■この週末もテレビのニュース・ショーやラジオの討論番組は普天間問題一色になってしまったようです。「抑止力」を勉強して変心した鳩山サセテイタダク首相の発言が波紋を広げて、議論は収拾が付かない大混乱であります。ご本人は奇怪な精神論にすがり付いているようなのですが……。
鳩山由紀夫首相は6日、米軍普天間飛行場の移設先について「最低でも県外」としていた自身の発言について「努力をしたいという思いで今日まで行動してきた。場当たりな発言は一切していない」と述べ、公約ではなく努力目標であるとの認識を示した。「約束とかそういうことよりも、言葉の重さは認識している。責任を果たそうと行動している」とも語った。……首相は「5月までに決めますと申し上げているから、それを変えるつもりは全くない」と述べ、改めて期限通りの決着に意欲を示した。また、首相は6日、沖縄を再訪問する考えを固めた。沖縄が本土復帰した日にあたる15日の訪問が念頭にあるとみられる。
2010年5月7日 産経新聞
■個人的な「努力目標」なら手帳にでも書いておくか、執務室の壁にでも貼っておけばよさそうなものですが、選挙戦の最中に党代表として政権交代を叫ぶ時に党のマニフェストに混入させては行けませんし、党首討論の場などでしれっと口にしても行けません。ご本人は自分の努力目標を忘れないために公衆の面前で大きな声にして「独り言」を言っただけなのでしょうが、更に拙いのは自分の発言を一種の「約束」だと、これまた個人的に思い込んでしまったことでした。
■以前に首相が大見得を切った「腹案」というのは、首相を膝に乗せて操っている無口な腹話術師の囁きではないのか?と書きましたが、政権交代という目的のために沖縄選挙区の票をごっそり奪って総選挙に勝つためには「国外、最低でも県外」と空手形を切り、政権を磐石にするために過半数を制して参議院選挙に勝つためには「5月末決着」という機械的な計算だけで口走る。そして腹話術師が画策した連立相手を喜ばせるためにグアムやらテニアンやらの「国外」の地名を意味ありげに垂れ流す。かつて「第七艦隊だけで抑止力は十分だ」と断言した人が腹話術師の正体なら、今の大混乱の原因は実に単純明快なものになりそうです。でも、選挙活動に専念している幹事長の口から日米関係の危機を脱する妙案などは出て来そうにありません。
■あれは公約ではなく「努力目標」だったと首相が告白した日に、閣内からは問答無用で「公約」扱いし続けようとする声が出ていたようです。
社民党党首の福島瑞穂消費者・少子化担当相は7日の閣僚懇談会で、米軍普天間飛行場移設問題をめぐり、「多くの沖縄県民が県内移設に反対している。県民の思いを切り捨てる政治はやってはならない」と発言した。政府が検討中の名護市辺野古の浅瀬への杭打ち方式による代替施設建設ではなく、県外・国外移設を目指すよう改めて求めたものだ。これに対し、平野博文官房長官は「5月末の決着に向けて今、最終調整をしているところだ。閣内が一致協力してこの問題に対応したい」と協力を要請した。
2010年5月7日 産経新聞
■移設問題に関して鳩山内閣が「一致協力」したことは一度もありません。民主党の閣僚だけに限っても意見は別れ、首相と官房長官との間にも大きな隔たりがあり、連立政党からも異説が出ているのですからなあ。こうした混乱を米国側は不気味に静観しているのですが……。閣議できゃんきゃん吠えている福島大臣は消費者問題と少子化問題という専権事項に関しては何の発言も聞かれず、鳩山首相の「努力目標」「思い」「妄想」を現実化させようと閣内を撹乱するのに熱心なのは困ります。
■社民党は現在、参議院に5議席を持っているのですが、夏の選挙で3議席は改選になります。昨年9月の段階で、比例代表で3議席、選挙区でも3議席以上の獲得という恐れを知らぬ皮算用・目標を発表しているそうですが、このまま普天間基地の移設が凍結されるようなことになったら、改選議員の再当選は難しくなるでしょうし、最悪の場合は議席数2の参議院で最小の政党になってしまうかも?そうなれば「重大な決意」をする前に、クラッシャー小沢から(もしも選挙時に在任していたら)冷たい三行半が送られて来るのでしょうなあ。
鳩山由紀夫首相は6日、米軍普天間飛行場の移設先について「最低でも県外」としていた自身の発言について「努力をしたいという思いで今日まで行動してきた。場当たりな発言は一切していない」と述べ、公約ではなく努力目標であるとの認識を示した。「約束とかそういうことよりも、言葉の重さは認識している。責任を果たそうと行動している」とも語った。……首相は「5月までに決めますと申し上げているから、それを変えるつもりは全くない」と述べ、改めて期限通りの決着に意欲を示した。また、首相は6日、沖縄を再訪問する考えを固めた。沖縄が本土復帰した日にあたる15日の訪問が念頭にあるとみられる。
2010年5月7日 産経新聞
■個人的な「努力目標」なら手帳にでも書いておくか、執務室の壁にでも貼っておけばよさそうなものですが、選挙戦の最中に党代表として政権交代を叫ぶ時に党のマニフェストに混入させては行けませんし、党首討論の場などでしれっと口にしても行けません。ご本人は自分の努力目標を忘れないために公衆の面前で大きな声にして「独り言」を言っただけなのでしょうが、更に拙いのは自分の発言を一種の「約束」だと、これまた個人的に思い込んでしまったことでした。
■以前に首相が大見得を切った「腹案」というのは、首相を膝に乗せて操っている無口な腹話術師の囁きではないのか?と書きましたが、政権交代という目的のために沖縄選挙区の票をごっそり奪って総選挙に勝つためには「国外、最低でも県外」と空手形を切り、政権を磐石にするために過半数を制して参議院選挙に勝つためには「5月末決着」という機械的な計算だけで口走る。そして腹話術師が画策した連立相手を喜ばせるためにグアムやらテニアンやらの「国外」の地名を意味ありげに垂れ流す。かつて「第七艦隊だけで抑止力は十分だ」と断言した人が腹話術師の正体なら、今の大混乱の原因は実に単純明快なものになりそうです。でも、選挙活動に専念している幹事長の口から日米関係の危機を脱する妙案などは出て来そうにありません。
■あれは公約ではなく「努力目標」だったと首相が告白した日に、閣内からは問答無用で「公約」扱いし続けようとする声が出ていたようです。
社民党党首の福島瑞穂消費者・少子化担当相は7日の閣僚懇談会で、米軍普天間飛行場移設問題をめぐり、「多くの沖縄県民が県内移設に反対している。県民の思いを切り捨てる政治はやってはならない」と発言した。政府が検討中の名護市辺野古の浅瀬への杭打ち方式による代替施設建設ではなく、県外・国外移設を目指すよう改めて求めたものだ。これに対し、平野博文官房長官は「5月末の決着に向けて今、最終調整をしているところだ。閣内が一致協力してこの問題に対応したい」と協力を要請した。
2010年5月7日 産経新聞
■移設問題に関して鳩山内閣が「一致協力」したことは一度もありません。民主党の閣僚だけに限っても意見は別れ、首相と官房長官との間にも大きな隔たりがあり、連立政党からも異説が出ているのですからなあ。こうした混乱を米国側は不気味に静観しているのですが……。閣議できゃんきゃん吠えている福島大臣は消費者問題と少子化問題という専権事項に関しては何の発言も聞かれず、鳩山首相の「努力目標」「思い」「妄想」を現実化させようと閣内を撹乱するのに熱心なのは困ります。
■社民党は現在、参議院に5議席を持っているのですが、夏の選挙で3議席は改選になります。昨年9月の段階で、比例代表で3議席、選挙区でも3議席以上の獲得という恐れを知らぬ皮算用・目標を発表しているそうですが、このまま普天間基地の移設が凍結されるようなことになったら、改選議員の再当選は難しくなるでしょうし、最悪の場合は議席数2の参議院で最小の政党になってしまうかも?そうなれば「重大な決意」をする前に、クラッシャー小沢から(もしも選挙時に在任していたら)冷たい三行半が送られて来るのでしょうなあ。