備軍となる栄養失調児童の問題が取り上げられています。

日本は飽食の時代と言われて久しいが、一部の子供の食生活は寒々しいものだ。鈴香容疑者のようにまともに食事を作らないという母親は確実に増えている。京都市内の中学校に勤めている事務員A氏は毎日のように、こうした家庭の実情に直面している。「家事を一切しない、子供の食事もつくらないという母親など珍しくもありません。弁当持参の日にコンビニの弁当を持って来る生徒や、親に菓子パンを持たされる生徒が3割もいます。……普段の食事すら作ってくれないと答える子が多いのです」

■ただの家事の手抜きではなく、食事も食事代も与えられないガキンチョが図書室や書店で「狩り」をして古本屋に売って食費を稼ぐ事件も頻発しているとか……。アホな社保庁や反省しないNHKに抗議する目的で年金保険料や受信料の支払いを拒否するのとは別に、自分が遊ぶ金欲しさに「給食費」を支払わないバカ親が急増しているというニュースも有りましたなあ。


「生活保護を受けている母子家庭の子供で、母親は大のパチンコ好き、食費もつぎ込んで毎日パチンコ三昧。負けたときは子供に食事を与えないのに、パチンコに勝ったときだけ、焼肉を食べに連れ居ていっていたようです」

隣国の将軍様が聞いたら涙を流して喜んでくれそうな話?かも知れませんなあ。疲れやすくて辛抱できない、頭を使うのが嫌いで凶暴な行動が多いのは、食生活が原因である場合が多い事は分かっています。


文部科学省の2002年の調査では、毎朝必ず食べるという子供は、小学生で85%、中学生で80%しかいない。2004年に行なった北海道PTA連合会の調査でも、小中学生の4人に1人、つまり2割以上の子供たちが朝ごはんをちゃんと食べていないのだ。東京都墨田区の小学校の教師Bさんが受け持つクラスでも、3割の生徒が朝食を摂らないという。……もともと食べる習慣がない、母親が起きてこないから食べられない……親の影響で子供も夜更かしをしています。そして親と一緒に夜食を摂ってしまい、朝、食欲がわかないという子供が増えています。

■更にJA全中とJA全農、そして農水省の2005年の共同調査というのも出ていますが、朝食を摂る子供の5人に1人は自炊!しているのだそうです。大したものだなあ、と思ったら、「朝飯」の内容はクッキーだのアイスクリームだのが並んでいるのだそうです。学校給食が「最後の砦」と言う声も有りますが、これも怪しいようです。


「『給食が唯一のごちそう』とばかりに、がつがつと食べる子供と、逆に、好き嫌いが激しくて何も食べられなくなる子供がいます。自宅で出来合いのものばかり食べて偏食になると、嫌いなものが増えて給食も食べられなくなるのです」……母親自身がダイエットを行なっている場合、子供にもカロリーの少ない食事を食べさせていることも多いという。そのため、不健康に痩せている子供が近年増えているというのだ。

子供を何だと思っているのか分からなくなる話ですが、人間にとって食事は文化ですから、単なる肉体の健康だけが問題なのではないようです。


「子供にとって、親の手作り料理ほど、愛情を実感できるものはないのです。親に食事を作ってもらったという経験や喜びが人とのコミュニケーションや、愛情を育むことにつながっていくのです」

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