犀川の河川整備を考える会

犀川の辰巳ダム建設を契機に河川整備を考え、公共土木事業のあり方について問題提起をするブログ。

辰巳ダム>谷本知事は、一時、辰巳ダム建設中止を考えたか

2017年12月13日 | 辰巳ダム
 ・・・・・辰巳ダム建設反対運動の記録の整理がなかなか進まない。

 辰巳ダム建設計画について、「高い授業料だったが、辰巳ダムをやめてはどうか」という趣旨の知事発言があった。新年の挨拶(2000(平成12)年から2002(平成14)年の頃)の出来事で新聞紙上に紹介されていたと記憶する。市民と県との意見交換会(1999年)を受けて開催された公共事業評価監視委員会が審議の結果、ダム事業継続を認めたものの5項目からなる付帯意見を付したので辰巳ダム計画を一から見直さざるをえなくなったことが背景にある。
また、谷本知事は中井安治の『加賀辰巳用水』を読み、東岩取入口を歴史的文化遺産と強く認識し、どうしても造るというのであれば、少なくとも東岩取入口を避けてダム堤体を上流に移すべきと考えたとも伝え聞いている。
 知事に直接聞いていないので、真偽はわからないが、辰巳ダム建設を躊躇していたのは間違いない。辰巳ダム建設に関して公式発言の記録が県議会議事録に残っているので、河川課担当者から、「県議会における知事の発言の抜粋」文書を提供してもらった。
平成11年8月17日に、辰巳ダム建設事業についての石川県公共事業評価監視委員会から付帯意見が出た後に、知事の県議会においての発言は別紙(下記)のとおりである。これをひと言で要約すると、
①1999(平成11)年9月22日: 付帯意見を尊重し、着実に事業を進める。
②2000(平成12)年2月28日: 付帯意見を踏まえ地質調査等を行う。
③2001(平成13)年3月12日: ダム至上主義ではない。様々なことを勘案すると一律にダムをやめるというわけにもいかない。難しい。よくよく考える必要がある。
2002(平成14)年4月: 玉井信行元東大教授が金沢大学大学院自然科学研究科教授に着任。
④2002(平成14)年10月1日: ダム至上主義ではない。いろいろ総合的に考えた。環境に配慮したダムづくりを目指す。
2002(平成14)年10月25日: 第1回犀川水系河川整備検討委員会開催。

 ①、②では、進めるとしか言っていないが、③で躊躇し、④では、ダムをつくると発言している。平成12年の時点では、ダム事業継続を認められたのだから、止めるところまでいたらず、進めようとしていたが、平成13年時点では、躊躇している。平成14年10月の学識経験者による委員会開催のときにはダムづくりを目指すとして意志を明確にしている。
 知事が辰巳ダム建設中止を考えたのは、2001(平成13)年、2002(平成14)年の始め頃までの間と推測する。

【別紙】県議会における知事の発言の抜粋(石川県河川課担当者提供)


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