旅限無(りょげむ)

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日本飢餓列島 其の壱

2006-06-26 11:30:38 | 健康
■テレビCMも新聞広告も雑誌広告も、痩せ薬やら痩せマシーンが満載で、メタボリック症候群などという新語も登場しております。要するに日本中に喰い過ぎの人が沢山いらっしゃるという事で、世界中の海産物を買い集めて食い尽くしてしまいそうな勢いですし、またぞろ米国産の安い牛肉をたらふく食べられそうな雲行きですなあ。それに引き換え隣の「地上の楽園」を筆頭にアホな独裁者が愚かな政治をしている国や死の商人の上客になって内戦ばかりやっているような地域には、餓死の死線を行ったり来たりしている子供たちが沢山います。黒柳徹子さんが現地に出かけて行って悲惨な実情をテレビ映像にして寄付を呼びかけたりしていますなあ。

■飢餓が渦巻く世界の中に飽食国家の日本がぷかぷかと浮かんでいるのかと思ったら、新しいタイプの栄養失調児童が出現しているのだそうです。子どもは仏教用語の「餓鬼」と呼ばれるように、お母さんのオッパイに始まって思春期のスナックまで、のべつ幕無しに腹を減らしているものです。空腹をかかえて切なそうな顔をしている子供を見ると居ても立ってもいられなくのが親心というもので、ついつい食べさせ過ぎてしまう親バカになってしまうものです。しかし、既に米国で顕著になった高カロリーなのに貧弱な栄養価しかないジャンク・フードばかり食べている貧困層の問題が深刻です。金持ちはヘルシーな食事を摂ってほっそりした体形を保ち、貧乏人は脂肪ばかり貯め込んでしまう恐ろしい社会問題が起こっています。

■秋田県で9年の短い生涯を閉じてしまった畠山彩香という少女は、調理器具が一切無い家で育てられ、最期の食事がカップ焼きそばだったそうです。日夜カップ麺の開発に情熱を傾けている人達も暗澹たる気持ちになったことでしょうなあ。いくら世界一美味しいカップ麺でも「主食」にしようと思って開発販売している企業は無いのではないでしょうか?あれこれと新製品を工夫している人達も、一仕事終ってカップ麺で夕食を済ますわけではないでしょう。彩香ちゃんはお湯を入れて3分間のそのお湯も手に入らず、公園でカップの麺をばりばりと食べていたなどという目撃談も飛び出しているようですなあ。

■超能力が大好きなテレビ朝日の『テレビのチカラ』とか言う番組が畠山鈴香容疑者の殺意を膨らませたんじゃないか?などとも言われ始めているそうですが、もともと、人気が高かった『アフタヌーン・ショー』というワイド・ショーをヤラセ事件で潰した会社ですから、仕事が無い時代劇役者や売れなくなったタレントを並べて人の不幸を食い物にするくらい、何でもないでしょうから、犯人のホラ話に乗せられても不思議ではありません。この秋田の連続?児童殺害事件が長期間に亘って加熱報道が続いた原因は、「わが子を失った悲劇の母親」というステレオ・タイプをテレビや週刊誌が誤用した事にあります。生物学的には母子でしょうが、人間の母子だったかどうかは怪しいものです。哺乳類としての母子としても相当に怪しいですなあ。皮肉なもので、立派な親に大切に育てられた無神経で幼稚なガキンチョよりも、周囲に気を配る良い子になって生き延びようとした子は良く気が付く将来有望な娘になっていたらしいですなあ。

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